西園寺エヴァの憂鬱

九条秋来

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西園寺エヴァの憂鬱 その5 運命のサイコロ

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次の日、イーエフ氏は職務の席に着いた。
そして、コンピューターの画面を見ながら考えていた。

このまま、この退屈な仕事をするよりは西園寺エヴァ結婚してみるほうがいいのでは無いかと・・・

結婚したら世界的財閥の西園寺家のあれやこれやの仕事を任せられるのは目に見えているが、今の退屈な仕事を続けるよりは、まだましな生活を送れるのではないかと・・・

悩んだ末、最終決定をする為に西園寺エヴァをあのホテルの、あのテーブルに呼び出した。

西園寺エヴァは現れた。

いつもの様な派手な服装ではなく、地味なスーツで歩いてきた。
そしてあのテーブルの椅子に座った。
「よく来てくれました。今日が我々2人にとって最後の日になるかも、知れませんがそれを天に任せる決定をしたいと思います。よろしいでしょうか?」

彼がそう言うと西園寺エヴァはうなづいた。
「この、サイコロで、我々の運命を決定することにします。これは運命を決定すると言われている、魔法のサイコロです」そう言ってイーエフ氏はポケットから6個のサイコロを取り出した。

そのサイコロは1の数字のところだけ赤いハートマークになっている。
「このサイコロを振ってもらって、6個ともハートの1が出たらなら私はあなたとの結婚を決めます。ちなみに全部が1になる確率は7776分の1です。よろしいでしょうか?」
「私達の運命をサイコロに任せるの、信じられない人ね」

「私も随分悩みましたよ、もしあなたと結婚したらあなたの後ろには西園寺家の財力やら権力やらがついているので、私にはこれは大変なプレッシャーになる。だから天に任せることに決めました。もし運悪く1が揃ったら、その時はあなたとの結婚を決意しようと・・・まあ多分そんなことにはならないでしょう。そして私はあんどして完全にあなたと別れることにします」
「えっ私ってあなたにとって悪運の女なの?」
「それも最悪のね」と言ってイーエフ氏はニヤリと笑った。
「わかったやってみるわ、人生はギャンブルですものね、ちなみに私はギャンブルは強いのよ」
エヴァは、目を閉じて6個のサイコロを振った。
すると、サイコロの目は全てハートの1に揃った。

「奇跡が起きましたね、こうなった以上仕方ない・・・その奇跡に賭けて私は貴女に結婚を申し込みます。よろしいでしょうか?」
「まるで私達の結婚を祝福してくれているような奇跡ね感激だわ」
しかし、見ているとどのサイコロの面もハートの1になっていく。

「じぇじぇじぇ!これはどういうこと?」
「実はこれは私が愛用しているマジックサイコロです。どう振っても全てハートのエースになりますね」
「騙したのね、まあいいわこんな騙され方なら大歓迎・・・」
「たまには騙されるのも悪くはないでしょう」
「そうかもね」と言って西園寺エヴァは笑った。

そして2人は腕を組んで歩きだした。2人の新しい人生に向かって・・・  

そして、後ろから歩いてついて行くアンドロイドのビーナは2人を祝福してクラッカー🎉を鳴らし続けた・・・


       
         FIN



やっと何とか小説が完成して俺もやっと安心した。この完結はどうなるかと思って悩んでいたわけだ。
さあ朝飯にするか・・・
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