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白の星の騎士
成果
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ベース22をズールから人の手に取り戻すことができた。
ここで無念の死を遂げた人も浮かばれるだろう。
マザーを倒したことでもうズールはいなくなった。
これでベース内を気楽に探索ができる。
ちゃんと探索していないのはセクション3、4、5。
3は普通の客室があるだけだったが、4にはベース長室があった。
接客担当の日記によると元々ここは客用のロイヤルスイートルームだったらしいけど、ベース長が占拠したそうだ。
ベース長室には悪趣味極まりない装飾品に溢れていた。
金のお皿や金のベッド、テーブルなどなど。目が痛くなりそうだ。
こんなところで寝泊まりなんてできない。
特に純金の胸像とか見苦しい。気持ち悪い笑顔を浮かべている。
誰がモデルか知らないけど、こいつは胸像にしたら駄目だと思う。
素材のゴールドは売れば大金になるけど、相当お金に困らない限り売るつもりはない。
なぜなら金は伝導性が高く、錆びないので、素材としても優秀なのだ。
ジルコニアにも大量の金が使われている。長年放置されていたジルコニアが起動したのは金のおかげだ。
これだけ金があれば、良い物が作れるだろう。
セクション5にはガーデンの他にも展望台などの施設があった。
施設の中で一番収穫があったのはミュージアムだ、そこには骨董品などが展示されていた。
まあベース22自体、骨董品と言ってもいいんだけど。
セクション5にあったため、結構荒らされていたけど、展示物はちゃんと保存ケースに入れられており、綺麗なままだった。
展示物の多くは考古学的な価値しかない、だけど一部の展示品はそれ以外の価値を見出せた。
その中でもストーンマンと呼ばれる展示物が特に価値があった。
札に書かれている説明によればこれは一番初めに作られたパワードアーマーらしい。
軍事用ではなく、土木用。
装甲は付いているけど、落石からの防御や粉じんが入らないようにするための物で、防御力はほぼない。
動力は抜かれているだけで、保存状態が良く完品と言ってもいい。
これを着て戦闘はできないだろうが、研究用には使える。
ストーンマンは宇宙船に積み、他の展示物の中で有用そうな物だけデバイスに入れておいた。
あとベース22に散らばっていた壊れたパワードアーマーの中から比較的状態がマシなパーツを集めておいた。
一つにすれば新たなパワードアーマーが手に入るかもしれないし、ジルコニアの本格的な修理の材料にもなる。
ジルコニアは応急処置程度の修理しかできていないので、移動中に直すつもりだ。
レガシークエストのクリア報酬もある。
ただし、デバイスには入らない。
今回の報酬、それはベース22である。
ベース22はホテルや宇宙船の発着所として経営でき、その収益を自分の物にすることができる。
今は宇宙に行ける人がいないので、意味はあまりないがいずれ大金を生みだしてくれるだろう。
ホテルとしては運用できなくとも、他にも色んな使い道がある。
移動用の推進器も付いており、これ自体を宇宙船として運用できるのだ。
ただし、その速度はとても遅い。
乗ってきた宇宙船と比べると10分の1程度の速度しか出ない。
次の目的地までの距離はジャンクスター~ベース22以上ある。
そんなスピードで移動するのはさすがにイライラする。
幸いジルコニアのリンクシステムを応用すれば、遠隔操作が可能なので宇宙船で先行し、後から付いてこさせることにした。
ベース22にはトラクタービームようなものが備わっていた。
引き寄せるだけじゃなく、その逆、引き離すこともできる。
引き離すんだからトラクタービームじゃないんだけど。
かつて、ベース同士をビームで繋ぎ、宇宙に航路を作っていたらしい。
星間流と呼ばれており、これによって低コストで高速に惑星間の行き来ができたそうだ。
他のベースの状況は不明。たぶんない。
星間流はだいぶ前に途絶えたのがログに記録されていたし。
探索が終わったのでベース22でしかできないことは掃除以外もうない。
その掃除もお手伝いロボがいて、代行してくれるから僕がする必要がなかった。
このお手伝いロボは優秀で、多少の故障なら自分たちで修復してくれる。
数は2体しかおらず、ベース長室に放置されていた。他にもいたと思うが、持ち出されたのだろう。
だからベース長室だけは荒れ放題のベース22の中で片付いており、悪趣味な金色の装飾品も埃などが被っておらず、輝きを失ってはいなかったのだ。
あとのことはお手伝いロボさんに任せて、僕は次の座標に向かおう。
次こそは他のプレイヤーやNPCに会いたい。せっかくVRMMOをやっているのに誰とも交流がないのは少し寂しい。
ここで無念の死を遂げた人も浮かばれるだろう。
マザーを倒したことでもうズールはいなくなった。
これでベース内を気楽に探索ができる。
ちゃんと探索していないのはセクション3、4、5。
3は普通の客室があるだけだったが、4にはベース長室があった。
接客担当の日記によると元々ここは客用のロイヤルスイートルームだったらしいけど、ベース長が占拠したそうだ。
ベース長室には悪趣味極まりない装飾品に溢れていた。
金のお皿や金のベッド、テーブルなどなど。目が痛くなりそうだ。
こんなところで寝泊まりなんてできない。
特に純金の胸像とか見苦しい。気持ち悪い笑顔を浮かべている。
誰がモデルか知らないけど、こいつは胸像にしたら駄目だと思う。
素材のゴールドは売れば大金になるけど、相当お金に困らない限り売るつもりはない。
なぜなら金は伝導性が高く、錆びないので、素材としても優秀なのだ。
ジルコニアにも大量の金が使われている。長年放置されていたジルコニアが起動したのは金のおかげだ。
これだけ金があれば、良い物が作れるだろう。
セクション5にはガーデンの他にも展望台などの施設があった。
施設の中で一番収穫があったのはミュージアムだ、そこには骨董品などが展示されていた。
まあベース22自体、骨董品と言ってもいいんだけど。
セクション5にあったため、結構荒らされていたけど、展示物はちゃんと保存ケースに入れられており、綺麗なままだった。
展示物の多くは考古学的な価値しかない、だけど一部の展示品はそれ以外の価値を見出せた。
その中でもストーンマンと呼ばれる展示物が特に価値があった。
札に書かれている説明によればこれは一番初めに作られたパワードアーマーらしい。
軍事用ではなく、土木用。
装甲は付いているけど、落石からの防御や粉じんが入らないようにするための物で、防御力はほぼない。
動力は抜かれているだけで、保存状態が良く完品と言ってもいい。
これを着て戦闘はできないだろうが、研究用には使える。
ストーンマンは宇宙船に積み、他の展示物の中で有用そうな物だけデバイスに入れておいた。
あとベース22に散らばっていた壊れたパワードアーマーの中から比較的状態がマシなパーツを集めておいた。
一つにすれば新たなパワードアーマーが手に入るかもしれないし、ジルコニアの本格的な修理の材料にもなる。
ジルコニアは応急処置程度の修理しかできていないので、移動中に直すつもりだ。
レガシークエストのクリア報酬もある。
ただし、デバイスには入らない。
今回の報酬、それはベース22である。
ベース22はホテルや宇宙船の発着所として経営でき、その収益を自分の物にすることができる。
今は宇宙に行ける人がいないので、意味はあまりないがいずれ大金を生みだしてくれるだろう。
ホテルとしては運用できなくとも、他にも色んな使い道がある。
移動用の推進器も付いており、これ自体を宇宙船として運用できるのだ。
ただし、その速度はとても遅い。
乗ってきた宇宙船と比べると10分の1程度の速度しか出ない。
次の目的地までの距離はジャンクスター~ベース22以上ある。
そんなスピードで移動するのはさすがにイライラする。
幸いジルコニアのリンクシステムを応用すれば、遠隔操作が可能なので宇宙船で先行し、後から付いてこさせることにした。
ベース22にはトラクタービームようなものが備わっていた。
引き寄せるだけじゃなく、その逆、引き離すこともできる。
引き離すんだからトラクタービームじゃないんだけど。
かつて、ベース同士をビームで繋ぎ、宇宙に航路を作っていたらしい。
星間流と呼ばれており、これによって低コストで高速に惑星間の行き来ができたそうだ。
他のベースの状況は不明。たぶんない。
星間流はだいぶ前に途絶えたのがログに記録されていたし。
探索が終わったのでベース22でしかできないことは掃除以外もうない。
その掃除もお手伝いロボがいて、代行してくれるから僕がする必要がなかった。
このお手伝いロボは優秀で、多少の故障なら自分たちで修復してくれる。
数は2体しかおらず、ベース長室に放置されていた。他にもいたと思うが、持ち出されたのだろう。
だからベース長室だけは荒れ放題のベース22の中で片付いており、悪趣味な金色の装飾品も埃などが被っておらず、輝きを失ってはいなかったのだ。
あとのことはお手伝いロボさんに任せて、僕は次の座標に向かおう。
次こそは他のプレイヤーやNPCに会いたい。せっかくVRMMOをやっているのに誰とも交流がないのは少し寂しい。
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