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福来博士の憂鬱 その7 猿の温泉
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リルに自動シートベルトシステムを特許申請してもらったおかげで大金がゲット出来た。そのおかげで福来博士は研究室の機材を全て新しいものに買い替えることが出来た。
これで今まで続けてきた研究も効率的に進められることになった。
星村風光と名乗る宇宙人の正体も明らかに出来るかもしれない。
彼との会話はホワイトボードを通してのみだったが、何とか直接会話が出来ないかと思案した。
古本屋を巡り零戦関係の本を買い集め書棚に並べた。
彼がこれに興味を持てば話しが進みやすいかも知れないと考えたからだ。
とにかく共通の話題は必要だ。
そして書斎のホワイトボードに「こちらに実体として現れて直接会話は出来ませんか、そのほうがお互いを理解しやすいと思いますが、いかがでしょう?」と書いてみた。
次の朝、ホワイトボードを見ると彼からこう書かれていた。
「了解した。私が実体化しても問題が無いように次の科学機材や衛生機材を揃えてくれ、そうすればそちらに24時間はいられる」
その指定された機材はいずれも最先端科学の機材だが、全部買い揃えても今の福来博士の財政ではたいした金額ではない。
福来博士は「これらを揃えて設置して起動させるには約1ヶ月かかります。設置完了して準備が出来ましたらまたお知らせします。しばらくお待ちください」とボードに書いてボード対話は、しばらく間隔があくことになった。
毎日ホワイトボードを見て想像力を働かせるのにも疲れてきたのでこれはいい機会かもと思い福来博士は猿も入浴する温泉宿巡りをすることにした。
博士は車にリルとピノコを乗せ思い付くままに、猿のいる温泉宿を探した。
温泉宿に泊まり、周りの景色を眺めながら温泉に入るのは最高のリラックスタイムだった。
博士は水泳用のパンツをはき、リルには水着を着てもらった。
リルは生まれて初めて水着を着て大喜びしているように見えた。
そしてリルは温泉で緩く水泳を始めた。
猿たちもそれをまねて泳ぎ始める。
そんな状況を見ながら、博士は火星人が言っていた『猿の惑星を探せ』の意味を考えてみた。
そしてふと思った。
この地球にもし我々人類が誕生しなければ、この地球はそれこそ平和な猿文明の平和な惑星になっていたのではないだろうかと。
この地球で人類というものが誕生しなくて、猿を補食する動物もいなければ、きっとこの地球は猿文明の惑星になっていたはずだ。とすれば我々人類の存在はいったい何なんだろうかと考えてみたが、頭が痛くなりそうなので思考を中断した。
とにかく今はリラックスに徹するのが一番だ。
リルはピノコを抱いて入浴しながら持ってきたミカンを猿に与えて楽しんでいる。
「見て見て博士、猿ってこんなに可愛いんですね」
「そうだなここの猿の世界は平和だし、しばらくこの宿に宿泊してみよう」
「いいですね、こんなに楽しいの初めてだわ」
そんな楽しい日々を1週間過ごし、いよいよ崖の上の自宅に帰る日がやってきた。
さあこれから星野光一と名乗る火星人と直接対決、いや対面が待っている、期待と不安が高まるが、ここは出来るだけ冷静を保っていくしかない。
これで今まで続けてきた研究も効率的に進められることになった。
星村風光と名乗る宇宙人の正体も明らかに出来るかもしれない。
彼との会話はホワイトボードを通してのみだったが、何とか直接会話が出来ないかと思案した。
古本屋を巡り零戦関係の本を買い集め書棚に並べた。
彼がこれに興味を持てば話しが進みやすいかも知れないと考えたからだ。
とにかく共通の話題は必要だ。
そして書斎のホワイトボードに「こちらに実体として現れて直接会話は出来ませんか、そのほうがお互いを理解しやすいと思いますが、いかがでしょう?」と書いてみた。
次の朝、ホワイトボードを見ると彼からこう書かれていた。
「了解した。私が実体化しても問題が無いように次の科学機材や衛生機材を揃えてくれ、そうすればそちらに24時間はいられる」
その指定された機材はいずれも最先端科学の機材だが、全部買い揃えても今の福来博士の財政ではたいした金額ではない。
福来博士は「これらを揃えて設置して起動させるには約1ヶ月かかります。設置完了して準備が出来ましたらまたお知らせします。しばらくお待ちください」とボードに書いてボード対話は、しばらく間隔があくことになった。
毎日ホワイトボードを見て想像力を働かせるのにも疲れてきたのでこれはいい機会かもと思い福来博士は猿も入浴する温泉宿巡りをすることにした。
博士は車にリルとピノコを乗せ思い付くままに、猿のいる温泉宿を探した。
温泉宿に泊まり、周りの景色を眺めながら温泉に入るのは最高のリラックスタイムだった。
博士は水泳用のパンツをはき、リルには水着を着てもらった。
リルは生まれて初めて水着を着て大喜びしているように見えた。
そしてリルは温泉で緩く水泳を始めた。
猿たちもそれをまねて泳ぎ始める。
そんな状況を見ながら、博士は火星人が言っていた『猿の惑星を探せ』の意味を考えてみた。
そしてふと思った。
この地球にもし我々人類が誕生しなければ、この地球はそれこそ平和な猿文明の平和な惑星になっていたのではないだろうかと。
この地球で人類というものが誕生しなくて、猿を補食する動物もいなければ、きっとこの地球は猿文明の惑星になっていたはずだ。とすれば我々人類の存在はいったい何なんだろうかと考えてみたが、頭が痛くなりそうなので思考を中断した。
とにかく今はリラックスに徹するのが一番だ。
リルはピノコを抱いて入浴しながら持ってきたミカンを猿に与えて楽しんでいる。
「見て見て博士、猿ってこんなに可愛いんですね」
「そうだなここの猿の世界は平和だし、しばらくこの宿に宿泊してみよう」
「いいですね、こんなに楽しいの初めてだわ」
そんな楽しい日々を1週間過ごし、いよいよ崖の上の自宅に帰る日がやってきた。
さあこれから星野光一と名乗る火星人と直接対決、いや対面が待っている、期待と不安が高まるが、ここは出来るだけ冷静を保っていくしかない。
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