異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味

文字の大きさ
215 / 247
ベアルダウン王国編

セシルさまのお悩み相談室【本日のお題 スローライフ】

しおりを挟む
 

タクミ
 本日のお題は『スローライフ』です。僕も日本で働いていた頃は、そういう生活をしてみたいと思っていました。でもスローライフって、難しいですよね?

セシル
 スローライフとは、大量生産や大量消費ではなく、地産地消、自分が必要なものだけ揃えて生活しようという考えのことらしいが、明確な定義が無いものじゃったな。

タクミ
 日本では、毎年流行が変化して、若い子達はそれを買ってすぐ捨てるっていう生活をしてますよ。

セシル
 みんなが買ってるものは、自分も買わないとっていう心理じゃな。

タクミ
 僕も若い頃はそうでした。でも祖母の介護で家事をするようになって、ゴミを捨てるのも大変だということを経験したので、無駄な物は買わないようになりました。

セシル
 今はゴミも分別があって、気軽には捨てられないからのぅ。それで、ゴミが減るならいいことではないか?

タクミ
 そうなんですけど…。ある時、テレビで食品廃棄物の番組を見たんです。廃棄されてるのはほとんどが食べられる物。売れ残りや消費期限が近い物が大量に捨てられていました。

セシル
 そうじゃな。家庭でいくら気をつけていても、企業から捨てられるものは、家庭の何倍にもなるのじゃろう。

タクミ
 食べられる物を捨てるっているのは、なんだか悲しいですよ。

セシル
 消費期限が切れていても食べられる物は多くあるからのぅ。

タクミ
 食品を長く保存できるようなものを、もっと開発してほしいです。

セシル
 冷蔵庫があるではないか。これが開発された時は、とても画期的じゃったと思うぞ。

タクミ
 冷蔵庫以上のものはないですかね?
 この世界では、どうしているのです?

セシル
 時間の概念の無い空間に保管しておるのだよ。時間が経過しないから、腐らない。新鮮そのものだ。

タクミ
 そんなの、今のアースの科学では無理ですよ。

セシル
 この世界には科学技術はない。この世界の技術をアースで使おうとしても無理じゃよ。根本が違うからのぅ。

タクミ
 でも使えそうな技術はいっぱいありますよね?精霊球とか。

セシル
 そうじゃな。道具は人を幸せにするためにある。そういう道具をいっぱい作ってほしいのぅ。

タクミ
 今の日本では、売れる道具しか開発されないのも実情です。どんなに便利でも売れないものは、発売されない。

セシル
 確かにそれはあるのぅ。カネのある世界では、それが問題じゃ。売れるものが良いものというわけではないからのぅ。

タクミ
 どういう意味です?

セシル
 企業側は売れないと困るから、強度がソコソコの安価なものを開発するのじゃよ。消費者は安いものが欲しいから、それを買う。しかし、強度がないから、すぐに壊れてゴミじゃ。そしてまた、安価なものを買う。それで成り立っておるのじゃよ。

タクミ
 たしかに企業側は売れないと困りますからね。でもゴミが出るっていうのは、どうなんでしょう。それでいいのかな?

セシル
 本当にこの生活でいいのだろうか、と問題意識を持つことがスローライフじゃよ。

タクミ
 カネっていう仕組みがある限り、この負のループは無くならないのでしょうか…。

セシル
 それは、やり方次第。商品を売る側の意識の問題じゃ。例えば、売るのでは無く、レンタルという手もあるな。

タクミ
 レンタル?

セシル
 例えば、お掃除ロボットを毎月定額でレンタルする。消費者は、その製品に飽きたら、次の新しい製品に交換できるという仕組みはどうかのぅ。

タクミ
 古い方の製品と交換で、新しい製品をレンタルできるってことですか?たしかにそれなら、企業側は毎月お金は入ってきますし、消費者側は捨てなくてすみますよね。

セシル
 今のスマホは、似たような販売方法をしておるじゃろ?

タクミ
 たしかに!分割で買って、新しい機種に変更するときに下取りしますね。

セシル
 本当は強度をあげて長期間使い続けることがいいのだが、カネのある世界では、売れなくなると困るから、そういうことはしないじゃろう。

タクミ
 この世界では、どうしてるんです?

セシル
 必要な時に出すのが普通じゃよ。例えばホバーは常に最新のものが出てくるぞ。詳しいことは秘密だが、紋章システムからモノを出す時は、材料から組み立てたものを出す。だから常に必要な分だけ組み立てるから、ゴミは出ない。それに紋章システムに収納する時には、使ったホバーは分解されて、また次のホバーの材料になるのじゃ。

タクミ
 すごいな。究極のリサイクルですね。

セシル
 紋章システムは、モノを全世界の人で共有しようという考えから始まっておるからな。日本では車は各個人が所有しておるな。だが、使わない時間もある。そういう時に使ってもらえたら、車の数は少なくて済む。

タクミ
 道具を共有する…。なるほど!紋章システムは大きな道具箱ってことだ!

セシル
 ふふっ、そうじゃな。大きな道具箱から必要な時に必要な道具を取り出して使い、使い終わったらしまう、そんなイメージじゃ。

タクミ
 紋章システムなら常に新しい道具が出てくるから、先に誰かが使った道具はイヤだなって人も問題ないですね。

セシル
 アースでも、一人が一つ所有するっていう時代はもう終わるかもしれないな。使用頻度が低いモノは、共有でいいのじゃよ。

タクミ
 そうですね。大量生産、大量消費を見直そうって考えの日本人も増えてきましたからね。

セシル
 日本人はもう少し心に余裕があった方がいいのぅ。真面目で勤勉なのは美徳だが、『まぁいっか』くらいの気持ちも必要じゃよ。

タクミ
 気持ち次第でスローライフになるってことだね?

セシル
 うむ。何をスローライフとするのかは、個人によって違うからのぅ。とにかく自分がゆったりと満足できる暮らしがスローライフじゃと思うぞ。

タクミ
 そうですね。僕はタムの家での生活がとても良かったので、仕事を決めた後、暮らす場所を探すときは、野菜が育てられる自然が豊かなところにしたいです。そこで、野菜を育てて穏やかに暮らしたい。精霊球やミライがいたら、農業初心者でも困らないと思いますし。

セシル
 そうじゃな。何かを育てる生活は良いものだ。自分が納得できる生活をすることじゃ。そのために紋章システムがある。人々が幸せに暮らすための道具じゃからな。

タクミ
 紋章システムは、本当に人々を幸せにする道具だな、と僕も思います。では、これで本日の話は終わりです。
 セシルさま、ありがとうございました。

(やっぱり紋章システムは、この世界に必要なものだ。でも、セシルさまを犠牲にすることはできない。別の方法を必ず探さなくては…)

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

最強剣士が転生した世界は魔法しかない異世界でした! ~基礎魔法しか使えませんが魔法剣で成り上がります~

渡琉兎
ファンタジー
政権争いに巻き込まれた騎士団長で天才剣士のアルベルト・マリノワーナ。 彼はどこにも属していなかったが、敵に回ると厄介だという理由だけで毒を盛られて殺されてしまった。 剣の道を極める──志半ばで死んでしまったアルベルトを不憫に思った女神は、アルベルトの望む能力をそのままに転生する権利を与えた。 アルベルトが望んだ能力はもちろん、剣術の能力。 転生した先で剣の道を極めることを心に誓ったアルベルトだったが──転生先は魔法が発展した、魔法師だらけの異世界だった! 剣術が廃れた世界で、剣術で最強を目指すアルベルト──改め、アル・ノワールの成り上がり物語。 ※アルファポリス、カクヨム、小説家になろうにて同時掲載しています。

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る

ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。 異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。 一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。 娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。 そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。 異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。 娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。 そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。 3人と1匹の冒険が、今始まる。 ※小説家になろうでも投稿しています ※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!  よろしくお願いします!

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。

秋田ノ介
ファンタジー
  88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。  異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。  その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。  飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。  完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。  

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~

ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。 休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。 啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。 異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。 これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。

処理中です...