のんびりしたくて

はりゅう

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つづき

町 2

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「マスター、大人しくさせます?」

 リースが物騒なことを言う。
  
 ここまで旅してリースが強いことを知った。
 こんなに強いのに前マスターさんは封じてたって…。
 …前マスターさん、どれだけ強かったんだろう…。

 ここまで来るのに私達を襲ってきた物は全て、リースが一撃でやっつけてきた。
 リースが「ちょっと離れててくださいねー」と言うなり私達の前に魔獣等が現れて、リースがガッとやっつける、その繰り返し。
 目の前であっという間にやっつけるから、怖い!と思う暇なく済んでいる。
 …逆にリースが怖い、ような?
 だって、リース、ニコニコするから。
 「マスターの役に立てて嬉しいんです」と言われたら、何も言えない。私、何も出来ないし。

「危ない感じ?」

「面倒そうな感じです」

「えぇ~」

「やっつけます?」

「うぅ~ん…」

 せっかく町に来たんだし、ちょっと、ゆっくりしてみたかったんだけどなぁ。
 
 今、私達は世界中を回り始めた所なのだ。
 なのに、最初の町で厄介なことに巻き込まれ…?いや、巻き込まれではなかった、厄介事が正面からやって来た。
 前途多難ってやつか!
 先が思いやられるね!

 ……これからも絡まれるよねぇ、女、子供の2人旅だし。
 早く、行っちゃおうかなぁ。
 だって、のんびりするのが目的なんだし…、世界中巡るの、面倒…?

「あ」

「どうしたの?リース」

「宿に入って来ました」

「ええ~?」

 リースには索敵も出来る。
 敵意にも敏感で魔獣の感知も早かったなぁ。

 そっか、入って来るのかー。

の人もグルなのかな?」

「どうでしょう。脅されてる、と言うことも考えられます」

「逃げる?」

「その方が、楽かもしれませんねぇ」

「…のんびり、したかったなぁ」

「………(こっそり、やっつけ…)」

「リース、行こうか」

「……はい」

 あ~あ、せっかくの宿だったのに~!
 全く、何なの!




 あ~あ、せっかくの町だったのに~!

 はい!囲まれました!
 
 
 私達は宿からこっそり出てきて、さっさと町を出た。
 宿を囲っていた奴らもひっそり、数を増やして付いてきた。
 
 私はリースに前抱きで20人ほどの男達に囲まれている。
 言い出しそうなことは大体こうだろう。

 女子供の2人旅は危ないから護衛しよう~とか。
 いい服着てるから金持ってんだろう…とか。(リースの服は特別製。目立つ)
 見目のいい女子供は高く売れるから大人しく掴まれ…とか。

 「おうおう!ねーちゃん、さっきぶり。護衛依頼しに来たんだろ?俺らが受けてやるよ。ほんとは受付して金を貰うんだが、俺らはやさしーから、タダで受けてやるよ」
 「そうそう。俺らが目的地まで守ってやんよー」
 「そうそう。目的地までなー」

 ニヤニヤ笑いながら男達は言う。
 どう見てもやさしさが見えない。
 っていうか、護衛なんて要らないし。

「えー、要らなーい」

 私がそういうと、男達は舌打ちして睨んできた。

「じょーちゃんにゃ、聞いちゃいねぇ」
「おじょーちゃんは大人しくしててねー」
「俺ら、おねーさんと話てるからー、だまってろよー」

 笑う男達。

 うーわー、きーもーいー。
 
「(リース、リース)」

「(何ですか?)」

「(こいつら捕まえたら、報奨金とかあるかなぁ)」

「(突き出すんですか?)」

「(ほっといても面倒そうじゃない?着いてきそうだし。町の上の人がマシなら、なんかありそうじゃない?こういう場合って)」

「(あるものですか?)」

「(パターン的には、あり?)」

「(そういうものですかねぇ)」


「おい!何コソコソしてんだ!」

「さっさと護衛代出せよ」

「そうそう、有金、全部だけどねー」

「「「ギャハハハハハハハハ!!」」」


 うーわー、さいてー。
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