70 / 247
フラルアルド王国編
64話 主人公、古代神殿に行くー2
しおりを挟む剣を持ったガーディアンは、どんどん数が増える。
僕達を切りつけてきたガーディアンは、サクラが斬り倒す。が、どんどん増えるガーディアンに恐怖を感じたサクラは、「切っても切っても、向かって来るよ!」と叫ぶ。
「こいつら、弾が当たってるはずなのに、倒れないよ!サブマシンガンじゃ、威力が足りない!」とモミジも叫ぶ。
「数が多過ぎる。仕方ない!戻るよ!」
リオンがそう叫ぶが、来た道を塞ぐように、ガーディアンが出現している。
「僕達を帰さないつもりだ!ヤバイな。」
シオンの焦った声が聞こえる。
みんな、この状況に危機を感じていたが、僕だけは、落ち着いていた。
えーっと、あの文字って本当だよね?
騙されてないよな?
ドラゴンの瞳で全てを見ている僕は、さっきサクラが触った壁を凝視していた。
そこには。
"ここ、触ってみて!助かるかもよ~^_^"
と書いてある。
なんだか馬鹿にされてる感じはあるけど、先程の"危険!"の文字は間違ってなかった。
周りのガーディアンはどんどん数が増えている。早くなんとかしないとな。
僕は意を決して、その壁を触る。
カチッ。
「イヤーっ!!!」
サクラとモミジとリオンの悲鳴が聞こえる。
僕が壁を触ったと同時に、スライムが上から大量に降ってきたのだ。
ヌルヌル、ベタベタで、とっても気持ちが悪い。
ごっ、ごめん!!!みんな!
くそっ!騙したな!壁のくせに!
と思って壁の文字を見ると、"正解!"に変わっていた。
正解?
スライムが降ってきたのに?
なんだよ!馬鹿にされてる!
そう思った僕だが、そのスライムに触れたガーディアンの動きが遅くなるのが見えた。
「こいつら、スライムに触れると動かなくなるみたいだ!」
シオンがそう分析する。
おっ!正解だったのか!
でも出口はどこだ?
ドラゴンの瞳で周りを見渡すと、矢印が見える。
んっ?出口はこちら?
なんだ?それ?本当かな?
そう思うが、迷ってるヒマはない。いつまたガーディアンが動き出すか分からないからね。
「みんな!僕についてきて!」
僕はそう叫んでいた。
矢印が示す通りの場所に隠し階段を発見した僕達は、無事、次の階層に進んでいた。
「それにしても、よくこの隠し階段がわかったね。すごいじゃん、タクミ。」
リオンがそう話しかけてくる。
「いや、なんて言うか、そのっ。」
この不思議な文字の事を、どう説明して良いか分からない僕は、言葉を濁す。
「あぁ、ドラゴンの瞳を発動したんだね。何かが見えてるってこと?」
僕の金色の瞳を見たシオンが、僕の状況を推察してくれる。
「あっ、うん。そう。正解っぽい道が見えるんだけど…。たぶん間違いないと思うから、僕についてきてくれる?」と、みんなに提案する。
→こっちだよ~^_^
という、ふざけた感じの矢印と文字の事を言いたくなかった僕は、みんなの先頭に立って、案内するしかないのだった。
次の階層は、通路の両側に、扉がたくさん設置されていた。
この中から正解の扉を探せってことか?
扉にはそれぞれ、◯◯の部屋!という名前が書かれている。
無限回廊の部屋。
精霊ゼロの部屋。
疑心暗鬼の部屋。
最強ガーディアンの部屋。
などなど。
うわー、どの部屋も入りたくない!と感じる文字ばかりだ。
金色の瞳で見ている僕は、迷わず、ひとつの扉を選ぶ。
「この扉が正解みたいだよ。ほかの扉は決して開けないようにね。何が起こるのかは、僕にも良く分からないけど、とってもイヤな感じがするから。」と、説明する。
「こんなに同じ扉ばっかりなのに、正解が分かるの?タクミってすごいんだね!」と、サクラが感心したように言う。
さっき、ガーディアンからの攻撃をかばってあげたからか、僕を見るサクラの視線が熱い。
どうやら、懐かれたようだ。
すごいって言ってくれるのは嬉しいけど、僕自身は何もしてないしね。ただ、この文字と矢印を見ているだけだ。
なんだか情けない気持ちで扉を開ける。
が、その先の空間を見た僕は、そんな情けない気持ちも一瞬で吹き飛んだ。
その先にあったものは、豪華絢爛な空間だったのだ。
部屋いっぱいに、ゲームや物語でよく見る、財宝が山積みになっている。
それに、黄金の柱に黄金の壁。部屋全体が黄金で出来ているようだ。
「すっごーい!綺麗だね!」
「ついに、宝物庫に着いたよ!」
サクラとモミジは、素直に喜んでいる。
が、リオンとシオンは、あきれたようにつぶやく。
「簡単過ぎて、なんか困る。」
「タクミのドラゴンの瞳って、冒険のワクワクには向いてないね。」
そうだよね!僕もそう思います!
宝物庫へようこそ~^_^
という、ふざけた文字を見ている僕も、激しく同意した。
「まぁ、せっかくお目当の部屋に着いたんだからね。サクッと調査しようか。」
「そうだね。時代が特定できるものや、貴重な文献が見つかれば、いいんだけど。」
リオンとシオンは、たくさんの黄金には目もくれない。
それどころか、貴重な文献の方を探している。
お金という仕組みがないってことは、こういうことなんだな、と僕は実感する。
アースだったら、金目の物は持ち去られて、この部屋の柱や壁は、無残な姿になっただろう。
いい世界だよね。
紋章システムを開発して、このような世界にしたセシルのことを思い出して、僕は心から、セシルを尊敬したのだった。
感動していた僕だが、そういえば危険がないことを確認してないな、とやるべき事を思い出す。
ところが、「とりあえず、この部屋に危険な場所がないか、ドラゴンの瞳で確認するからね。僕が見るまで、あちこち触らないように!」と僕が言うより先に、モミジが何かに触るのが見えた。
壁にある大きな紋様が気になったようだ。
危ない!
僕は慌てて、モミジを抱きしめる。
その紋様は触っちゃダメだ!
その紋様には、勇気あるヤツだけが入れる部屋!と書いてあった。
抱きしめたモミジを壁から強引に離した僕は、モミジの代わりに壁に飲み込まれていった。
0
あなたにおすすめの小説
最強剣士が転生した世界は魔法しかない異世界でした! ~基礎魔法しか使えませんが魔法剣で成り上がります~
渡琉兎
ファンタジー
政権争いに巻き込まれた騎士団長で天才剣士のアルベルト・マリノワーナ。
彼はどこにも属していなかったが、敵に回ると厄介だという理由だけで毒を盛られて殺されてしまった。
剣の道を極める──志半ばで死んでしまったアルベルトを不憫に思った女神は、アルベルトの望む能力をそのままに転生する権利を与えた。
アルベルトが望んだ能力はもちろん、剣術の能力。
転生した先で剣の道を極めることを心に誓ったアルベルトだったが──転生先は魔法が発展した、魔法師だらけの異世界だった!
剣術が廃れた世界で、剣術で最強を目指すアルベルト──改め、アル・ノワールの成り上がり物語。
※アルファポリス、カクヨム、小説家になろうにて同時掲載しています。
おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ
双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。
彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。
そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。
洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。
さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。
持ち前のサバイバル能力で見敵必殺!
赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。
そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。
人々との出会い。
そして貴族や平民との格差社会。
ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。
牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。
うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい!
そんな人のための物語。
5/6_18:00完結!
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる