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マルクトール王国編
111話 主人公、禁書を知る
しおりを挟む「禁書とは、その言葉通り、閲覧を禁じられた本です。そして、その存在を知ることも秘密にされています。その理由は、これです。」
ライルはそう言うと、パートナー精霊を呼び出す。二足歩行のトカゲ?
丸いフォルムで、尻尾の先に炎がついている。
どこかで見たような気がするな…。
あっ!これって!ポケ◯ンのヒ◯カゲだ!
「僕のパートナーのサラです。サラ、あの映像をお願いします。」
空中に不気味な映像が映し出される。
誰かが何かと戦っている映像だ。
んっ?あれはライル?
もう1人の壮年の男性は誰だろう?
僕の疑問はすぐに解消された。その男性の後ろに、知っている人物が見えたからだ。
大きな鎌を持っている女性、エルだ!
ということは、先代のセシリア王。ホビット族のセシルさま?
『こんな巨大な怪異は久しぶりじゃな。こちらの攻撃がまるで効いてないのぅ。仕方ない。あれを試してみるか。』
映像の中の壮年のセシルがそう話す。
『マスター、あれはまだ実験段階です。ここでの使用は控えた方が良いのでは?』
『そう言うと思ったぞ。だから、我、こんなものを開発した。巨大怪異専用結界じゃ!』
『ジルとコソコソなにかやってると思ったら、そんなものを開発してたのですね。』
『そうじゃ!しかし、これは範囲の固定が必要じゃからな。エル、ライル。ちょっとこの器具を設置してくれ。その間に術式の展開をするからのぅ。』
エルとライルは、巨大怪異を囲うように器具を設置する。
セシルの周りには不思議な光が集まってきている。
『準備はいいな!結界固定!』
セシルが叫ぶと、巨大怪異が結界に包まれた。
『良し!では、次の術式展開じゃ!超高温爆撃術式、ヘルフレアサークルを発動するぞ!』
次の瞬間、結界の中にものすごい炎が出現する。炎に包まれた怪異が激しく暴れているが、結界はビクともしない。そして、そのまま動かなくなるのが見えた。
結界の中は、ものすごい炎だ。
怪異が動かなくなっても、燃え続けている。
『うむ。この術式はちと威力が強過ぎるな。これもお蔵入りじゃな。禁術指定するしかないのぅ。』
『セシルさま。これはあの古文書に書かれていた術を再現したのですよね?』
『すまんのぅ。ライル。先日発見した、あの古文書も禁書にするしかないのぅ。』
『分かりました。マルクトールの王宮図書館に保管してもらいます。っと、記録用の精霊球を回収しなくては。』
映像はここで終了した。
「これは70年ほど前に、先代のセシルさまと怪異討伐した時の映像です。僕が発見した古文書に記載されていた術をセシルさまが再現したところ、とんでもない威力だということが分かった。だから、術を禁術指定して、古文書を禁書にしました。今回来た理由の一つのは、この古文書です。」
「ということは、まさか?」
「はい。僕が発見した古文書には、この流浪の民の紋様が刻まれていました。じつは僕は、こちらの2冊の本を書いたこの神官達こそが流浪の民ではないかと考えています。」
「この古文書を書いた神官達は、人を使って世界を調べていたって言ってたね。そういう集団がいたってこと?」
この僕の言葉に双子が反応した。
「「分かった!謎の秘密結社だ!」」
リオンとシオンが、見事にハモる。
秘密結社って!
「そうですね。それに近いものがあったのかもしれません。人知れず、世界の不思議を調べて記録する。だが、公表しようとしなかった。なんの目的なのか?どうしてこんな術の知識があったのか?すべて謎です。だから、ここに来たのです。この図書館には、エレメンテ中の古文書が保管されていますから。」
「じゃあ、禁書以外の目的って。」
「そうです。この図書館にある古文書の中から、この流浪の民の紋様があるものを見つけることです。どんな些細な形跡でもいい。この2冊のように、2つ合わせると分かるようになっている本もあるかもしれません。」
そっ、それは大変だ。
ついさっき見た大量の書物を思い出し、僕はグッタリする。
あの中から見つけるの?この人数で?無理だろ?
「ということで、アドラ、ここの探索用精霊球の使用許可をお願いします。」
「それが見つかったら、お前達はここから居なくなるのですね。アドラはお前達が居なくなるのなら、それに協力するのです。使用を許可するのです。」
アドラがそう言うと、アドラの周りにピンポン球くらいの光る玉が大量に現れた。
「流浪の民の紋様を登録したのです。一致する本があれば、場所を教えてくれるのです。いまから、この図書館全域を探索するのです。」
フワフワ浮いている精霊球が一斉に動き出した。
探索用精霊球ね。
そんな便利な道具があったんだ。
良かったぁ。
まぁ、そうだよな。この人数で探すなんて、無理だよ。
「結果が分かるまで、しばらくここでお茶でも飲んで待つのです。」
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