俺の事嫌ってたよね?元メンバーよ、何で唇を奪うのさ!?〜嵌められたアイドルは時をやり直しマネージャーとして溺愛される〜

ゆきぶた

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元と俺

23、煽る元


「ん……」

 何だろう、体が重い……。
 そう思いながら目を覚ました俺は、何故か目の前に超絶美形な顔があって驚いてしまった。

「なっ!?」

 って、よく見たらこれはゆうだ。
 そういえば昨日、龍二の事があって震えていた俺は優に抱きしめられながら眠ったんだった。
 それで、確か優に告白されて……。
 俺はその事を思い出して恥ずかしくなり、ぶんぶんと首を振る。
 そして優から顔を逸らす為に反対側を向くと、何故かそこにも端正な顔つきのイケメンがいて俺はさらに驚いてしまったのだ。

「えっ!?」
「おー、ようやく起きたか?」

 よく見るとそのイケメンははじめだった。
 しかも元はニヤニヤと楽しそうな顔をして俺を見ていたのだ。

「朝食の当番なのに、なおが起きてこないから見に来てやったんだけど……まさか二人で寝てるなんて思ってなくてな、これでも結構驚いたんだぜ?」
「驚くのはわかるけど……なんで、元まで布団に入ってるんだよ?」

 俺が昨日、優と寝たのは間違いない。だから優がいるのはわかるけど、なんで元まで一緒に横になっているのか意味がわからなかった。
 そして混乱してる俺の耳元で、元はその理由を教えてくれたのだ。

「そんなの決まってるだろ? 優への嫌がらせだ」
「お前……」
「あと直は契約がある事、忘れんなよ?」

 コイツ、本当に性格が悪い。
 言い返せない俺を見て、元はニヤニヤと笑っていた。
 その顔を見たくなくて反対側を向いた俺は、そこに優がいるのを忘れてて再び驚いてしまう。
 そして、俺はようやく気がついたのだ。
 もしかして俺、二人に挟まれてる……?
 こんな狭いベッドで二人に密着されたら、身動きなんてとれるわけがない。

「動けないなら、そのまま目覚めのキスをしてやろうか?」
「もう、俺を揶揄うのはやめろよ!」

 そう言いながら元の方を向くと、待ち構えていた元の手が俺の顔を両手で包み込んだ。
 そして元は俺の頬を親指でスリっと撫でながら言ったのだ。

「それはやだ。直って揶揄うの楽しいし、もっといじめたくなる。だから直のその可愛い唇を、俺が奪ってもいいよな……?」

 完全に頭を固定されてるので逃げる事はできない俺は、ゆっくりと近づいてくる元の唇を受け取めるのが嫌でギュッと目を瞑る。

「…………、……?」

 しかし、いつまで経ってもはじめからキスをされる事はなかった。
 それを不思議に思った俺は、ゆっくりと目を開いて驚いてしまう。
 何故か目の前には、大きな手があったのだ。
 それは俺の口を覆い隠すように、元からのキスを遮っていた。

「元、一体どういうつもりだ?」

 突然、冷たい声が俺の後ろから聞こえた。
 いつのまに起きたのか、どうやら優が俺を助けてくれたらしい。

「どういうと言われても困るぜ? ……だって別に直は優の物じゃないし、別に俺が何しようが問題ないだろ?」
「だからといって、嫌がる直にキスをするのは間違ってる」
「直が嫌がってた……そんな訳ないよな?」

 俺を見てニコリと笑うその瞳は、同意しないと契約の事をバラすと言っていた。
 だから俺は元の言う通りにするしかなかったのだ。

「お、俺は……別に嫌と思ってる訳じゃない」
「……直?」

 優にどんな目で見られているのか怖くて、俺は顔を逸らしてしまう。
 そして俺の回答に、元は嬉しそうに言ったのだ。

「そういう訳だから、キスの邪魔しないでもらえるか?」
「それは駄目だ!」
「ゆ、優?」

 突然優に抱きしめられた俺は驚いてしまった。
 しかし元は、そんな優の姿を見て楽しそうに笑っていた。

「それなら、何でダメなのか教えて貰ってもいいか?」
「……俺が直を好きだと告白したからだ」
「告白だって……?」
「ああ、そうだ。だから俺達がどう愛を育てようが元には関係ない事だろ」
「でもその感じだと、別に直はそれを受け入れたわけじゃないんだろ?」
「確かに、そうだが……」

 目の前で言い合う二人は、まるで俺を取り合ってバチバチしてるように見える。だけど元は優の悔しがる顔を見たいだけで本気で言ってるわけじゃない。
 だから本気で俺の事が好きなのは、優だけなんだよな……。
 そう思った瞬間、俺は昨日の告白を思い出してしまい顔が赤くなっていた。
 そんな俺に気がついた元は何故か小さく舌打ちをすると、耳元で言ったのだ。

「あれをバラされたくなかったら、俺の方に来い」

 そう脅された俺は仕方なく優に言った。

「優、悪いけど手を離してくれ」
「直……何故だ?」
「俺は今から、元と朝食の準備にいかないといけないんだ。朝ご飯がないと優も困るだろ?」
「そう言う訳で、直は俺が連れてくからな」

 そう言って立ち上がった元は、何故かそのまま俺を抱えあげた。
 驚いた俺は、小声で元に言う。

「は、元? そこまでする必要はないだろ」
「いや、必要大ありだ。あと忠告しておくが告白についてちゃんと答えないと、他のメンバーにまで言いふらされるぞ?」

 確かに元の言う通りだと思った俺は、優に今の気持ちを伝えておくことにした。

「あのさ……告白のことだけど、俺の気持ちはまだよくわからないから少し考えさせて欲しい」
「直……」

 俺はショックを受けてる優の顔を見てられなくて、すぐに顔を逸らしてしまう。

「じゃあ、後でな。ちゃんと優も早めに朝ごはん食べに来いよ。そうじゃないと学校に遅刻するぜ?」

 元は怖いぐらい満面の笑顔でそう言うと、俺を抱えたままこの部屋を出たのだった。
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