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フィアのお部屋会議5(スペリア視点)
しおりを挟む結婚式阻止の為に色々動いた結果、死にかけたりとか色々あったのですが、どうにかラミュー家から必死に逃げる事ができた、スペリアです。
現在は、エイミー様に護衛の正体が殿下だとバレたようで、大混乱中のエイミー様は別の部屋でお休み頂いてるそうなのですが、こちらも中々大混乱を極めています。
「これは現実なのか!?エイミーが僕の事を拒絶しなかった。寧ろ僕の態度に顔を赤らめて……もしかしたら夢かもしれない!!スペリア僕の頬をつねって貰えないか?」
「いや、もうそれ何度目ですか!!?」
殿下はこの部屋に移動してから、先程おきた事が現実なのか何度も何度も確認してくるせいで、いい加減面倒臭くなってきたのですけど……。
「いや、何度確認しても信じられない!!エイミーが僕の事を好きだなんて!!」
「まって下さい!!エイミー様は絶対好きとは言ってませんよ!!?」
「そんなバカな!!あんな可愛い顔で僕の事を見つめてきたのに!?」
いやいや、確かに俺はそのときいなかったけど、エイミー様は絶対にそんな事を言う訳ないじゃないですか。
「その通りですわ!!!」
いつのまに部屋に戻ってきていたのか、突然叫んだフィア様に俺まで驚いたのですけど……!?
「フィア!?」
「殿下は少し勘違いをしてましてよ!!エイミー様が護衛さん=殿下と思って混乱しているうちはドキドキしてくれるとは思いますわよ。ですが、殿下が護衛さんと騙していた事をエイミー様が冷静に考えてしまえば、きっと百年の恋だって覚めるぐらい最低の人間だと気がついてしまいますわ!」
「さ、最低の人間?」
「人間のクズの事でしてよ!!」
「クズ!!?この僕が、クズ……」
ガーンって効果音が聞こえる程殿下がショックなのはわかりますが、それよりも殿下は自分の事をクズだと思ってなかった事に驚きですよ!!?
「ですが、ワタクシ達はエイミー様の感情が落ち着くまでは何もする事はできませんし、殿下もエイミー様に無理矢理接触しようとは思わないで下さいませ!」
「少しでもダメなのかい?」
「もちろんですわ!もしワタクシとの約束が守れなかった場合は……」
「場合は……?」
「スペリア様を一日お借りしますので、殿下にはスペリア様の分まで働いて頂きますわ!!」
─── は???
いや待って、何で俺に火の粉が飛んできたんだよ!?
「むむ、スペリアを盾にするとはずるいじゃないか!流石に一人で全ての業務をするのは無理だし……」
「そう思うのでしたら、エイミー様に会うのはやめて下さいまし」
「ぐぬぬ……」
まじで、やめて下さいよ殿下……。
それなのにどう見ても、あの顔は絶対に諦めてないやつだよこれ!!?
「では、ワタクシはこれからラミュー家に行ってアルロスの説得と、全ての責任はワタクシと言う事にして来ますわ!!」
「え?フィア様が全ての責任を取る必要があるのですか!?」
しまった……!驚いて思わず声を出してしまったのだけど、今更何でもないとは言えない。
それに凄くこっちを見てるし……どうする俺!?
「まあ、まあまあ!!スペリア様……ワタクシを心配して下さったのでして!?」
「いえ、その……」
「ご安心下さいませ、ワタクシの没落計画にこの事件が使えると思っただけですわ!!」
「え!?それ、本気で言ってるんですか!!」
ニヤリと笑うフィア様に、本気なのだと俺は動揺してしまう。
横にいる殿下なんて、この話を全く知らないため「没落?」と首を傾げているのに……後で確認されたらなんて答えればいいんだよ!??
「フフ、こんなチャンス二度と来ませんわ!!ワタクシとスペリア様の未来のために、ワタクシ頑張ってきますわね」
「え、いや……ちょっと、待って下さいよ!」
「いえ、ワタクシはもう待てませんの!スペリア様が何と言おうが絶対にやり遂げてきますわ」
バタバタと部屋から飛び出して行くフィア様に、唖然としてる時間なんて殿下がくれる訳がないのはわかっていますから、まだ待って下さいお願いします!!
「スペリア、先程フィアが言っていた没落とはどういう事だ?」
容赦なく聞いてきたよこの殿下!!!?
しかも超真面目モードなんですけど……??
この状態の殿下に隠し事は不可能ですから、ちゃんと答えるしかありません。
「実はフィア様はずっと、殿下と同じように婚約破棄をする為の計画を考えておられました。それがブレイズ侯爵家を没落させる事なのです。どうやらフィア様は、ブレイズ家の権力が落ちれば婚約破棄できると思っているようでして……」
「フィアがそんな事を……?」
「フィア様には、フィア様の事情があるようですから」
考えたくないけど、多分俺の事が好きだからという理由だと思う。だけどこのまま婚約破棄になったら、その想いを俺は受け止められるのか?
別に俺はフィア様の事好きとかそういう感情はないし、それ以前に歳が離れ過ぎてるからな……。
「成る程、僕は気がついたぞ!フィアはスペリアの事が好きなのだな!!」
「え!?何故それを……!」
「なーんてな!そんなわけ……」
「「っえ???」」
……し、しまった!!
俺の馬鹿、これは完全にやらかしたやつだ!!?
「えぇぇぇえぇぇえーーー!!!??」
「いや、今のはそのっ!?」
「え?本当に、本当なのか!?」
もうこれは誤魔化せない気がするし、潔く諦めるか……。
「一つ言っておきますけど、俺がフィア様の事を好きな訳じゃないですからね。フィア様が一方的に俺に迫ってくるだけで……」
「ふむふむ、成る程~!」
「殿下!ニヤニヤしながら聞かないで下さいませんか!?」
「いや、フィアにも可愛らしい所が1つでもあったのだと思ってな。今度これでからかってやろっと!」
フィア様なら揶揄われるどころか、堂々と宣言しそうだけどな……。
「しかしフィアがそこまで焦っているのなら、僕たちも早く行動をしないといけないな。悪いがスペリアには今度フィアを一日束縛しておいてもらうからね」
「はい?」
何故だろう、なんだか凄く嫌な予感がする。
「それから、以前からずっと集めていた婚約者候補の親族について、ようやく裏が全て取れたところだからね。さっさと全員脅して味方になってもらうための準備をしようか、スペリア」
「畏まりました、殿下」
「因みに、僕がエイミーのところに忍び込む準備もよろしくね!!」
やっぱり忍び込むつもりだったのかよ!!?
心の中でツッコミを入れつつ、俺は頭を下げてこの部屋を後にしたのです。
それにしてもフィア様と1日過ごすとして、俺はどうしたらいいんだよ……!!?
よし。考えるのは後回しにして、とりあえず仕事を優先させる事にしよう。
そうしないと俺は冷静でいられないと思う。
ああ、全く今日も胃が痛くなってきましたよ。
これはフィア様と殿下のせいですから……!!
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