のんびりしたくて

はりゅう

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つづき

町へ

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 長い、長い荷馬車の旅もようやく今日で終わる、予定。
 まだ見えないけど、町長さんの話だと今日ぐらいで着くはずだと、リースが教えてくれた。

 よし!やっとだー!

 何もしないって結構疲れるんだよ。
 道が変わらなさ過ぎるのも悪いと思う。
 前も後ろも、右も左も木、木、木!
 木、ばっか。

 ここまで何も無いと思ってなかった。
 観光っぽいの、できると思ってた。
 でもね、馬車から見えるのは自然。
 自然、だけ。

 飽きるよ!
 毎日はもう無理!

 歩くなら別。
 身体を動かして疲れるから。
 
 ガタガタ揺れる馬車での移動はただただ、辛いだけだったんだよう……。

 それも、今日で終わりー!
 後少し、がんばるよー!





 リースに聞いたお話の中に、魔王の話がある。
 魔種の領域の最も強い意志ある者、それが魔王。
 ほとんどは魔人種から魔王になることが多く、魔人種でない時は領域が荒れてしまう。
 魔王がひどく暴れてめちゃくちゃになってしまうのだとか。

 人種の中にも魔王のお話はあちこちにある。
 と言ってもこれは物語。
 魔人種がいるのは知られているけど詳しい話は広まってない。
 ただ、子供に聞かせる話として魔王が出てくる。
 悪いことをすると魔王がやってくる、というお話。

 その話は少しずつ変化して行き次第に本当にいる、という事になった。
 
 本当のことは誰も知らない。
 なのにいるお話だけは広まってしまって一人歩きをした。

 そして、ある時、人種の王が言った。

 『魔王を退治せよ』

 誰も知らない魔王を倒せ、と。
 
 国は人材を集め、鍛えた。
 そして選ばれた人はこう呼ばれた。

 『勇者』

 




「ねぇねぇ、それで?」

 わくわくする。
 
「………。なぁ、嬢ちゃん?」

「ん?」

「いや……。……」

「?」




 勇者は仲間を集め魔種の領域に行く道を探し歩く。
 だけど、誰も知らない。
 過去の情報を探した。
 見つからない。

 誰もが疲れて会話は少なくピリピリとした空気になった。
 しかし、王により盛大に送り出され、何も成果なく戻れもしない。
 
 …帰りたい。

 ただ、その思いだけしか残らなくなった。
 少しだけ、見るだけ。
 
 そして戻った故郷では、もう、居場所は無く。
 どこに行くでも無く、フラフラ彷徨った。

 仲間?

 とうにいない。
 気付いた時には荷物も武器も全てが無くなっていたよ。
 
 もう、俺には何も無い。




 男はそう言った。
 



 少しだけ、時間を戻そう。

 ご飯の為休憩していた。
 今日は町に着くたら比較的普通の格好、にしたかった。
 が、なぜか天使スタイル。
 白のワンピースに小さい羽がついた見た目可愛い服。
 裾に目立たないが刺繍も入ってさり気無さが良い!

 私は浮かれていた。
 クルクル回ったりしてしまった。
 リースを見たら微笑ましいような目で見ていた。
 私はなんか恥ずかしくなって森の中に入ってしまった。


 でも私は怖いから奥には行かない。
 リースから見える所まで。
 
 危ないし、怖いし。

 ただ、久しぶりに森に入ったから周りを見る。
 そして発見する事になる。

 
 木の影でよく見えなかったけど、人、の足があった。
 もしかして……?
 とか思ったけど、生きてた。

 リースを待って近いたら具合の悪そうな男。
 全体的に汚い男だった。
 服はヨレヨレ。
 髪も髭ももしゃもしゃ。
 
 ただなんか気になってジィっと見ていると、リースがいきなり水をぶっかけた。

 いや、なんで!?

 リースを見れば嫌そうな顔。
 …まぁ、汚かったし?

 すると、男が呻いた。
 水、かけたからかなぁ…。
 
「ええと、だいじょうぶ?」

 なんとなく、悪いような気がして男を揺さぶった。
 すると、気がついたのか少し動いた。

「マスター!」

 リースは私を自分の後ろに下がらせる。
 男は熱でもあるのかボーッとしている。

「……たてる?」

 私の声に反応してこっちを見た。
 目線は合ってない。

「…うごける?」

 
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