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福来博士の憂鬱 その9 復活の日
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そして3日後・・・
タコリアンの星村風光(ほしむらかぜみつ)はテレポーテーションして福来博士の崖の上の家にやって来た。
手には金色と銀色の迷彩色のトランクを携えている。
トランクには完全に保管されている彼のDNA細胞類が入っていた。
「これが保管されていた私のDNAのすべてです」
「その中にお守り袋がありますよね、それは何ですか?」
「これは彼女と最後の別れの日に渡されたお守りです。中には彼女の髪の毛が入っています。零戦で敵艦めがけて飛んでいた最後の時に握りしめていました。もしかしたらこのお守りのおかげで私はこうして生きているのかもしれない」
「わかりました。このお守りにかけても必ずあなたの体を復活させます。時間はどんなに急いでも半年かかります。よろしいですか?」
「了解しました。また半年後にお会いします」と言ってタコリアンの星野の姿は消えた。
福来博士は彼の体の復活を目指して研究室でDNA培養を初めた。
最初は小さな人間の子宮がわりの培養液ボトルで細胞分裂を始め、やがて人間の赤ちゃんが母親の体内にいるぐらいの大きさになっていく、それを大きな培養液入り透明なビニールの人工子宮袋に移し代える。
「細胞分裂状況は問題ない。これで成功間違い無しだ」
「博士って天才ですね」
「だてに、フリンジ科学をやっていたわけじゃ無いし、と言っても成功するのはこれが初めてかもしれないが・・・」
「了解しました。成功目指して私も頑張ります」
こうして、半年経過して人工子宮袋の中で星村青年の体は完成した。
あとは自分で子宮袋を破って出てくれば、完全な誕生となる。
そして、いよいよ復活の日がやって来た。
テレポーテーションしてやってきた星村は透明な人工子宮袋の中で眠っている元の自分の体と対面して感激した。
「あとはあなたの意識をこの体にテレポーテーションさせてください」
「わかりました」
彼が精神集中すると子宮袋の中の体に彼の意識が移った。
その体は自分の手で子宮袋をつきやぶって床は培養液で濡れる。
その培養液で濡れた床に星村風光は立った。
福来博士は彼にタオルを渡した。
星村はタオルで自分の顔を拭いながら言った。
「信じられないが私はこうしてこの体に完全に復活している。博士ほんとにありがとう」と星村は言った。
「良かった、私もこうなると信じていましたが感激ものです」福来博士は彼の手を握りしめて言った。
「下着もトレーナーもすべて用意してありますから、シャワーを浴びてからそれに着替えてください」とリルが言った。
バスルームに向かった星村風光はさっぱりした顔でトレーナーに着替えて出てきた。
「ありがとう・・・感謝に耐えません。これも彼女にもらったお守りのおかげかも知れない。私はこの体で彼女の墓参りに行きたいと思いますが、彼女の墓は何処にあるか、わかりますか?」
「墓参りは必要ありません」と博士は言った。
「えっ!どういうことですか?」
博士は自分の後ろのカーテンを開いた。
そこにはパジャマ姿の女性が立っていた。
彼女を見て星村風光はさけんだ!。
「桃子さん!どうしてここに・・・博士これはどういうことです?」
「あなたの恋人だった季村(きむら)桃子さんは百年以上前にすでに亡くなっています。私が独断で彼女の髪の毛からDNAを培養して復活させたのです」
星村風光は信じられないものを見るように彼女の顔をじっと見つめた。
彼女も星村をじっと見つめた。
そして奇跡的な再会に感動して涙があふれ出てくる。
「福来博士あなたは天才だ、我々の宇宙科学でもこんなことは出来なかった。DNAから彼女の体を復活させたのはわかりますが、彼女の魂までどうやって復活させたのです?」
「私が悩んだのは、まさにそれです。魂が無ければ単なる生きた人形に過ぎません。私は彼女の髪の毛が入っていたお守り袋にこもっていた彼女の魂を、天国から呼び戻すことに挑戦しました。毎日お守り袋を握りしめ、崖の下で頭から海水を浴び祈りつづけていると満月の夜にふと目の前に彼女の魂が浮かんできたのです。私はその魂に問いかけました。生まれ変わりたいですかと、そして彼女の承諾を得てこうして復活してもらったのです」
「信じられない話しだが、ありがとう博士、あなたはこの宇宙いちの神がかり的天才科学者だ」
「いや、単なる時代遅れのフリンジ科学者ですよ。とにかく喜んでいただけて何よりです。住宅省に頼んであなた方の住む家も用意してあります。そこには衣服も家具も全て揃っています。これからそこにご案内します」
博士はミニクーパーの助手席にピノコを抱いたリルを乗せ、後部座席に星村風光と季村桃子を乗せ、テレポーテーション装置を作動させた。
周りの景色は変わり、そこは2人がこれから暮らす新居の前だった。
100坪ほどの芝生の庭に囲まれた、ログハウス風の小さな2階建ての家があった。
星村風光と栄子は感激したようにその家を見ていた。
博士がドアを開けると、真っ先にピノコが突進して行った。
どうやら自分の新しい家と感違いしているようだ。
家の中に入ると必要な家具と一般的な家電は全て揃っていた。
冷蔵庫を開けると中にはほぼ1ヶ月分の食料品が入っている。
それからクローゼットを開けると、彼らにピッタリサイズの衣類があれこれ並んでいた。
「こんなに何から何までしてもらってありがとうございます」と言って星村風光は博士に頭を下げた。
「いやいや止めて下さい。私がしたのでは無く住宅省がやってくれたのですから」
それから家電の使い方をひと通り説明した。
何しろ彼らがこの世界にいた頃にはなかった物ばかりで説明するたびに季村桃子さんは驚いていた。
特に電子レンジや自動掃除ロボットには感激していた。
そしてひと通り説明は終わった。
「それからこれは生活保護省からのカードです。これを使えば1年間の生活費はまかなえます。まだこっちの世界に馴染めないでしょうからとりあえずこのカードを使って生活をしてください」
「博士、何から何までありがとうございます。2人で新しい生活に挑戦してみます」
「喜んでもらえて何よりです。明日また様子を伺いに来ます。あっそれからご近所には零戦隊員だったこととかタコリアンだったこととかは言わないように、変人扱いされますからね」
「大丈夫です。もちろんそうします」
博士とリルは2人に手を振ってピノコは尻尾を振って崖の上の家に帰った。
「博士あれを聞くのを忘れましたね」とリルは言った。
「あれって何だっけ?」
「猿の惑星を探せ、の意味ですよ」
「猿の惑星を探せの意味か、そう言えば忘れていたな」と言って福来博士は苦笑いをした。
研究室に入ると脱け殻になったタコリアンが立っていた。
「博士これどうします?」とリルが聞いた。
「そうだったな、明日になったら星村風光さんと相談してみるとするか。それからさ・・・この復活プロジェクトが成功した記念にみんなで木星一周旅行をしてみないか」
「そんなこと出来ますか?」
「出来るさ、まだ彼らの母船は木星の衛星軌道を回っているはずだ、星村風光さんに連絡をとってもらってOKならそこにテレポーテーションすればいい。母船は葉巻型で全長200キロもある巨大なものらしい」
「えっ!そんなに大きいんですか」
「大きさはともかく、私は母船の内部構造を是非見てみたい。科学者としては非常に興味あるところだ、宇宙を旅する彼らの生活様式の全てがつまっている筈だからね」
「いいですね、やりましょう。このピノコちゃんを連れていってもいいですか?」ピノコちゃんの頭を撫でながらリルが言った。
「もちろんいいさ、木星を一周するネコのタイトルでいっぱい写真を撮って写真展をやればうけるかも知れない」
「ピノコちゃん、それでいい?」とリルはピノコの頭を撫でながら言った。
ピノコは「ニャン」と言ってうなづいた。
博士は言った。
「もしかしてピノコはこの話しをわかっているのか・・・」
「かもしれないですね、とってもかしこいんですもの、ネッ」
タコリアンの星村風光(ほしむらかぜみつ)はテレポーテーションして福来博士の崖の上の家にやって来た。
手には金色と銀色の迷彩色のトランクを携えている。
トランクには完全に保管されている彼のDNA細胞類が入っていた。
「これが保管されていた私のDNAのすべてです」
「その中にお守り袋がありますよね、それは何ですか?」
「これは彼女と最後の別れの日に渡されたお守りです。中には彼女の髪の毛が入っています。零戦で敵艦めがけて飛んでいた最後の時に握りしめていました。もしかしたらこのお守りのおかげで私はこうして生きているのかもしれない」
「わかりました。このお守りにかけても必ずあなたの体を復活させます。時間はどんなに急いでも半年かかります。よろしいですか?」
「了解しました。また半年後にお会いします」と言ってタコリアンの星野の姿は消えた。
福来博士は彼の体の復活を目指して研究室でDNA培養を初めた。
最初は小さな人間の子宮がわりの培養液ボトルで細胞分裂を始め、やがて人間の赤ちゃんが母親の体内にいるぐらいの大きさになっていく、それを大きな培養液入り透明なビニールの人工子宮袋に移し代える。
「細胞分裂状況は問題ない。これで成功間違い無しだ」
「博士って天才ですね」
「だてに、フリンジ科学をやっていたわけじゃ無いし、と言っても成功するのはこれが初めてかもしれないが・・・」
「了解しました。成功目指して私も頑張ります」
こうして、半年経過して人工子宮袋の中で星村青年の体は完成した。
あとは自分で子宮袋を破って出てくれば、完全な誕生となる。
そして、いよいよ復活の日がやって来た。
テレポーテーションしてやってきた星村は透明な人工子宮袋の中で眠っている元の自分の体と対面して感激した。
「あとはあなたの意識をこの体にテレポーテーションさせてください」
「わかりました」
彼が精神集中すると子宮袋の中の体に彼の意識が移った。
その体は自分の手で子宮袋をつきやぶって床は培養液で濡れる。
その培養液で濡れた床に星村風光は立った。
福来博士は彼にタオルを渡した。
星村はタオルで自分の顔を拭いながら言った。
「信じられないが私はこうしてこの体に完全に復活している。博士ほんとにありがとう」と星村は言った。
「良かった、私もこうなると信じていましたが感激ものです」福来博士は彼の手を握りしめて言った。
「下着もトレーナーもすべて用意してありますから、シャワーを浴びてからそれに着替えてください」とリルが言った。
バスルームに向かった星村風光はさっぱりした顔でトレーナーに着替えて出てきた。
「ありがとう・・・感謝に耐えません。これも彼女にもらったお守りのおかげかも知れない。私はこの体で彼女の墓参りに行きたいと思いますが、彼女の墓は何処にあるか、わかりますか?」
「墓参りは必要ありません」と博士は言った。
「えっ!どういうことですか?」
博士は自分の後ろのカーテンを開いた。
そこにはパジャマ姿の女性が立っていた。
彼女を見て星村風光はさけんだ!。
「桃子さん!どうしてここに・・・博士これはどういうことです?」
「あなたの恋人だった季村(きむら)桃子さんは百年以上前にすでに亡くなっています。私が独断で彼女の髪の毛からDNAを培養して復活させたのです」
星村風光は信じられないものを見るように彼女の顔をじっと見つめた。
彼女も星村をじっと見つめた。
そして奇跡的な再会に感動して涙があふれ出てくる。
「福来博士あなたは天才だ、我々の宇宙科学でもこんなことは出来なかった。DNAから彼女の体を復活させたのはわかりますが、彼女の魂までどうやって復活させたのです?」
「私が悩んだのは、まさにそれです。魂が無ければ単なる生きた人形に過ぎません。私は彼女の髪の毛が入っていたお守り袋にこもっていた彼女の魂を、天国から呼び戻すことに挑戦しました。毎日お守り袋を握りしめ、崖の下で頭から海水を浴び祈りつづけていると満月の夜にふと目の前に彼女の魂が浮かんできたのです。私はその魂に問いかけました。生まれ変わりたいですかと、そして彼女の承諾を得てこうして復活してもらったのです」
「信じられない話しだが、ありがとう博士、あなたはこの宇宙いちの神がかり的天才科学者だ」
「いや、単なる時代遅れのフリンジ科学者ですよ。とにかく喜んでいただけて何よりです。住宅省に頼んであなた方の住む家も用意してあります。そこには衣服も家具も全て揃っています。これからそこにご案内します」
博士はミニクーパーの助手席にピノコを抱いたリルを乗せ、後部座席に星村風光と季村桃子を乗せ、テレポーテーション装置を作動させた。
周りの景色は変わり、そこは2人がこれから暮らす新居の前だった。
100坪ほどの芝生の庭に囲まれた、ログハウス風の小さな2階建ての家があった。
星村風光と栄子は感激したようにその家を見ていた。
博士がドアを開けると、真っ先にピノコが突進して行った。
どうやら自分の新しい家と感違いしているようだ。
家の中に入ると必要な家具と一般的な家電は全て揃っていた。
冷蔵庫を開けると中にはほぼ1ヶ月分の食料品が入っている。
それからクローゼットを開けると、彼らにピッタリサイズの衣類があれこれ並んでいた。
「こんなに何から何までしてもらってありがとうございます」と言って星村風光は博士に頭を下げた。
「いやいや止めて下さい。私がしたのでは無く住宅省がやってくれたのですから」
それから家電の使い方をひと通り説明した。
何しろ彼らがこの世界にいた頃にはなかった物ばかりで説明するたびに季村桃子さんは驚いていた。
特に電子レンジや自動掃除ロボットには感激していた。
そしてひと通り説明は終わった。
「それからこれは生活保護省からのカードです。これを使えば1年間の生活費はまかなえます。まだこっちの世界に馴染めないでしょうからとりあえずこのカードを使って生活をしてください」
「博士、何から何までありがとうございます。2人で新しい生活に挑戦してみます」
「喜んでもらえて何よりです。明日また様子を伺いに来ます。あっそれからご近所には零戦隊員だったこととかタコリアンだったこととかは言わないように、変人扱いされますからね」
「大丈夫です。もちろんそうします」
博士とリルは2人に手を振ってピノコは尻尾を振って崖の上の家に帰った。
「博士あれを聞くのを忘れましたね」とリルは言った。
「あれって何だっけ?」
「猿の惑星を探せ、の意味ですよ」
「猿の惑星を探せの意味か、そう言えば忘れていたな」と言って福来博士は苦笑いをした。
研究室に入ると脱け殻になったタコリアンが立っていた。
「博士これどうします?」とリルが聞いた。
「そうだったな、明日になったら星村風光さんと相談してみるとするか。それからさ・・・この復活プロジェクトが成功した記念にみんなで木星一周旅行をしてみないか」
「そんなこと出来ますか?」
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「えっ!そんなに大きいんですか」
「大きさはともかく、私は母船の内部構造を是非見てみたい。科学者としては非常に興味あるところだ、宇宙を旅する彼らの生活様式の全てがつまっている筈だからね」
「いいですね、やりましょう。このピノコちゃんを連れていってもいいですか?」ピノコちゃんの頭を撫でながらリルが言った。
「もちろんいいさ、木星を一周するネコのタイトルでいっぱい写真を撮って写真展をやればうけるかも知れない」
「ピノコちゃん、それでいい?」とリルはピノコの頭を撫でながら言った。
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