ちょとだけ不思議で、ちょとだけ夢のある、ちょとだけ昔の冒険物語

いぬっ

文字の大きさ
24 / 29
≪巫女編≫

10.めんそ〜れ!(後編)

しおりを挟む
 アオブダイは内臓にパリトキシンという毒をもつ、青い熱帯魚……パリトキシンはフグのもつテトロドトキシンよりもはるかに毒性が強く、加熱処理しても分解されることがない、厄介やっかいな猛毒だ!

「その魚は食べたら危険なんだぞ! 内臓に毒があるんだぞ!」

「え~~~! もう一口食べちゃたよ~!」

「内臓を食べなければ大丈夫なんだぞ……」

「本当?」

「俺も腹減ったから頂くよ! 内臓を食べなきゃ良いんだな」

「りんは、強いな、格好いいんだぞ!」

 しかし、個体によっては身にもパリトキシンが含まれている場合があるので注意が必要だ……

「おなか痛~~~い」

「俺もなんか調子が……呼吸こきゅうが……苦しい……」

「2人共、毒に当たったんだぞ! 小枝こえだ~! 助けてほしいんだぞ!」

……

「2人共、何やってるのよ! この薬をのんで、甲賀秘伝こうがひでんの毒消しよ!」

「ありがとう! 小枝~!」

……しばらくして

「海の生き物には、毒があるから気お付けないとあぶないんだぞ!」

「でも、とっても美味しかったよ!」

「……本当に?」かなえは少しだけ、ほんの少しだけ誘惑に負けて、危険だと分かってはいたが、気付いたら一口食べていた……

「本当だぞ! 美味しいんだぞ!」
「ゔぁ~~~! 食べたらだめだって~~~!」りんは慌てて止めたが、既に遅くかなえは毒に当たった……

小枝こえだ~~~! 助けて~~~!」

「何やってるのよ……」小枝は、毒に当たって『ピクピク』しているかなえに、毒消しを飲ませた……

「これで大丈夫! もう食べたらダメよ!」

……

「ね~! 皆んな! そろそろ、首里城しゅりじょうへ行ってみない?」

「何かあるの?」

「お宝が眠ってるってうわさがあるのよ!」

……

 首里城には地下迷宮ちかめいきゅうがあって、「第一尚氏王統だいいちしょうしおうちょう」時代のお宝が眠ってるらしい。琉球王国りゅうきゅうおうこくによって編纂へんさんされた歌集かしゅう『おもろそうし』には、お宝の在処ありかを示す歌があり、謎を解くヒントになっているとかいないとか……また、そのお宝は、マジムンがまもっているとの噂もある……

……

「ね~、姉さま、勝手に入っちゃって大丈夫なの?」

「大丈夫よ! 皆んな! はぐれないでね~!」

……

首里城には、『地下迷宮の入口はここから、めんそれ~!』って書いてある案内板があって、その案内板の横にある扉から地下迷宮へ下りるの、その扉を開けると薄暗く長い階段が現れるから、足元に注意しながら下りていくわ……

「皆んな! 足元に気お付けてね、すべるわよ!」

 階段の壁からは、地下水がみ出し、すべりやすくなっていて、とても危険な状態だ!……

「きゃ~!」りんとかなえが滑って転んだ……

「大丈夫?」

「俺は大丈夫だ!」

「かなえは?」

「お尻が痛いんだぞ!」その後も階段は続いた……

「まだ下りるの~?」

「途中の案内板あんないばんに『8合5勺はちごうごしゃく』って書いてあったぞ……」

「まだまだね! 頑張りましょう!」

「富士山みたいで、楽しいんだぞ!」

……

 大きな空間に出た……「鍾乳洞しようにゅうどうだ!」

「大きい!」
「広~い!」

 白い鍾乳石しようにゅうせきが天井から氷柱状つららじょうれ下がり床面からは、石筍せきじゅんが伸びていて、柱状はしらじょうになっている部分もあり、幻想的げんそうてきな空間を作っている……

「とっても綺麗なんだぞ!」

 沖縄は珊瑚さんごの島、地下に無数の鍾乳洞が存在していて、迷宮めいきゅうの様になっている。

「どっちへ行っていいのか分からないんだぞ!」

「あ! あそこに誰かいるよ!」

「子供かな~?」

「私達を呼んでるみたいよ!」

 少し離れた場所、鍾乳洞の奥から、2人の子供が手を振っている……

「行ってみない?」

「そうね……」

……

 近づくと、赤い髪の男の子と、女の子で兄妹きようだいのようだった。

「あなた達! どうしてこんな場所にいるの?」

「おうちは何処なんだぞ? お父さんとお母さんは何処に居るんだぞ?」

「……」

「この場所に、お宝が眠ってるって噂があるんだけど知らない?」

「……」

しゃべってくれないね?……」

 すると、男の子がついてくるようにと、手招てまねきをしてくれた……

「案内してくれるのかな?」

 兄妹に付いて行くと、鍾乳洞の奥へと案内された。その場所は、鍾乳洞の行き止まりで、高さ5メートル程の崖になっていて、下をのぞき込むと……

「エメラルドブルーの地底湖ちていこだ!」

「凄く綺麗だ!」

 白い小さな砂浜が在る、エメラルドブルーの水をたたえる、それはとても綺麗な地底湖があった。

「素敵な場所へ案内してくれて、ありがとう~!」

「良い子達ね!」

 今度は女の子が、私達に泳いで見ない? って感じのディスチャーをして来て、先に地底湖へ飛び込んだ……

「泳いでも良いの!」

「私も泳ぐ~!」

 みんなで、綺麗な地底湖へ飛び込んだ……

「凄い透明度だ! 底まで透き通っている……」

「綺麗なクラゲが沢山いるわ~!」

「うっ! 電気クラゲか?」

「さっきのクラゲとは違う種類みたいよ! 奇麗に光ってるわ!」

「本当に発光してるんだぞ! 不思議なんだぞ! カブトクラゲとオワンクラゲなんだぞ!」

 オワンクラゲは体長は5~10 cmほどの大きのクラゲで、お椀をさかさまにしたような形をしていて、体内にイクオリンというタンパク質をもっていて、海水と反応すると青く光る……

 カブトクラゲも体長は5~10 cmほどの大きのクラゲだが、オワンクラゲと違って触手を持たないと言う特徴を持ち、このクラゲは七色に光る。

「幻想的なんだぞ!」

……

 しばらく皆んなで泳いでいたが、女の子は先に砂浜へ……

「もう上がっちゃうの~、もう少し一緒に泳ごうよ~!」

すると、男の子が何やら呪文を唱え始めた……

「なに? なに?」

 それまで穏やかだった湖面が波打ち、渦を巻き始めた……

「きゃ~」

「なんだ? 何が起こってるんだ?」

 全員、成すすべもなく渦に飲み込まれた……

「うわ~~~」
「きゃ~~~」

……

 全員、クラゲ達と一緒に沖縄の海に浮かんでいた……

「やられたんだぞ~!」

「くう~! くやし~い!」

「もう一回、行こうぜ!」

「そうね、このままじゃ終われないわ……」

……

 首里城の横の扉に到着!
 
『地下迷宮の入口はここから、めんそれ~!』って
書いてある案内板の横の扉を開けようとした……

「あれ? 開かない……」

『ガチャ、ガチャ、ガチャ!』

「扉に鍵がかかってるわよ!」

「さっきは鍵なんてかかってなかったのに?」

「あ! 案内板をよく見るんだぞ!」

 案内板には小さい文字で、さっき継ぎ足して書いたように、『有料』っ文字が……

「あの2人の仕業ね!」

 料金を払って地下迷宮へ……

……

「あ! いたよ! あの鍾乳石の後ろ!」

 全員で追いかけて、周りを囲む……

「さっきは、やってくれたな~」

 捕まえようと、全員で一斉に飛びかかる……

『ごち~ん!』

 2人は真上に軽々と飛び上がり、包囲網ほういもうから脱出……

「いた~い!」

「イタタタ……」頭をぶつけて目を回す……

……

 私達は忍者だ! 素早い動きで追いかけて、鍾乳洞の奥で追い詰める……

「覚悟するんだぞ! もう逃げられないんだぞ!」

 ジリジリと間合まあいを詰め、一斉に飛びかかる……

「きゃ~!」
「姉さま~~~!」

 またもや、軽々と交わされて、ルナ以外、地底湖へ落ちた……

 形勢逆転けいせいぎゃくてんで、ルナはピンチに……

「オムレット! いる? 助けて!」

 オムレットはルナの頭の上に姿を表す……

 オムレットの姿に驚いた兄妹は、危険を察したのか、更に素早い動きで、ルナの背後を取り、地底湖へ蹴り落とした……

「きゃ~~~!」

 ルナはオムレットと一緒に地底湖へ落ちた……

「覚えてなさいよ~~~!」

……

 全員、クラゲ達と一緒に沖縄の海に浮かんでいた……

「また、やられたんだぞ~!」

「くう~! 悔し~い!」

「もう一回、もう一回だ! 行こうぜ!」

「ルナのお尻を蹴るなんて、許さないんだからね~~~!」

 オムレットも起こっていた……

……

 首里城の横の扉に到着! 入場料をはらって、案内板の横の扉を開けようとした……

「あれ? 開かない……」

『ガチャ、ガチャ、ガチャ!』

「入場料は払ったわよ~💢」

「よく見るんだぞ! また、何か書いてあるぞ!」
 
『今から値上がり』って書いてあった……

 追加料金を払い地下迷宮へ……

……

「あ! いたよ! あの鍾乳石の後ろ!」

 全員で追いかけて、周りを囲む……

「さっきは、やってくれたな~」

 捕まえようと、全員で一斉に飛びかかる……

 結果はまたもや同じで、全員、沖縄の海へ放り出された……

……

くやしい~~~!」

 巫女みこ達の悔しがる声が、沖縄の海に木霊こだました……

……つづく
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ
ファンタジー
 ハートとお気に入り登録、ぜひぜひお願いいたします!  ↓簡単なあらすじは''もっと見る''へ!↓  ここは、剣と魔法の異世界グリム。  ……その大陸の真ん中らへんにある、荒野広がるだけの平和なスラガン地方。  近辺の大都市に新しい冒険者ギルド本部が出来たことで、辺境の町バッファロー冒険者ギルド支部は無名のままどんどん寂れていった。  そんな所に見習い冒険者のナガレという青年が足を踏み入れる。  無名なナガレと崖っぷちのギルド。おまけに巨悪の陰謀がスラガン地方を襲う。ナガレと仲間たちを待ち受けている物とは……?  チートスキルも最強ヒロインも女神の加護も何もナシ⁉︎ ハーレムなんて夢のまた夢、無双もできない弱小冒険者たちの成長ストーリー!  努力と友情で、逆境跳ね除け成り上がれ! (この小説では数字が漢字表記になっています。縦読みで読んでいただけると幸いです!)

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ

のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
 リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。  目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。

処理中です...