異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味

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ベアルダウン王国編

191話 主人公、異世界の秘密を知るー3

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 セシルさまが、この城の姫!?
 精霊王の娘で、エンシャントエルフとヒトの間の子供!?

「ソラは、姫さん、いや、セシルを鍛えると同時にある術を開発していた。ソラには分かっていたんだよ。このままのセシルでは異世界の穴を閉じることはできないと。」

「ソラって術の開発もしてたの?」

「セシルの開発の師匠はソラだよ。」

「それでか!」
 ジルが大きな声を出す。
「セシルさまの開発品には、不思議な術が使われていることが多かった。ドラゴンの師匠がいたとは!俺の師匠は、前のセシルさまだが、ソラっていうドラゴンは、師匠の師匠ってことだな!」

「ハハハッ!正にその通りだ!」
 タイジュは大笑いする。師匠の師匠って言葉が面白かったようだ。

 そんなに笑うことかな?タイジュは笑い上戸なのか?

「ソラは、セシルの肉体とこの城に残っていた精霊王のチカラを使って、異世界の穴を閉じる術を考案した。だから、セシルは分離することに合意したんだ。」

「おいおい。分離って言っても、そんなこと、普通できねーだろ?」
 ガルシアが呆れた声で言う。

「もちろん、普通のヤツじゃ無理だ。セシルのように、チカラの強い種族だから出来る芸当だよ。そうだな、ドラゴンなら出来るかもな。タクミもやってみるか?」

 話を振られた僕は、全力で拒否する。
 出来るかも?で、やることじゃないよ!セシルさまも怖かっただろうな。でもきっと、この術に賭けたんだ。

「ソラは分離した精神を転生させることにした。転生を繰り返すことで経験を積ませ、魂を鍛えようとしたんだよ。」

 魂の強さは身体に影響を及ぼす。魂が強くなれば、精霊王のように、エンシャントエルフのチカラを使いこなせるようになるかもしれない。それを期待したんだ!

「セシルは、その提案を受け入れた。ただし、ひとつだけ条件を付けた。精霊王はこの世界から消える時に、『呪いの影響を強く受けた者が生まれるだろう』と言っていた。その呪われた子に転生したいと言い出した。ソラになら出来るだろうと。
 ソラは、呪いの子を特定して、その子が産まれる前にセシルの精神を転生させた。その子の呪いが『怠惰』だったんだよ。『怠惰』の呪いとセシルの魂は深く結び付いた。だから、何度転生しても必ず『怠惰』の呪いを受けることになったんだ。」

「ソラは呪いを特定することができるの?じゃあ、呪いそのものを無くすことが出来るんじゃ?」

「それが出来たら、とっくにやってるさ。ソラでも解呪できない。この呪いは全世界、いや、全異世界に存在する呪いなんだよ。それに、呪いの子を特定できたのは運が良かっただけだ。」

「!!!」

「セシルは転生を繰り返して、呪いの謎を探っていた。何のチカラも無いセシルに呪いの謎を探るのは困難だったが、何度目かの転生時に重要な仲間ができる。それがエルだ。」

 エル!セシルを『マスター』と呼ぶ精霊種。今は746歳だと言っていた。セシルが分離して、転生するようになった後、誕生したってことか!

「エルは姫さんの側に常に一緒にいた精霊なんだよ。お前達のパートナー精霊と同じだ。転生を繰り返す姫さんのチカラになりたいって想いが強かったために、具現化したんだよ。」

エルにはそんな秘密が…。

「セシルは転生を繰り返すことで、この世界のことを学んだ。そして、商人として世界の情報を集め、エルの協力で呪いの謎を解明しようとした。呪いを強く受けた人々の存在。そしてグールと怪異のこと。それらを認識したセシルは、この呪いを何とかしないと、この世界はいつか滅ぶと思ったんだよ。だから、紋章システムを開発した。」

「その間、ソラは?トゥーラ達はどうしてたの?協力はしなかったの?」

「魂を鍛えるために転生してるんだぞ。ソラやトゥーラに助けてもらっていては、成長しないだろ?セシルは分離するときに、いつか自分の力でこの城に帰ってくると決意してた。それでも、ソラはたまに会いに来たよ。あいつは自由人だからな。」

 ハハッ…。自由人ね…。

「オレと仲間達は、精霊王の民の紋様を調べて、この城の座標を知った。そして、300年ぶりにこの城に戻ってきて、トゥーラから多くの情報を得た。トゥーラが集めてくれていた情報のおかげで、紋章システムが開発できて、このセシルのチカラによって、紋章システムは完成したんだよ。」

「でっ、では。紋章システムはこの精霊王の姫のチカラで成り立っているということデスか?」

「そうだ。正確に言うと、この城全体が紋章システムの中核だよ。」

「不思議に思っていまシタ。紋章システムのような便利なものを動かすには、莫大な動力が必要デス。この世界で最もチカラのある種族を動力にしていたのデスね…。」

「正確に言うと、紋章システムの動力は精霊なんだよ。エンシャントエルフは、精霊を意のままに操ることが出来たんだ。セシルはチカラが足りないから、術で補っているが。そうだなぁ。精霊に愛されているドラゴンなら可能かもしれないな。」

「僕にならセシルさまの代わりができるってことですか?だけど異世界の穴は、セシルさまにしか閉じられないんだよね?僕じゃ代わりになれないよ。」

「デモ、紋章システムを動かすことなら出来ますよね?」

「やけに紋章システムにこだわるな。カシムとガルシアが暗黒大陸に来た真の目的は、紋章システムの秘密を探ることだろ?」

「どっ、どうしてそれを…。」

「オレは紋章システムの管理人だ。カシムのパートナー精霊とも繋がってる。お前が何を悩んでいるかも知っている。」

「でっ、では。教えてください。アースで紋章システムを開発することはできマスか?」

 アースで紋章システム?
 カシムは何を言ってるんだ?
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