異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味

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マルクトール王国編

138話 主人公、迷宮に行くー3

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「んっ?あれは?」

 精霊球が点滅している先は、広い空間になっていた。何かの部屋のようだ。

 全員が部屋の中に入ったとたん、入り口の壁が動いて閉じる。

「戻れなくなったよ!」
「この迷宮、どうなってんの?」

 しかもこの部屋には出口らしきところが無い。

「迷宮って一本道って言ってたよね?話が違うよぉ!」
「やっぱりソラが造った迷宮。仕掛けがあったか!」

 僕はドラゴンの瞳を発動する。
 全体を見回すが、何の文字もない。

 今回はヒント無しか。

 どうしたものかと考えていると、部屋全体に響く声がした。

『迷宮へようこそ!よくぞやって来た知識を求めし者達よ。ここは第一の関門。知識の間だ。お前達の知識を試してやる。全問正解でご褒美だ。問題は全部で100問!答えられるかな!』

 この声って!

「「ソラじゃん!!」」

「これは誰かが入ってきたら自動で再生されるような仕組みですね。全問正解でご褒美だそうですよ。これは頑張らなくては。ふふっ。」

「そうね、トール。交互に答えることにしましょ。分からないものがあったら、相手に譲るのよ。いいわね?」

「エレーナねえさま、勝負ですね。」

 トールとエレーナがお互いを見ながら、笑っている。が、目が笑ってない!

 2人とも負けず嫌いなんだね…。

「トールとエレーナに任せておけばいいよ。」
「僕達はお茶でもしながら待つことにしようか?」

 双子はそう言うと、本当にテーブルと椅子を出してお茶を飲みだす。

「ここって、紋章システム使えるみたいだね。」
「いざとなったら、壁壊す?」

 はぁ、ノンキだなぁ。
 まぁ、そこがいいところだけど。

『では、始めるぞ!第1問、この大陸が起源とされる知識の神三柱には、ツァムナー、クヴァルがいますが、残りの神の名は?』

「ふぅん、親切ね。残りの一つを答えるだけでいいなんて。このマルクトール王国がある大陸の知識神といえば、残りはダグザよ!』

『はい、正解!』

「さすがエレーナねえさま。次は僕ですね。ふふっ。」

『では次の問題だ。この術式はどのような効果があるか答えなさい。』

 空中に何かの記号が現れる。

「ふふっ。僕への問題はこれですか…。なるほど、この式はずいぶんと古いですが…。拡散効果のある爆撃術式ですね。」

『正解だ。まだまだこれからだ。どんどん難易度が上がっていくぞ!』

 出題者のソラの声がなんだか嬉しそうだ。

 ソラが出題して、それをエレーナとトールが答える。内容はどんどん難しくなっているようだが、僕にはさっぱり分からない。

 もうすぐ30問目になる頃、エレーナとトールが何かに気付く。

「エレーナねえさま。この問題は、まさか…。」
「あら、トールも気付いた?これはメティスの書ね。後は間違えずに答えるだけよ。トール、あなた、最後まで覚えているかしら?」
「エレーナねえさまには敵いませんが、僕もソコソコ覚えは良い方ですからね。負けませんよ。」

 そこからのエレーナとトールは早かった。ソラが問題を全部言い終わる前に解答する。まるで答えがわかっているかのようだ。

『うぬぬっ!お前達なかなかやるな!これが最後だ。答えることができたら、褒美をやろう。ただし、ものすごく難しいぞ!』

 だが、自身満々の最後の問題もあっさりトールが答えてしまう。

『せっ、正解だ。では約束通り、ご褒美だ!神殿までご案内~!』

 その言葉を聞き終わる前に、僕達の周りの景色が変わる。

 目の前には、崖の上から見た神殿が。

「全問正解で知識の扉が開くって、本当だったのね。驚いたわ。」

「ふふっ、エレーナねえさま。これで、メティスの書の意味が証明されましたね。公表できるかは分かりませんが。」

「エレーナ、トールくん。さっきから話に出てるメティスの書って何?」

「正式にはメティスの知識の書って言って、700年くらい前にメティスって人が書いた本のことなの。その時代で一番進んだ知識が書いてあるんだけど、今ではどれも初歩の初歩ね。その内容は厳選問題集のようになっていて、さっきの声が出題してた問題が解答と共に載ってるの。」

「全部で500問ほどですかね。その本の中で、メティスがこう書いているのです。『全問正解で知識の扉が開かれる。半分ならまだ望みはある。半分以下なら再度研鑽せよ』と。」

「てっきり、何かを学ぶ時の教訓のようなものかと思ってたけど。違ったようね。」

「たぶん、全問正解で神殿へ直通、半分で迷宮の中の第2の関門へ進めて、正解が半分以下なら、出口に戻されるって感じでしょうか。」

「それにしても、エレーナは分かるけど、トールくんはメティスの書をよく知ってたね。」

「えぇ、この知識の書は古代文字の入門書のような扱いもされていますから、リオンとシオンでも知ってると思いますよ。」

 そうなんだ!
 リオンとシオンも古代文字は読めるって言ってたからな。

「えっ?僕達、読んだことあるけど、内容なんか覚えてないよ。メティスの書なんて、紋章システムですぐ確認できるし。」
「そうだよ。全部暗記してるのって、エレーナかトールくらいだよ。」

 エレーナは分かるけど、トールくんも全部覚えてるの?まだ8歳だったよね?

「さすが、マルクトールの王様だね。」

「いえいえ、タクミさん。僕はまだまだですよ。修行中ですからね。ふふっ。あっ!お迎えが来たようですよ。行きましょうか。」

 トールの言葉に神殿の入り口を見ると、ソラが立っていた。

 やっぱりここが、マルクトール最古の神殿!

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