やめて抱っこしないで!過保護なメンズに囲まれる!?〜異世界転生した俺は死にそうな最弱プリンスだけど最強冒険者〜

ゆきぶた

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第三章 調合編

28、今は待つしかない(前編)

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ルーディアに全てを託し部屋に戻った俺は、ただ信じて待つことにした。
だから今は、残りの二つの素材についての情報を集めていた。

「残りの二つは、悪魔の溜息、女神の涙だな。文献を見てもこの二つはさっぱりわからないな」
「仕方がありません。悪魔や、女神とは人間として超越したものだけが起こすという進化の先に生まれる、稀な存在ですからね」

ベットの横に立つライムは、置かれている紙を拾い上げると微妙な顔をしてそれを戻した。
そして今、俺のベットの上には集めた情報が書いてある紙が、所狭しと並べられている。

正直半分ぐらいは妄想だったり、願望だったりが書かれているだけだ。
皆人間の上位種に進化したいと思うのは同じなのかもしれない。


「一万人に一人なれるかどうかで、それになる事ができれば不老不死になれるとか、永遠の美貌を手に入れる事ができるだとか、どう見ても願望じみた話ばかりだもんな」
「そうですね。それにその二つの素材に本当に関係があるのかも不明です」

問題はそこだった。
こんなに調べたのに、実はそこら辺にある物の名前だった。なんて事になったら目も当てられない。
だからこそ、本当に悪魔や女神からしか手に入らない素材なのかどうかを、調べる必要があったのだ。

「こうなったら一度、悪魔と女神に会って聞いてみた方が早いんじゃないか?」
「そうは言いましても、簡単に会える存在でもないですよ?」

悪魔や女神に会うのは確かに難しい。
だけど何か引っかかる。なんか前世でそう言った存在を呼び出す儀式みたいなのがあった気がするのだ。

「そうだ、悪魔召喚!」
「悪魔召喚ですか?聞き慣れない言葉ですね」
「ええっ!この世界に悪魔召喚ってないの!?生贄を捧げたり、悪魔と契約したり……」

首を傾げるライムを見て、どうやら本当にそんな言葉が無いことを理解する。
その事に俺はショックを受けた。
せっかくファンタジーな世界にいるのに、悪魔召喚がないなんて……。

「主が何を言っているのかよくわかりませんが、悪魔や女神はあくまでも人の進化した姿ですからね。人を召喚するだけなのに、わざわざそんな名前をつけませんよ」

確かにそう言われたらそうだ。
この世界では悪魔や女神などは普通に人として生活しているらしく、ぱっと見ても違いはわからない。
だから、ずっと外見が変わらなかったり異様に強かったりとすると、後からあの人はそうだったのかもしれない。と、思われる程度の存在らしい。

「それなら普通に召喚すれば良いってこと?」
「簡単におっしゃいますけど、知らない人間を召喚するのは並の事ではありませんよ?」

知っている者であれば相手をイメージする事、その相手が召喚に応じる事によって召喚は成功する。
それが赤の他人であれば、誰か知らない相手に突如来て欲しいと言われるようなものである。殆どの人は召喚に応じないだろう。

「無理やり召喚をする事は国の法で禁じられてるからな。相手が善良な悪魔や女神であれば……」
「悪魔はわかりませんが、女神は絶対に来ないでしょうね。彼女達は加護を欲しがる輩が周りに多いため、警戒心が高いそうですから」
「じゃあ悪魔狙いで!」

そうと決まれば人を召喚するための魔法陣を調べて、魔素分析術で使えるのかを試してみなくてはならない。
そう思うと、俺は急いであの図書室へと向かったのだった。


それからというもの俺は、召喚術の構築を2日で行い、その練習をするためにライムに協力してもらっていた。

今、ライムにはスライム牧場へ行ってもらっている。そこから俺の部屋へ召喚できるのか、試すつもりだ。
部屋に直接魔法陣を描くわけにはいかないので、大きめの布に魔術インクで魔法陣を描いたものを床に置く。

そしてマニに手伝ってもらい、俺の魔素をマニの体内で魔力に変換してもらう。
それを俺は触れないように魔法陣に流していく。

魔法陣というものが魔素だけではどうしても発動できなかったので、体外で魔力を流す方法を考えた結果がこの方法しかなかったのだ。

カッコ悪いけど誰も見てないから大丈夫!
準備を整えた俺は魔法陣の上にマニを置いて、召喚を開始した。

「いでよ!ライム!!」

叫ぶ必要は全く無いが、想像する為には名前を呼ぶのは有効だと思う。
そう思った瞬間、魔法陣が淡く輝き出したのだった。
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