異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味

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ベアルダウン王国編

183話 主人公、精霊王の秘密を知るー1

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「ここは、あなた達が精霊王と呼んでいる※※※※様の居城です。」
 トゥーラは僕の疑問に答えてくれる。
 心を読まれているようだ。

「精霊王を祀る神殿ではないということですね?僕の推測は間違いでしたか…。ではあの古文書は誰が?僕が解読した古文書に書いてあることは、真実なのですか?」
 ライルの興奮はおさまらないようだ。

「昔、精霊王という偉大な王がいた。しかし、ヒト種によって殺されてしまい、精霊王はヒト種を呪いながら死んだ。だからこの世界は呪われている、という話ですね?」

「はっ、はい。そのような話が書いてありました。」

「わたくしがどのような言葉を使って話をしても、真実は伝わりません。あなた達の目で見て判断してください。」

 目で見て判断する?どういうことだ?

「今からあなた達には、記憶を体験していただきます。あの時何が起こったのか…。」

「どっ、どういうことです?」

「あなた達を、そのとき存在した精霊と同調させます。出来事を精霊目線で見るということです。あなた達は、傍観者。ただ見るだけですが、それが真実です。では、はじめますよ。」

 僕達の返事など構わずに、トゥーラは強制的に術を発動する。

 僕達は抗えない眠りを覚え、その場に突っ伏した…。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「父さま!母さま!お客さまが来るの?しかも、ヒト種。母さまのお兄様、おじさまの末裔なのですって?」

 肖像画で見たキレイな女性が、はしゃいでいる。

「姫さま!少し落ち着いてください!いつまでも子供なんですから。」
 姫さまと呼ばれた女性の後ろから、知っている人が現れる。

 トゥーラだ。

「◯◯◯は今日も元気だね。そんなに楽しみかい?」

「もちろんよ!父さま!だってヒト種がこの国に来るなんて、滅多にないもの。この国にいるのは、ほとんどが精霊種や妖精種。ヒト種や獣人種の人たちは、あまり見ないから。」

 父さまと呼ばれた人物は、金色の長い髪で不思議な色の瞳をしている。

(あの人が精霊王?)

「連絡が来た時はびっくりしましたけど、お兄様の末裔だということは間違いないようです。私が教えた方法で連絡がきたのですから。まさか、何百年も経ってるのに会えるとは…。」

「母さま…。」

 母さまと呼ばれた人物も姫に似て、とてもキレイな女性だ。優しそうな瞳で姫を見ている。

(この人が王妃?)

「さぁ、◯◯◯。お客さん達を迎える準備があるからね。君も手伝って。トゥーラによく教えてもらうんだよ。」

「分かったわ。父さま!さぁ、トゥーラ。何をしたらいいの?私、頑張るわ!」

「姫さま!そんなに慌てなくても、やる事はいっぱいありますから。」

 トゥーラと姫は、その場から離れていく。姫のいなくなったところで、女性が表情を変える。

「あなた。本当に大丈夫でしょうか。あの子は喜んでいますけど…。こんな何百年も経ってから連絡があるのは変だと思うのです。いまヒト種の国では、戦争や飢饉など、問題がいっぱいです。そんな時になぜ…。」

「ふふっ。心配はいらないよ。君が書いた古い手紙を発見したみたいだ。王家の伝承でしか残っていなかった君からの手紙。それを発見した者にたまたま術の心得があり、半信半疑で術を発動したら繋がってしまった。向こうも驚いたと思うよ。」

「それなら良いのですが…。」

「心配性だなぁ。大丈夫。もし何かあってもボクが守るから。」

「えぇ、そうですわね。あなたの前ではウソはつけない。私たちの心の奥まで見抜いてしまうもの。偉大なる※※※※様。」

 精霊王が王妃を抱きしめると、王妃は安心した顔になる。

 その時、精霊王の長い髪が風になびき、彼の尖った耳が露わになる。

(あっ!あの耳、そしてキレイな金色の髪。この特徴は…、エンシャントエルフ!伝説だと思っていました…。)
 ライルの驚きが伝わってくる。

 精霊王は古(エンシャント)エルフ?





「はじめまして。精霊王様。私がご連絡した△△△です。」

 王妃に似た幼い姫が、一生懸命あいさつしている。

「君かい?王妃の手紙を発見したのは?」

「はい。王家には、その昔、偉大なる王に嫁いだ姫の話が伝わっています。その姫のおかげで我が一族は助かり、王家を再興する事ができた、と。伝説だと思っておりました。まさか、本当のことだとは…。」

「よく来て下さいました。お兄様の末裔なのですね。面影があります。私の娘を紹介しますわ。◯◯◯です。」

「はっ、はじめまして!私が◯◯◯よ。私、ヒト種は初めて見るの。仲良くしてくれる?」

「はい!もちろんです。◯◯◯様の髪はキレイな栗色なのですね。王妃様にそっくりです。」

 ヒト種の幼い姫と精霊王の姫は仲良くなったようだ。





「この国はとてもキレイな国ですね。豊かで平和な国。我が国とは大違いです。」

「あなたの国では、戦争をしているの?どうして?」

「国を守るためなのです。私の国の周りには、好戦的な獣人種の部族や領地争いをしている妖精種の隣国、他国を狙うヒト種の国など、問題ばかりです…。だから国を守るためには戦うしかないのです。」

「どうして仲良くできないのかしら?この国にいる人々はみんな仲良しだよ?獣人種には気性の荒い人もいるから、すぐにケンカになるってトゥーラが言っていたけど。」

「そうですね。仲良くしてほしいです。戦争はイヤです。どんどん人が死んでいきます。私はそれが悲しいのです。」

 精霊王の姫は、ヒト種の幼い姫に同情する。

「そうだ!父さまにお願いしましょう!父さまは偉大な王だって、母さまは言ってたわ。父さまになら、何とかできると思うの!」
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