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風吹く星よ
二つの始動
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BSゴルゴン討伐後、エンジ島では高頻度で宴を開かれていた。
僕ら以外の人はほとんどいなかったため、後片付けをしっかりすれば、どれだけ騒いでもNPCに迷惑が掛からないから黙認されていた。
島民が帰ってきたら、落ち着くと思っていたんだけど、島民が帰ってきてからの方が酷かった。
島の男たちも参加し、ほぼ毎日行われるようになってしまったのだ。
それに女性陣が激怒したため、宴は中止になったが、飲兵衛たちの欲望はその程度では止まらなかった。
飲兵衛たちは隠れ家を作り、秘密裏に宴を開いていたそうだ。
主犯はライザさんとシフさん。プレイヤーからはヤッパリなども加担している。
市場から無くなる酒の速度がおかしいことに気付いたフウアさんが隠れ家を突き止めて、摘発。
摘発後、隠れ家を取り壊そうとしたが、ライザさんたちが泣きながら懇願した結果、取り壊しは中止になり、週に一度だけ使っていいことになった。
もし、それ以上使用したら、容赦なく取り壊すそうだ。
乾杯をした後、いつものように宴が始まった。
工場が完成したことは嬉しいが、どうしても納得できないことがある。
工場の名前だ。
「この名前やめません?」
「駄目だ!発起人だろ!」
僕の最後の抵抗はタリキさんによって、即潰されてしまった。
工場は普通にエンジ工場という名前にするつもりだったのに、オーガ工場になってしまった。
これは僕の異名の悪鬼から名前を取られている。
僕がいない内に勝手に決まっていた。
何度も改名を要求したが、多数決で決まったことで、覆すことはできなかった。
和三盆さんが薫さんの引きずり、僕の席まで来た。
薫さんは悪酔いして、未成年に絡んだため、和三盆さんに絞め落とされて意識がない。
もう見慣れた光景だった。
「やっとスタートラインに立てますね」
工場が始動したことで、ヴィンディスでもあの計画を始められる。
「ここまで長かったわ。スワロさん、あなたのおかげです。ありがとう」
「僕の成果じゃありません。ここまで来れたのは皆さんのおかげですよ」
革命軍の事件の時、彼らが国に付いてなければ、今の状況は実現しなかった。
彼らが国の味方になったことで、国はプレイヤーを切り捨てることなく、今日までプレイヤーの人権があったのだ。
最悪の環境がさらに悪い地獄の環境になっていた。僕もヴィンディスに着陸せず、別の星に向かっただろう。
開業式の数日後、計画の関係者が工場に作られた会議室に集まった。
【新型量産機開発計画】
プレイヤーが開発の主導をする量産機を作る計画だ。
ホーネットやバンチョー、ゲニンのようなクラン専用機ではない。
今回開発するのはヴィンディスプレイヤーの主流になる機体だ。
この動きは自由度の高い星ではすでに始まっており、ほとんどの星では完成していた。
ヴィンディスも自由度が高いが、革命があったせいで、完全に出遅れていた。
もし完成していたら、BSゴルゴンももう少し楽に倒せていたはずだ。
統合軍が開発したウィルフレッドもあるが、あれはとても高額で統合軍と関係を深めていないと購入は不可能だ。
購入難易度が高すぎて、持っているプレイヤーはごく僅かしかいない。
会議には蜜蜂騎兵団とBANKARAの首脳陣とメカニック。
BSゴルゴン討伐隊の中でもランキング入りしたパイロットとメカニックも参加している。
だけど、コネコは参加していない。
あいつが参加したら、絶対に話が纏まらなくなるから、拠点に置いてきた。
王都にいるヴィンディス三大クランの最後の一つも通信で参加している。
彼らを除け者にするわけにはいかない。
【グリンナイツ】
三大クラン最後の一つだ。
彼らの中からリーダーである馬奇さんとメカニックの責任者のオニオンさんと通信が繋がっている。
馬奇さんは鎧を着た若い男性だ。
ヴィンディスにはパワードアーマーはないから普通の鎧だと思う。
オニオンさんは馬奇さんに比べると、まともに見える。
だが、油断してはいけない。彼もグリンナイツの一員なのだから。
会議にはオブザーバーとしてルドフィー技研と王立研究所から研究員が来てくれている。
ファルシュは専門ではないが、彼らの頭脳は新型を開発する上で、頼りになる。
呼んでいないのになぜか、ライザさんとシフさんもいた。
彼らも頼りになるが、公務はどうしたんだろう?またサボったのかな?
あとヴィニアちゃんもいた。
彼女はBSゴルゴン討伐した後も、クインシフに帰らなかった。
他の近衛隊の人はフォートレスと共にすでに帰還したが、彼女だけ残って、離れ島の拠点で暮らしている。
マカラさんや近衛隊の面々から頼まれて、しばらく預かることになった。
僕ら以外の人はほとんどいなかったため、後片付けをしっかりすれば、どれだけ騒いでもNPCに迷惑が掛からないから黙認されていた。
島民が帰ってきたら、落ち着くと思っていたんだけど、島民が帰ってきてからの方が酷かった。
島の男たちも参加し、ほぼ毎日行われるようになってしまったのだ。
それに女性陣が激怒したため、宴は中止になったが、飲兵衛たちの欲望はその程度では止まらなかった。
飲兵衛たちは隠れ家を作り、秘密裏に宴を開いていたそうだ。
主犯はライザさんとシフさん。プレイヤーからはヤッパリなども加担している。
市場から無くなる酒の速度がおかしいことに気付いたフウアさんが隠れ家を突き止めて、摘発。
摘発後、隠れ家を取り壊そうとしたが、ライザさんたちが泣きながら懇願した結果、取り壊しは中止になり、週に一度だけ使っていいことになった。
もし、それ以上使用したら、容赦なく取り壊すそうだ。
乾杯をした後、いつものように宴が始まった。
工場が完成したことは嬉しいが、どうしても納得できないことがある。
工場の名前だ。
「この名前やめません?」
「駄目だ!発起人だろ!」
僕の最後の抵抗はタリキさんによって、即潰されてしまった。
工場は普通にエンジ工場という名前にするつもりだったのに、オーガ工場になってしまった。
これは僕の異名の悪鬼から名前を取られている。
僕がいない内に勝手に決まっていた。
何度も改名を要求したが、多数決で決まったことで、覆すことはできなかった。
和三盆さんが薫さんの引きずり、僕の席まで来た。
薫さんは悪酔いして、未成年に絡んだため、和三盆さんに絞め落とされて意識がない。
もう見慣れた光景だった。
「やっとスタートラインに立てますね」
工場が始動したことで、ヴィンディスでもあの計画を始められる。
「ここまで長かったわ。スワロさん、あなたのおかげです。ありがとう」
「僕の成果じゃありません。ここまで来れたのは皆さんのおかげですよ」
革命軍の事件の時、彼らが国に付いてなければ、今の状況は実現しなかった。
彼らが国の味方になったことで、国はプレイヤーを切り捨てることなく、今日までプレイヤーの人権があったのだ。
最悪の環境がさらに悪い地獄の環境になっていた。僕もヴィンディスに着陸せず、別の星に向かっただろう。
開業式の数日後、計画の関係者が工場に作られた会議室に集まった。
【新型量産機開発計画】
プレイヤーが開発の主導をする量産機を作る計画だ。
ホーネットやバンチョー、ゲニンのようなクラン専用機ではない。
今回開発するのはヴィンディスプレイヤーの主流になる機体だ。
この動きは自由度の高い星ではすでに始まっており、ほとんどの星では完成していた。
ヴィンディスも自由度が高いが、革命があったせいで、完全に出遅れていた。
もし完成していたら、BSゴルゴンももう少し楽に倒せていたはずだ。
統合軍が開発したウィルフレッドもあるが、あれはとても高額で統合軍と関係を深めていないと購入は不可能だ。
購入難易度が高すぎて、持っているプレイヤーはごく僅かしかいない。
会議には蜜蜂騎兵団とBANKARAの首脳陣とメカニック。
BSゴルゴン討伐隊の中でもランキング入りしたパイロットとメカニックも参加している。
だけど、コネコは参加していない。
あいつが参加したら、絶対に話が纏まらなくなるから、拠点に置いてきた。
王都にいるヴィンディス三大クランの最後の一つも通信で参加している。
彼らを除け者にするわけにはいかない。
【グリンナイツ】
三大クラン最後の一つだ。
彼らの中からリーダーである馬奇さんとメカニックの責任者のオニオンさんと通信が繋がっている。
馬奇さんは鎧を着た若い男性だ。
ヴィンディスにはパワードアーマーはないから普通の鎧だと思う。
オニオンさんは馬奇さんに比べると、まともに見える。
だが、油断してはいけない。彼もグリンナイツの一員なのだから。
会議にはオブザーバーとしてルドフィー技研と王立研究所から研究員が来てくれている。
ファルシュは専門ではないが、彼らの頭脳は新型を開発する上で、頼りになる。
呼んでいないのになぜか、ライザさんとシフさんもいた。
彼らも頼りになるが、公務はどうしたんだろう?またサボったのかな?
あとヴィニアちゃんもいた。
彼女はBSゴルゴン討伐した後も、クインシフに帰らなかった。
他の近衛隊の人はフォートレスと共にすでに帰還したが、彼女だけ残って、離れ島の拠点で暮らしている。
マカラさんや近衛隊の面々から頼まれて、しばらく預かることになった。
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