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霧の魔
死闘 分裂蛇2
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頭を落とすことには成功したが、まだ戦闘は終わらない。
「やっぱり分裂蛇か!」
切り離した頭から別の蛇が生まれず消えたが、頭を失った胴体から新たな頭部が生えてきた。
実はこいつが分裂蛇じゃなく、ただのでかい蛇じゃないかと淡い期待をしていたけど、やっぱり分裂蛇だった。
可能性は低かったので、ショックは受けていない。
余計なことを考えてる暇はない。こいつをどう倒すかが大事だ。
分裂蛇を倒すには先端からチマチマ削っていくしかない。分裂されたら厄介。
ユラさんは複数体同時に相手できていたが、僕にはそんな技量はない。
分裂させないように気を付けながら戦おう。
蛇は僕を中心に旋回しながら、四方八方から体当たりを繰り返してきた。
躱せているが、攻撃する暇がない。覚悟を決めよう。今のままじゃジリ貧だ。
次の体当たりで仕掛ける。
蛇を機体の正面に捉えると、ブースターで後退を始める。
回避はしない、受け止めるつもりだ。ブースターで後退するのは追突の衝撃を減らすため。
普通に受け止めると衝撃で破壊される危険がある。
後退する速度は全開ではなく、蛇が追いつけるレベルに留めておく。
あと少しで衝突する。両腕を構え、受け止めることができる態勢にする。
その数秒後、蛇と衝突した。
コックピットに強い衝撃が走る。
すぐにブースターを前進に切り替え、最大出力まで上げた。
生命力はかなり回復しているので最大にしても大丈夫だ。
受け止めるのは成功。蛇はなおも押し続けてきているが、速度が加わっていない状態ではブースターの方が強いようで、少しずつ押し返している。受け止めた両腕に少し負荷が掛かっているがガーディフォースならば問題はない。
シザーアームズを蛇の顔に刺す。
今度はハサミを開かず、引き抜いて別の場所に突き刺す。
数ヶ所顔に穴を開けると、蛇は口を開き、食べようとしてきた。
口内にバルカンを叩き込む。
蛇はそれを嫌がり、すぐに口を閉じた。やっぱり体の中は鱗より柔いみたいだ。
次に蛇が行ったのは麻痺攻撃。
目が怪しく光る。
至高の肉体を持っている僕にそれは効かない。
どうやらこの攻撃をすると、蛇は無防備になるようで、押す力は弱まっていた。
その隙に膝を下顎に叩き込むと、蛇の頭は持ち上がった。
生まれた蛇と地面との間に潜り込む。両手を地面につき、逆立ちをした。
それと同時にブースターの噴射口の向きを地面方向にし、全開まで出力を上げる。
下から上への急上昇キックだ。
ブースターの力が加わった蹴りによって、蛇の巨体はさらに大きく仰け反った。
上下逆さまのガーディフォースをブースターを用いて、元に戻す。
この技はユラさんの十八番の一つ、ブーストキック。僕の機体でも出来るようにしておいた。
紅霞よりもガーディフォースの方が重量もブースターの出力も上だから、ユラさんが使うよりずっと威力がある。
蛇はまだ態勢を整えることができていない。隙だらけだ。
「チャンス!」
シザーアームズの固定を解除する。
「行け!シザーアームズ!」
腕からシザーアームズが射出された。
シザーアームズには小型の推進器が付いており、射出することで離れた敵にも攻撃が可能なのだ。
蛇の首元にシザーアームズが深く喰い付く。
「挟み切れ!」
ハサミは閉じ、蛇の頭に大きな傷を作った。
それを確認すると、シザーアームズと機体を繋ぐコードに電気を流した。
シザーアームズを機体に繋ぐのに、ピギ二ウムを使用している。
電気を流せば元の形に戻る特性を利用すれば、機体まで引き寄せることができるのだ。
腕まで戻したシザーアームズを再び固定した。
シザーアームズは強力だけど、蛇の頭を一回で斬り落とすことはできない。
だけど、千切った部分は鱗と皮膚がなく、肉が見えている。
そこにバルカンを叩き込む。
鱗には弾かれたが、肉相手なら効くことは口の中に銃弾を撃ち込んだ時に判明している。
銃弾は蛇の肉を少しずつ削っていき、最後は皮一枚で繋がっている状態まで持っていくことができた。
接近し、その皮をシザーアームズで斬り落とす。繋がりを失った蛇の頭は地面に落ちた。
これで二回目。断面から間髪入れずに新たな頭が生えてきた。
あと何回削れば倒せるんだろう。蛇の長さから推測すると、最低でも二桁は繰り返さなければならない。
シザーアームズとバルカンだけでは困難だ。
主兵装のセットアップはまだ終わっていない。あれさえあればどうにかなるのに。
そう思っていると、モニターに通知が表示された。それはずっと待っていたものだった。
『アシュラ、進行度70%。Aユニット使用可能』
「きた!」
これで戦える!
「やっぱり分裂蛇か!」
切り離した頭から別の蛇が生まれず消えたが、頭を失った胴体から新たな頭部が生えてきた。
実はこいつが分裂蛇じゃなく、ただのでかい蛇じゃないかと淡い期待をしていたけど、やっぱり分裂蛇だった。
可能性は低かったので、ショックは受けていない。
余計なことを考えてる暇はない。こいつをどう倒すかが大事だ。
分裂蛇を倒すには先端からチマチマ削っていくしかない。分裂されたら厄介。
ユラさんは複数体同時に相手できていたが、僕にはそんな技量はない。
分裂させないように気を付けながら戦おう。
蛇は僕を中心に旋回しながら、四方八方から体当たりを繰り返してきた。
躱せているが、攻撃する暇がない。覚悟を決めよう。今のままじゃジリ貧だ。
次の体当たりで仕掛ける。
蛇を機体の正面に捉えると、ブースターで後退を始める。
回避はしない、受け止めるつもりだ。ブースターで後退するのは追突の衝撃を減らすため。
普通に受け止めると衝撃で破壊される危険がある。
後退する速度は全開ではなく、蛇が追いつけるレベルに留めておく。
あと少しで衝突する。両腕を構え、受け止めることができる態勢にする。
その数秒後、蛇と衝突した。
コックピットに強い衝撃が走る。
すぐにブースターを前進に切り替え、最大出力まで上げた。
生命力はかなり回復しているので最大にしても大丈夫だ。
受け止めるのは成功。蛇はなおも押し続けてきているが、速度が加わっていない状態ではブースターの方が強いようで、少しずつ押し返している。受け止めた両腕に少し負荷が掛かっているがガーディフォースならば問題はない。
シザーアームズを蛇の顔に刺す。
今度はハサミを開かず、引き抜いて別の場所に突き刺す。
数ヶ所顔に穴を開けると、蛇は口を開き、食べようとしてきた。
口内にバルカンを叩き込む。
蛇はそれを嫌がり、すぐに口を閉じた。やっぱり体の中は鱗より柔いみたいだ。
次に蛇が行ったのは麻痺攻撃。
目が怪しく光る。
至高の肉体を持っている僕にそれは効かない。
どうやらこの攻撃をすると、蛇は無防備になるようで、押す力は弱まっていた。
その隙に膝を下顎に叩き込むと、蛇の頭は持ち上がった。
生まれた蛇と地面との間に潜り込む。両手を地面につき、逆立ちをした。
それと同時にブースターの噴射口の向きを地面方向にし、全開まで出力を上げる。
下から上への急上昇キックだ。
ブースターの力が加わった蹴りによって、蛇の巨体はさらに大きく仰け反った。
上下逆さまのガーディフォースをブースターを用いて、元に戻す。
この技はユラさんの十八番の一つ、ブーストキック。僕の機体でも出来るようにしておいた。
紅霞よりもガーディフォースの方が重量もブースターの出力も上だから、ユラさんが使うよりずっと威力がある。
蛇はまだ態勢を整えることができていない。隙だらけだ。
「チャンス!」
シザーアームズの固定を解除する。
「行け!シザーアームズ!」
腕からシザーアームズが射出された。
シザーアームズには小型の推進器が付いており、射出することで離れた敵にも攻撃が可能なのだ。
蛇の首元にシザーアームズが深く喰い付く。
「挟み切れ!」
ハサミは閉じ、蛇の頭に大きな傷を作った。
それを確認すると、シザーアームズと機体を繋ぐコードに電気を流した。
シザーアームズを機体に繋ぐのに、ピギ二ウムを使用している。
電気を流せば元の形に戻る特性を利用すれば、機体まで引き寄せることができるのだ。
腕まで戻したシザーアームズを再び固定した。
シザーアームズは強力だけど、蛇の頭を一回で斬り落とすことはできない。
だけど、千切った部分は鱗と皮膚がなく、肉が見えている。
そこにバルカンを叩き込む。
鱗には弾かれたが、肉相手なら効くことは口の中に銃弾を撃ち込んだ時に判明している。
銃弾は蛇の肉を少しずつ削っていき、最後は皮一枚で繋がっている状態まで持っていくことができた。
接近し、その皮をシザーアームズで斬り落とす。繋がりを失った蛇の頭は地面に落ちた。
これで二回目。断面から間髪入れずに新たな頭が生えてきた。
あと何回削れば倒せるんだろう。蛇の長さから推測すると、最低でも二桁は繰り返さなければならない。
シザーアームズとバルカンだけでは困難だ。
主兵装のセットアップはまだ終わっていない。あれさえあればどうにかなるのに。
そう思っていると、モニターに通知が表示された。それはずっと待っていたものだった。
『アシュラ、進行度70%。Aユニット使用可能』
「きた!」
これで戦える!
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