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二章
新ミレイとローゼ様とアルベルト
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ショウフル様と空気悪いままお開きになった街散策の翌々日、私はローゼ様に呼ばれて学園のカフェテリアに来た。
なかなか多忙な休暇である。
あの麗しいローゼ様にお呼ばれなんて!
とウキウキカフェテリアに馳せ参じたわけだ。
しかし、ローゼ様は、にこやかとは言えない表情で私をむかえた。
「御機嫌よう、ミレイ様」
「ご、御機嫌よう、ローゼ様…」
ちっともご機嫌よろしくなさそうだけど。
私何かしたっけ?
「ミレイ様、貴女、先日私が言ったことを覚えてらして?」
先日…というと記憶喪失だと打ち明けて、ダメイケメンズを4人まとめて精神的にボコった時だよね?とすると…
「記憶がなくて困ることもあるだろうから、力になれることがあったら言うように、と申したはずです。あれから1週間も経っておりますが、何も困っていないということはないと思うのです」
ん?
「貴女は遠慮しているのかもしれないですけれども、あともう1週間で新学期が始まるというのに、常識もマナーも身についていないままで良いと思っているのですか?この学園の生徒として恥ずかしくないように…ちょっと、何にやけてらっしゃるんですか!!」
何このツンデレ女神。超萌える。
私がにやけちゃうのもやむなしだと思う。
「申し訳ございません。ローゼ様が私の心配をしてくださったのだと感動して顔がにやけました!」
「べ、別に私は貴女の心配をしたのではなくて、学園の品位を…」
「照れ隠しするローゼ様ってめちゃくちゃ可愛いですね」
「……!!て、照れ隠しなど!」
顔お赤らめるローゼ様に、ニヤニヤが止まらん。もっと照れさせたいし、もっと狼狽えさせたい。
あれ?私、実は前世は思春期男子かエロおやじだったりしないだろうな??
や、少なくとも女だった気はする!
ローゼ様が美しいうえに可愛いから仕方ない!うん。
「では、お言葉に甘えて、ローゼ様に貴族のマナーを教えて頂けないでしょうか?私は平民とはいえ、この学園の生徒のほとんどは貴族の方だそうなので、何が失礼にあたるかなどの最低限のことは学んでおいた方が良いかと」
「ええ、お引き受けしましょう。最低限と言わず、しっかり学ぶべきです。今の身分が平民でも、魔法に長けた貴女なら養子にと請われる可能性が高いのですから」
なるほど。そういえば卒業までにスカウトされることが多いって言っていたっけ。
と、そこでローゼ様が行った。
「ところで、アルベルト様。淑女の後ろに無言で立つのはおやめになった方がよろしいかと」
「!?」
「……」
振り返ると奴がいた。
え、なんで黙って立ってるの?
や、黙ってるのはいつもか。
じゃ、なんでいるの?
「アルベルト様、何か御用でしょうか?」
「……」
アルベルト様は口を開き…
また閉じた。
や、喋れよ。
「アルベルト様、ミレイ様に何か用があるのでしょう?本来でしたらミレイ様と私がお茶を楽しんでるところに入ってくるなど無粋だと申し上げるところですが、いとこのよしみで許して差し上げます。ご用件をおっしゃってください」
「え?…いとこ?」
マジ?
まあ、どっちも美形だけどそんな似てるわけでもないし。
性格まるで違うし。
あ、でも、いとこってそんなに似るものでもないか。
「ええ、ですから幼少の頃からそれなりに交流はあったのですよ。昔も口数が多い方ではなかったですけど、ある時から本当に言葉が少なくなって」
「何かきっかけでもあったのですか?」
アルベルト様の前でアルベルト様のことをローゼ様に訊くのもなんだか変な感じがするが、本人がだんまりなんだから仕方ない。
言われて嫌なことなら流石に拒否の言葉くらい発するだろう。たぶん。
「私もそんなによく知っているわけではないのですが…」
ローゼ様がアルベルト様をチラリとみる。
特に止めても来ないので話していいと判断したのだろう。ローゼ様は話し出した。
「子供の頃、アルベルト様と話した子が泣き出すということが何度かあったのです。アルベルト様は…なんと申しましょうか…相手の言葉を素直にそのまま受け取る質なのだと思います。でも、アルベルト様自身は受け取った相手の言葉に対して思いやった言葉を返しているのですが…」
アルベルトに気のある貴族令嬢リリィがいた。
そのリリィに気のある貴族令息グスタフがいた。
リリィがアルベルトを前にしてソワソワしているのを見て、グスタフはアルベルトに剣の勝負を挑んだ。
剣といっても、もちろん子供の時分のことだから子供の訓練用の剣で、切れたりはしない。
打ち身程度の怪我はしようとも、それ以上の怪我はしない代物である。
騎士団長である父譲りの剣の才を持つアルベルトは、やすやすとグスタフを打ち負かした。
「今日はちょっと手加減してやっただけだ!良い気になるなよ、アルベルト!!リリィはお前にはやらないからな!リリィは俺のだ!」
子供らしい負け惜しみだ。
自分の好きなアルベルトが自分のために戦って勝利を収めてくれた(アルベルトにはリリィのためというつもりは毛頭ないが)、という状況に言い知れぬ歓びを感じていた小さなレディは、グスタフの遠吠えで、我に返り、すぐに否定しようとした。
しかし、それより早く、グスタフの言葉をそのまま素直に受け取ったアルベルトは、グスタフに言った。
「今日は花を持たせてくださってありがとうございます。グスタフ君が本気で相手をしてくれるくらいになれるよう、稽古に励みますので、またお相手して頂けますか?
リリィ嬢はグスタフ君のなんですね。わかりました。決して貰おうとしたりしないので、安心してください」
そう言ってにっこり微笑むと、
グスタフは悔し泣きし始め、
天国から地獄に突き落とされた憐れなリリィ嬢は号泣し出した。
相手の皮肉や、嫉妬や、好意を孕んだ言葉たちの表面をそのまま素直に受け取って、返答した結果、相手が傷ついて泣いたり、激怒したりすることがその後も何度かあり、アルベルトはだんだんと言葉を発さなくなった。
なかなか多忙な休暇である。
あの麗しいローゼ様にお呼ばれなんて!
とウキウキカフェテリアに馳せ参じたわけだ。
しかし、ローゼ様は、にこやかとは言えない表情で私をむかえた。
「御機嫌よう、ミレイ様」
「ご、御機嫌よう、ローゼ様…」
ちっともご機嫌よろしくなさそうだけど。
私何かしたっけ?
「ミレイ様、貴女、先日私が言ったことを覚えてらして?」
先日…というと記憶喪失だと打ち明けて、ダメイケメンズを4人まとめて精神的にボコった時だよね?とすると…
「記憶がなくて困ることもあるだろうから、力になれることがあったら言うように、と申したはずです。あれから1週間も経っておりますが、何も困っていないということはないと思うのです」
ん?
「貴女は遠慮しているのかもしれないですけれども、あともう1週間で新学期が始まるというのに、常識もマナーも身についていないままで良いと思っているのですか?この学園の生徒として恥ずかしくないように…ちょっと、何にやけてらっしゃるんですか!!」
何このツンデレ女神。超萌える。
私がにやけちゃうのもやむなしだと思う。
「申し訳ございません。ローゼ様が私の心配をしてくださったのだと感動して顔がにやけました!」
「べ、別に私は貴女の心配をしたのではなくて、学園の品位を…」
「照れ隠しするローゼ様ってめちゃくちゃ可愛いですね」
「……!!て、照れ隠しなど!」
顔お赤らめるローゼ様に、ニヤニヤが止まらん。もっと照れさせたいし、もっと狼狽えさせたい。
あれ?私、実は前世は思春期男子かエロおやじだったりしないだろうな??
や、少なくとも女だった気はする!
ローゼ様が美しいうえに可愛いから仕方ない!うん。
「では、お言葉に甘えて、ローゼ様に貴族のマナーを教えて頂けないでしょうか?私は平民とはいえ、この学園の生徒のほとんどは貴族の方だそうなので、何が失礼にあたるかなどの最低限のことは学んでおいた方が良いかと」
「ええ、お引き受けしましょう。最低限と言わず、しっかり学ぶべきです。今の身分が平民でも、魔法に長けた貴女なら養子にと請われる可能性が高いのですから」
なるほど。そういえば卒業までにスカウトされることが多いって言っていたっけ。
と、そこでローゼ様が行った。
「ところで、アルベルト様。淑女の後ろに無言で立つのはおやめになった方がよろしいかと」
「!?」
「……」
振り返ると奴がいた。
え、なんで黙って立ってるの?
や、黙ってるのはいつもか。
じゃ、なんでいるの?
「アルベルト様、何か御用でしょうか?」
「……」
アルベルト様は口を開き…
また閉じた。
や、喋れよ。
「アルベルト様、ミレイ様に何か用があるのでしょう?本来でしたらミレイ様と私がお茶を楽しんでるところに入ってくるなど無粋だと申し上げるところですが、いとこのよしみで許して差し上げます。ご用件をおっしゃってください」
「え?…いとこ?」
マジ?
まあ、どっちも美形だけどそんな似てるわけでもないし。
性格まるで違うし。
あ、でも、いとこってそんなに似るものでもないか。
「ええ、ですから幼少の頃からそれなりに交流はあったのですよ。昔も口数が多い方ではなかったですけど、ある時から本当に言葉が少なくなって」
「何かきっかけでもあったのですか?」
アルベルト様の前でアルベルト様のことをローゼ様に訊くのもなんだか変な感じがするが、本人がだんまりなんだから仕方ない。
言われて嫌なことなら流石に拒否の言葉くらい発するだろう。たぶん。
「私もそんなによく知っているわけではないのですが…」
ローゼ様がアルベルト様をチラリとみる。
特に止めても来ないので話していいと判断したのだろう。ローゼ様は話し出した。
「子供の頃、アルベルト様と話した子が泣き出すということが何度かあったのです。アルベルト様は…なんと申しましょうか…相手の言葉を素直にそのまま受け取る質なのだと思います。でも、アルベルト様自身は受け取った相手の言葉に対して思いやった言葉を返しているのですが…」
アルベルトに気のある貴族令嬢リリィがいた。
そのリリィに気のある貴族令息グスタフがいた。
リリィがアルベルトを前にしてソワソワしているのを見て、グスタフはアルベルトに剣の勝負を挑んだ。
剣といっても、もちろん子供の時分のことだから子供の訓練用の剣で、切れたりはしない。
打ち身程度の怪我はしようとも、それ以上の怪我はしない代物である。
騎士団長である父譲りの剣の才を持つアルベルトは、やすやすとグスタフを打ち負かした。
「今日はちょっと手加減してやっただけだ!良い気になるなよ、アルベルト!!リリィはお前にはやらないからな!リリィは俺のだ!」
子供らしい負け惜しみだ。
自分の好きなアルベルトが自分のために戦って勝利を収めてくれた(アルベルトにはリリィのためというつもりは毛頭ないが)、という状況に言い知れぬ歓びを感じていた小さなレディは、グスタフの遠吠えで、我に返り、すぐに否定しようとした。
しかし、それより早く、グスタフの言葉をそのまま素直に受け取ったアルベルトは、グスタフに言った。
「今日は花を持たせてくださってありがとうございます。グスタフ君が本気で相手をしてくれるくらいになれるよう、稽古に励みますので、またお相手して頂けますか?
リリィ嬢はグスタフ君のなんですね。わかりました。決して貰おうとしたりしないので、安心してください」
そう言ってにっこり微笑むと、
グスタフは悔し泣きし始め、
天国から地獄に突き落とされた憐れなリリィ嬢は号泣し出した。
相手の皮肉や、嫉妬や、好意を孕んだ言葉たちの表面をそのまま素直に受け取って、返答した結果、相手が傷ついて泣いたり、激怒したりすることがその後も何度かあり、アルベルトはだんだんと言葉を発さなくなった。
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