異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味

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グランエアド王国編

セシルさまのお悩み相談室 【本日のお題 感情】

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タクミ
 今日のお題は『感情』です。
 今回、グランエアド王国での出来事で、人の感情って難しいなと感じました。
 どうして、紋章システムでは、創作を限りなく自由にしたのですか?

セシル
 それを説明する前にヒトの感情について、話をしようと思う。
 人には感情がある。感情があるから、人間なんだと主張する人がいるくらいだ。だが、時として感情によって社会が破壊されることもある。

タクミ
 集団生活の中で、自分の思ったままに行動していては、争いになってしまうってことだね?

セシル
 そうじゃ。いまのアースでは、理性によって感情をコントロールするのが大人なんだという考えがある。

タクミ
 理性ですか?

セシル
 理性とは、感情におぼれずに物事を考え判断する能力のことじゃ。だが、人である限り感情は無くならないし、感情がある限り間違いを起こす可能性は無くならない。

タクミ
 大人は理性で、感情をコントロールすることができますよ。

セシル
 本当にそうだと言い切れるのか?完璧にコントロールできるのなら、揉め事や犯罪など起こらないじゃろう?

タクミ
 まぁ、そうですね…。

セシル
 だから我はパートナー精霊に、ある機能を持たせたのじゃよ。

タクミ
 感情による間違いを起こすのが人なのだから、パートナー精霊はそれを補う存在にしたってことだね?

セシル
 そうじゃ。この世界では、感情に囚われて抜け出せなくなる前に、パートナー精霊が上手く道を示してくれる。

タクミ
 たしかに同じ感情を持ち続けていると、人は変な行動を起こしてしまうことがありますよね。僕にも覚えがあります。
(グールに取り憑かれた時、僕は居なくなってしまいたいっていう感情で心がいっぱいになって、他の事は考えられなくなっていたな)

セシル
 理性というのは、結局のところ、感情を抑え込んでいる状態だ。我慢した感情を上手く消化できたらいいが、そう上手くいかない場合もある。すると、我慢しきれずに感情を爆発させる者が出る。その方が周りに迷惑じゃよ。

タクミ
 たしかに頭では分かっていても、あまりにも怒りの感情が強過ぎると手が出ることがありますよね。
 でも、じゃあ、この世界では、感情をコントロールしようとしないってこと?

セシル
 それは少し違うな。
 例えば、人里離れた誰も居ない場所で、大声で叫ぶのは誰かの迷惑になるか?

タクミ
 うーん。誰も居ないなら、叫んでもいいのでは?

セシル
 叫ぶことで感情が発散できるなら叫ぶべきじゃ。この世界ではこのように、ため込むのではなくて、上手く発散するのがちゃんとした大人じゃという考えになっておる。そして、それを手助けしてくれるのが、パートナー精霊という存在なのじゃ。

タクミ
 リオンがウサ吉に愚痴る、ウサ子がシオンにハーブティーを入れるってヤツだね?

セシル
 そうじゃ。個々に合わせたストレス発散法をパートナー精霊達が実践してくれる。
 この世界の者達には、出来るだけ自由に生きてほしいからのぅ。感情も我慢するより、出せばいいのじゃ。パートナー精霊が手助けしてくれるから、安心じゃよ。

タクミ
 でも日本では、感情をそのまま出すのは子供っぽいと取られますよ。

セシル
 もちろん、何をしても良いわけではない。成人までの試用期間に、言葉の重みと共に自分の行動に責任を持つように厳しく言われる。一番効果があるのは、自分の行動の映像を見せられることだ。これはかなり恥ずかしいぞ。皆、一度見ただけで、行動を改めるようになる。

タクミ
 えっ?それは、やり過ぎのような気がしますよ。

セシル
 この世界には、警察や役所は無いのだぞ!自分の問題は自分で解決できるようにならないと困るじゃろう?

タクミ
 じゃあ、警察みたいなところを作ればいいのでは?

セシル
 そうやって、なんでも人任せにしているから、どんどん大人が無責任になっているのじゃと思うぞ。

タクミ
 無責任?

セシル
 警察がいたら、警察がやってくれる。役所があったら、役所がやってくれる。そうなるじゃろ?

タクミ
 まぁ、そうですね。
 でも、それの何がいけないのです?

セシル
 ヒトはそうなると、誰かがやってくれるのが普通になって、自分では何もしなくなる。そして、上手くやってくれないとその誰かを責めるようになる。

タクミ
 あぁ、なんでやってくれないのってヤツですね。

セシル
 誰かがやってくれるというのは、恐ろしい考えじゃよ。

タクミ
 どういう事です?

セシル
 アースで出会ったサヤカを覚えておるか?その周りにいた子らを。

タクミ
 陽子ちゃんをイジメてた子達ですね?

セシル
 あやつらがまさにそうじゃよ。自分がイジメているのでは無い。サヤカがイジメているのだ。サヤカと陽子の問題は本人達が解決するか、自分ではない誰かが解決してくれるだろうって思っておる。

タクミ
 たしかにそういう感情はあるかもしれませんね。僕も学生時代は、自分が何を言っても変わらないだろうって思ってました。

セシル
 そうやって、無責任な大人ができあがるわけじゃな。

タクミ
 それは、言い過ぎですよ。

セシル
 だから我は、創作は限りなく自由にしたのじゃよ。

タクミ
 ???
 話が飛躍し過ぎで、ついていけませんけど。どういう意味です?

セシル
 創作という形で、ありとあらゆる感情を表現して欲しかったのじゃよ。創作なら、普段、口では言えないことも表現できるじゃろう?
 我は、自分の感情を表現することで、他人との違いを学んでほしいと思ったのじゃ。

タクミ
 他人との違いを学ぶ?

セシル
 昔から日本という国では、人と違う者は敬遠されがちじゃろう?

タクミ
 和を大切にする文化ですからね。

セシル
 大切にするのはいいが、行き過ぎると困ったことになる。
 オピニオンリーダーというのを知っておるか?

タクミ
 意思決定に関して、大きな影響力を持つ人のことですね?

セシル
 おぉ!よく知っておったな!
 では、インフルエンサーは?

タクミ
 ネット上でのオピニオンリーダーって定義だったと認識してます。

セシル
 うむ。そんな解釈で良いかと思うぞ。
 お主は、こういう知識はあるのじゃな。

タクミ
 僕だって、社会人でしたからね。それくらいの知識はありますよ。

セシル
 和を大切にする文化は、時として、このオピニオンリーダーの意思通りに進んでしまうことがあるのじゃよ。

タクミ
 有名な芸能人が良いっていったものが流行るとか、そういうことですか?

セシル
 特に日本は、その傾向があるな。
 テレビなどで何回も同じことが繰り返し放送されると、それが良いってことで流行しがちだ。

タクミ
 みんなが良いって言ってるから!ってヤツですね?

セシル
 人と違うことはダメなことだと思い込まされた子は、大多数の意見に迎合するようになる。我はこれが一番怖い。
 かつてこのエレメンテで戦争が多かった時代にも、同じことが起こった。戦争はイヤだと思う人も、大多数の人が戦争するしかないと言っているのを聞いて、それを受け入れた。皆が言っているのだからと。

タクミ
 アースでも、同じようなことはありますね。何度も同じものを見ていると、そうなのかなって思ってしまいがちです。

セシル
 思想誘導というヤツじゃよ。時の権力者が良く使う手段じゃ。人と違うことを言うと、仲間はずれや村八分にされるからな。だから、大多数の人の意見に流されることを選ぶ。

タクミ
 人と違う意見を言うって勇気が必要ですからね。

セシル
 和を大切にする人は、自分の意見を言わないからのぅ。

タクミ
 みんながそれでいいなら自分もいいよって、僕は良く言ってましたよ。流されてたわけじゃないんですけど、別にいいかなって。

セシル
 そうやって譲れるのは日本人の美徳じゃが、気をつけないと、本当に必要な時に自分の意見を言えなくなるぞ。
 我はかつてのようなエレメンテになって欲しくなかった。だから、創作を限りなく自由にして、自分の考えや感情を表現できる場を作ったのじゃ。
 エレメンテに生きる人々には、様々な価値観を知って、様々な考えの人を受け入れられるようになってほしいから。

タクミ
 なるほど。

セシル
 1人のヒトが実際に経験できることなど、限られておる。しかし、世界には色々な出来事がある。大切な人が早くに亡くなることもあるし、自分が生死に関わる病気になることや、とんでもない事件に巻き込まれることだってある。書物はそれらを疑似体験できる貴重な道具なのじゃよ。

タクミ
 たしかに人って、自分が体験してみないと理解できないことも多いですよね。でも本で読んだことがあれば、何となく対処できます。

セシル
 自分が体験したことしか分からない人が増えると、争い事も増えるからのぅ。

タクミ
 他人を理解できないから、争いになってしまうってことですね?

セシル
 だから、特に成人前の子供達には、書物でも映像でもいいから、様々な人生を疑似体験してほしいのじゃ。多くの創作に触れている人は、想像力が働くようになるからのぅ。

タクミ
 同じようなものばかり読むのも面白いですけど、違う系統を読むことで、新たな発見がありますからね。

セシル
 そうじゃよ。
 様々な価値観を受け入れることができる、大きな心を持ってほしい。
 そして、ただ受け入れるのでは無く自分の意見を持ち、自分ならどうするかを考えてほしいのじゃ。

タクミ
 そこまで考えて、このシステムを作ったのですね!さすがセシルさま!

セシル
 うむ…。そうなのじゃ!
(いや、ただ単に規制するのが面倒だったからだということは、タクミには黙っておこう)

タクミ
 では、セシルさまの素晴らしさが分かったところで、今回の話は終わりです。
 ありがとうございました。

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