浦島太郎とかぐや姫3030

九条秋来

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浦島太郎とかぐや姫3030 その1 流星に願いを

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昔々・・・・・・



ある海辺の平和な村にお爺さんとお婆さんが暮らす浦島家の小さな家がありました。


お爺さんの仕事は小さな舟で海に出かけ魚を釣る仕事です。

お婆さんは川に洗濯に出かけたりの家事をしていました。

そんな細々とした生活でしたが、二人には子供がいないのがとても残念でした。


ところが、ある満月の夜の事でした・・・


月見団子を供えて、満月を見ていると、突然月の方角から驚くほど明るい流星が流れてきたのです。

昔から流星に願い事をすると叶うと言われています。

お婆さんは流星に
「どうか私達に子どもを授けて下さい・・・」
と一生懸命にお祈りをしました。

見ているとその流星は山の向こうに落ちて行きました。

お婆さんは、お爺さんにこう言いました。

「お爺さんや、明日あの流星の落ちた辺りを探しに行ってくれませんか、もしかしてあれは天からの子供の贈り物かもしれない。昔から流れ星に願いをすると叶うって言われているし、あんな大きな流れ星だから必ず叶うと思うんです」

「そうかも知れんな、わしもあんな明るい流星をみたのは初めてだ。もしかしたら願いが叶うかもしれんな。さっそく明日出かけてみよう」

お爺さんは流れ星で願いが叶うとかは信じない人でしたが、お婆さんが熱心に言うので付き合う事にしたのです。
こうして、次の日の朝早くに二人はお握りと竹の水筒を持って山の方に出かけました。

やがて山の裏側にたどり着くと大きな木が並んで焼け焦げて倒れています。
そこが流星の落ちた所に違いないようです。
落ちてきた筈の流星を探していると大きな卵のような物を見つけました。
それは不思議な光りを放っています。

「これが流星に違いないと思うが、なんて大きいんだ」

お爺さんは火傷しないようにそれに触れてみました。
すると何と言う事でしょう・・・それは小舟の様な形に変形していくではありませんか。
そして小舟の真ん中には柔らかい布でくるまれた赤ちゃんが眠っています。

「まあ可愛い赤ちゃんだこと」お婆さんは
赤ちゃんを見て感動しました。

「ほんとに可愛いな」

これは天からの授かり物に違い無いと二人は確信しました。

赤ちゃんのそばには、大人の手の中に収まるぐらいの卵形の薄い物があります。お爺さんがそれに触れると、それから女性の声がします。

『♪q(´・д・`) ・・・Cye/( =^ω^) ・( ´∀`) ・・( ^ω^ 』
何か言っているようですが全くわかりません。

しばらくするとやっと理解出来る言葉に変わりました。

「コンニチワ・・・地球人ノ・オ爺サント・オ婆サン・・・」

発音はおかしいが理解は出来ます。

「こんにちは」と2人はその声に返事しました。

「良カッタ・・・ヤット言葉ガ通ジマシタネ・初メマシテ・・・私ワコノ舟ノ、ナビゲーターノ、スマホノリーパト申シマス。私ガ・シバラク赤チャンノ、保護者トシテ見守リマス。早速デスガ私ト赤チャントコノ舟ヲ・家ニ連レテ帰ッテ下サイ」

「そう言われても、この舟を山を越えて運ぶのは大変だ」とお爺さんは腕を組みました。

「大丈夫デス・・・コノ舟ヲ軽ク・シマス・デス」

リーパがそう言うと舟は地面から少し浮かび上がった。
これなら軽く運べそうだ。
お婆さんをその舟に乗せてお爺さんが、舟を押して運ぶ事にしました。
まるで空中に浮かぶ鳥の羽を押しているように舟は進みます。

やがて彼らは家にたどり着き、舟は小屋に隠して置く事にしました。
そして赤ちゃんとリーパを布団の上に寝かせて、二人はやっひと息つきました。

「昔から流れ星に願いをすると言われていましたが、まさか本当に叶うとは思っていませんでした」とお婆さんは言いました。

「いやわしも思ってなかったんじゃ」

お爺さんもそう言って二人は笑いあいました。
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