ちょとだけ不思議で、ちょとだけ夢のある、ちょとだけ昔の冒険物語

いぬっ

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≪巫女編≫

11.巫女さんのお仕事(お留守番編)

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 10日間の沖縄おきなわでのお仕事を(バカンスを満喫まんきつし)終えて帰って来ました。

「お留守番、ありがとうね~! 沖縄のお土産買ってきたよ~!」

 留守番をお願いしていたさくらあおい、かりんとゆずにお土産みやげを手渡した……

……

 さくら、さつきの妹、姉に似てしっかり者で頼りになる存在、伊賀忍者いがにんじゃ出身の9才。

「お土産、ありがとう~! どうでした? 沖縄楽しかったですか~?」

 あおい、桜の親友で、インターン的な乗りで、今回のお仕事に参加している伊賀忍者出身の9才。

「お土産、有難う御座います。頂きます! 桜のお姉さんは何時いつもも美人ですね! 素敵です!」

 葵は、桜のお姉さんに、とってもあこがれている……

「そ、そう? 有り難うね! 葵いちゃんも可愛いわよ!」

「あ~あ! 姉貴あねきは良いよな~! 私だってその内、胸が大きくて、超格好良い美人なになるんだからね!」

……

 かりん、小枝こえだの妹、やんちゃなおてんば娘、甲賀忍者こうがにんじゃ出身の8才。

「いいな~! 桜たちの伊賀忍者は美人ぞろいなんだな! うちの~ちゃんは、美人と言うよりは、可愛い系何だよな~! 胸は小さいしな!」

『ごっん!』

「なにすんだ! ~ちゃん! 痛いじゃないか~!」

「かりん! 生意気なまいきなこと言ってるんじゃないわよ! 私だって、れなりに……」

……

 ゆず、かりんとは家が隣同士となりどうしの幼なじみ、甲賀忍者出身の8才。

「ども!」軽く頭を下げた……

……

 首里城しゅりじょうのお宝には、あれから10回はチャレンジしましたが、ことごとくあの兄妹きょうだいにもて遊ばれて、惨敗ざんぱいでした……
 
 帰りの船の中で聞いた話ですが、首里城でお宝を守っているマジムンはキジムナーじゃないかとの事でした。……そりゃ~勝てない訳ですね!

……

 其れよりも、帰ってきてみると、大事件が起こっていました。天穂日命アメノホヒノミコト様の大切な御神刀ごしんとうの事です……これから、その日の出来事を話したいと思います。

……それは、2日前の事です。ちょうど私達が帰りの船の中でどんちゃん騒ぎをしていた頃の話です……

……

午前6時……
 すずめさえずりが聞こえる早朝、何時もの朝が始まります……私たちは、ここ鷲宮神社わしのみやじんじゃで代理の巫女をして留守番をしています。先輩方が沖縄へお仕事に行かれている間、神社の留守を守るお役目を頼まれました……

「今日もいい天気です! 暑さ寒さも彼岸ひがんまで、少し涼しさを感じるというか、急激に寒くなってきました。お腹を冷やさないようにしましょう! では、頑張ってお掃除しちゃいましょうね!」

「さくら~、話し方がおばさんぽいぞ……」

「そうかな~? そんな事よりも、早く掃除しちゃいましよう!」

「は~~~い!」

 神社の境内けいだいでは、4人の巫女が掃除そうじをはじめるため、ほうきを持って、それぞれの持ち場へ……

……

午前6時30分……
「きれいになりました」……き集めた葉っぱで、き火をしましょう。

「みんな~! 次は拝殿はいでん宝物殿ほうもつでんのお掃除をするわよ~! 桜の指示で、次の仕事へ……

……

 拝殿の掃除は広いのでき掃除がけっこう大変、部屋のサイズは一辺が30メートはある大広間……

「私、ここのお掃除、嫌~い! 今どき、雑巾ぞうきんがけなんてやだよ~」

「そんな事、言わないで、さっさと終わりにしましょう!」

 拝殿の掃除が終わると、宝物殿へ移動する……

「みんな~、このかたな天穂日命アメノホヒノミコト様の大切な御神刀ごしんとうだから、慎重にお掃除をするように、先輩からお願いされてるからね、気お付けて慎重にお掃除してね」

「は~い!」

……

「この大太刀おおたち(御神刀)、格好良いな~! ちょっとさわって見ないか?」

「私が先に持ってみる~!」
「ずるいぞ、私が先~!」
「それじゃ、ジャンケンね!」

『ジ~ャンケ~ンポン!』

……

午前7時30分……
「今日のご飯は何にする?」

「さっき焚き火の中にサツマイモを入れたから、美味しい焼き芋が出来てると思うよ~」

「食べた~い!」
「やきいも! やきいも!」

 その辺に落ちていた枝で、焚き火の中から焼き芋を探す。

「あった~!」

「それでは皆んな、神様に感謝をして、いただきま~す」

「うん! 美味しい~!」

……

午前8時30分……
 皆んなで、わいわいと楽しく、美味しい焼き芋を頂いたあとは、社務所しゃむしょ授与所じゅよしょへ行って御守りや絵馬、おみくじなんかの準備をします。それから妖怪退治の依頼も取り扱っているから、申込書の準備なんかもします。これが結構大変な作業なのです!

……

「その前に、御神刀はどうしようか?」
「落としたままじゃまずいよね?」
「だけど、重たくて持てないよ~」

 ジャンケンに勝ったのは、ゆずだったが刀掛かたなかけけから外した途端に、あまりの重さに床へ落っこどしてしまったのだ! その後4人で持ち上げようとはしたものの、女の子の力では持ち上げることも出来ずに、そのまま床に放置してあったのだが……

「あ、もうこんな時間よ、早く授与所へ行かないと」

……

午前9時00分……
安産あんざんの御守り下さい!」

「おめでとうございます! 何時いつご出産ですか?」
「今からです!」
「……? え~! 大丈夫なんですか?」

 御守りを渡す……

「あ~~~!」

 突然、妊婦さんが産気付さんけづいて、しゃがみ込んでしまった。

「皆んな~~~! 大変よ~~~!」

 しゃがみ込んでいる妊婦さんを、4人で慌てて社務所へ……

「近くに産婆さんばさんの、さとおばーちゃんが居たわよね! ゆず、呼んで来て~!」

「うい! 分かった!」

「まずは、お湯! お湯を沸かしましょう! それから、布団を用意して!」

 全員で、手際良てぎわよく準備を進めていると、ゆずに背負われて産婆の里おばーちゃんがやって来て、あっという間に赤ちゃんを取り上げた……

「男の子ですよ~! おめでとうございます!」
「おめでとう~!」
「良かったね!」

……皆んなで祝福しゅくふくした。

午前11時30分……
 出産も無事に終わり、社務所へ戻ると……迷子まいごの男の子が社務所に預けられていた……

「うえ~~~ん! お母さんがいな~い! うえ~~~ん!」

「大丈夫よ! 私達と一緒にお母さん、探そうね! さっきの妊婦さんじゃないわよね?」

「うえ~~~ん!」
「ね~君! お名前は?」

「たくみ……」
「たくみ君は、お母さんと何処ではぐれたのかな?」

「池の所で……」

 光天之池(みひかりのいけ)、鷲宮神社の境内にあり、「龍神様がお住まいになられている」という伝承を持つ池である。

「一緒に探しに行こう!」

……

 その後、皆んなでたくみ君のお母さんを探し回り、鷲宮神社の門前町にある甘味処で確保して、無事に事件は解決した。

「たくみ君、ちゃんとお母さんを見張ってるのよ!」
「うん! ありがと~う! おねーちゃん!」

……

午後12時30分……
「お腹空いたね、お昼ごはんは何にしょうか?」などと皆んなで話していたら……

「きゃ~~~!」
「うぎゃ~~~!」

 突然近所きんじょのクソガキどもに、かえるを背中に入れられました……

「こら~~~! 何すんじゃい💢」

 逃げ遅れて、転んでいたクソガキ1人を捕まえて、お尻を『ペンペン』とたたいてしかってやりました……

「こら~~~! 待て~~~!」

 他のクソガキ達を追いかけて、境内をグルグルと走り回りましたが、お腹が空いていたせいでしょうか? 等々とうとう、逃げられました……

「覚えてなさいよ~~~💢」

……

午後2時00分……
 もうこんな時間です……背中に入れられたカエル達を龍神様がお住まいになられている池に逃がしてあげてから社務所へ戻る事にしました。

「疲れたよ~!」
「ちょっと休暇~!」
「わたし、お茶入れるね~!」
「ありがとう」

……

午後2時30分……
 平和で穏やかな一時ひとときはあっという間に過ぎて、社務所で『ぐて~』と、とろけていた私達に参拝者さんぱいしゃの方が声を掛けて来ました。

「巫女様、御朱印ごしゅいんをもらえませか?」
「あ! 承ります」

「……どうすれば良いのかな?」
「わかんな~い……」

「神社の名前と、参拝日さんぱいびと自分の名前を書けば良いんじゃない!」

「分かった!」

「少々お待ち下さ~い」

……すみり、御朱印帳へ参拝日と神社の名前、それと自分達の名前を書き込む。

「お待たせしました」
 御朱印帳をわたす……

『これは巫女様の名前かい? 上手いもんだな~』
「有難うございます。頑張って書きました。」
 墨まみれの顔でお礼を言った。
……

午後4時00分……
「忙しくて忘れていたけど、御神刀はどうしようか?」

「あ! 落としたままだよね……」
「だけど、私達じゃ無理だよ、重たくて持てないよ~」
「そうだよ、無理……」

 皆んなで宝物殿へ移動……

「良いこと思いついた!」
「なになに?」

「あそこの柱になわを掛けて、り上げるのはどうかな~?」

「お~! あったま良いな~!」
「やれる気がする!」
「そうと決まれば縄、探して来よう!」

……

「長さ足りるかな?」

 持って来た縄を、天井のはりに掛ける。

「もうちょっと右!」
「良いわよ、御神刀に結ぶわよ!」

 天井の梁に縄を通して、その端を御神刀に結ぶ、そして、皆んなで縄の反対側を引っ張る……

「せ~えの!」
「もうちょつと!」

「きゃ~!」
 御神刀の重さと巫女、4人分の重さが釣り合い、宙吊ちゅうづりに……

「どうすんのよ~?」

 暫く宙吊りに……
「わたし、オシッコしたい!」
「バカ、何言ってるの……手を放さないてね!」
「あ~! もうだめ~」

 その時、天井の梁に掛けていた縄から嫌な音がして、突然『ぶちっ』って切れた……

「きゃ~」

「うわっ!」
 皆んな床にお尻から落っこちた……

「わたし、御手洗いに行ってくる~!」
「どうするのよ?」
「もうどうしょうもないよ~」

「逃げよう!」
「そうだね! 逃げよう」

……御神刀は床にぶっ刺さっていた……

午後5時00分……
「今日はいろんなことがあった1日でしたが、とりあえず無事にお仕事出来たと思います。みんな~お疲れ様で~す。それでは、後片付あとかたづけをして終わりにしましよう」

「は~い!」

……

午後6時00分……
「お昼ごはんは、焼き芋だけだったからお腹が空いたね! 夕ご飯は何にしょうか?」

「そうだね~ お蕎麦そばが良いな!」
「近くのお百姓さんに、山菜さんさいもらったから、山菜そばにしようよ!」

「いいね!」
「それじゃ食事の準備をしましょう」
「は~~い!」

 手際てぎわよく全員で料理をはじめる……

……

午後7時00分……
 粉まみれになりながら、蕎麦を打ち、で上げる……

「それでは皆んな、神様に感謝をして、頂きましょう!」

「いっただきま~す!」
「う~ん! 美味し~い!」

……

午後9時00分……
 巫女達は、また宝物殿ほうもつでんにいた……

「どうしよう、このままじゃ怒られちゃうよね……」

 床にぶっ刺さって抜けなくなった御神刀の回りで、考えあぐねて疲れ果てたのか、全員で床に寝転んでいました……疲れもあって少しうとうとし始めた頃、油断もしてましたが、突然、知らない男がやって来て、御神刀を床から軽々と引き抜いて、盗んで行こうとしたのです……

「あ! こら~~~! ダメ~~~!」
 巫女達は慌ててその男を制止しようとしましたが、御神刀を片手で床から軽々と引き抜いて持ち上げた姿に、迂闊うかつにも、『キュン』といてしまいました……

「ダメよ! それは鷲宮神社の御神刀で、持ち出しは出来ないわよ!」

『近くの村に、強い妖刀が出て村の人々が困っているから、この刀の力が必要なんだよ、貸してもらえないだろうか?』

「でも駄目なものは駄目なのよ!」

『……』

「あ! 無視するな~~~!」

 その男は、巫女達の制止を無視して、御神刀を持ち去ろうとします……

「わかったわ、こうなったら実力行使よ! 絶対に止めて見せるわ!」

「桜! やるの?」
「話合いが決裂したのよ……仕方ないわ……」
「わかった、私も戦うよ!」
「ありがとうあおい!」

「面白そうだな~! 私達も戦うぞ!」
 寝転んで、様子を見ていたかりんとゆずも戦う気、満々で起き上がって来た!

『おい、おい、ちょとまて! 俺は戦う気はないぞ! それにまだそれ程、話合いもしてないだろ~~~!」

「問答無用なのよ!」

 桜と葵の連携が取れた凄まじい攻撃が男に襲いかかる……

「お前たちは、本当に巫女なのか?」
「私達は伊賀忍者よ! 覚悟しなさい!」

『忍者? 本物? マリンに紹介したら喜びそうだな……』

 ……そう、鷲宮神社に忍び込んだのは裕翔ゆうとだった……

『この刀がどうしても必要なんだ、貸してくれ!』
 裕翔は、軽々と桜と葵の攻撃をかわしながら、説得するが……

「あなた、いったい何者なの~~~? 私達の攻撃が全然あたらな~い」

 桜と葵は、一生懸命に練習した技を、ことごとく交わされてしまったので、柱に陰に隠れ、裕翔に手裏剣を投げつけていた……

……

「次は私達の攻撃だね! かわせるかな~?」

 かりんとゆずの幻影忍術げんえいにんじゅつが裕翔に襲いかかる……

分身ぶんしんか?」
「そうよ! よけられるかな?」

 かりんとゆずの姿が、10人以上に見える……

『本物だ! 凄いぞ!』
 裕翔は初めて見る忍術に感心したが……

『あまいな! 奥義おうぎ幻影げんえい』』
 裕翔は、奥義『幻影』できりを発生させ、相手の視界から消える……

 「え!? 何処?」
 「これはなに? 忍術?」

 かりんとゆずは困惑こんわくして、術を解いてしまった……

「見付けた!」裕翔は後ろから近づいて、2人に『こちょこちょ』した……

「うきゃ~! やめろ~!」
「くすぐった~い! やめて~!」

2人は捕まった……
「こら~~~! 変態! 2人にエッチな事するな~~~! 2人を離せ~~~!」

 桜と葵は、エッチな事をされているかりんとゆずを助けようと、柱に陰から裕翔に手裏剣を投げつけながら訴えた……

『変なこと言うな、エッチな事してね~よ! ……それからお前たち、そんなに手裏剣を投げつけるなよ! あぶないだろ!』

「変態!」

「……俺はそろそろ帰るよ!』

 裕翔は、巫女達の制止を無視して、御神刀を持ち去った。

…… 

「負けちゃた……悔し~~~!」

「……でも、良かった! これで御神刀に悪戯いたずらしたのがバレないね!」

「そうだね!」
「全部あいつのせいにしよう!」
「うん、そうしよう!」

 桜、葵、かりん、ゆずは安心したのか、床に崩れ落ちて、泣き出していた……

「良かったよ~~~!」
「うえ~ん」

……

 沖縄から帰って来て、その話を聞いたときには、皆んなで驚いてしまい、少しだけ取り乱しましたが、後日、3柱みはしらの神に、『しずか』と言う神から、御神刀のレンタル依頼連絡があったらしく、盗難とうなんでは無く、貸し出しになったので、おとがめ無しとなりました。

「良かったわね、あなた達! でも……」
「でも? なに?」

「3柱の神から、話は聞きましたよ……御神刀で遊んでたと……」

「ごめんなさ~い」

 4人の巫女は、蜘蛛くもの子を散らすように逃げ出した……

「もう、仕方のない娘達こたちね! でも、怪我けががなくて良かったわ……だけど、どんなヤツなんだろうね? 御神刀を持ってくなんてね」

……つづく
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