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滅びし水晶の惑星
VS巨象4
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幸い、戦闘能力の低下に繋がる大きな損傷はシザーアームズだけに留まっている。
装甲もそこそこ削られているが、そもそもエレファンの攻撃はどれも一撃必殺級の威力があるから、大きな問題にはならないだろう。
あの攻撃を象牙ミサイルと呼ぶことにした。
象牙ミサイルはあの一度きりじゃない。エレファンの象牙は目でも分かる速度で再生しているのだ。
あの踏み鳴らしによる地震は知っていれば、回避は可能だ。
次は確実に躱してみせる。
エネルギーシールド発生装置はシールドをこじ開けられた影響で、オーバーヒートを起こしていた。
今は使用できないが、しばらくすれば再使用が可能だ。
それまでの間、シールドなしで耐えなければ。
エレファンの攻撃をいなし、シールド復帰の時間を稼いでいる時、一つのアイディアが浮かんだ。
「これならいけるかも」
上手く行けば、奴に大ダメージを与えることができる。
それには爆弾が必要になる。
しかし、ガーディフォースにはその類を装備していない。
イチかバチかになるが、試作品の弾を使おう。
試作品はウェポントランクに一発だけ詰めておいた。
使用するかどうか不明だったが、手札は多い方が良いと思い、積み込んでおいた。
その判断は正しかった。
戦闘状態に入ると、ウェポントランクの詰め替えが出来ないのだ。
必要になっても、戦闘前にトランクに入れておかないと、使用することはできない。
残念だけど、仕方ないことだと思う。
だって、それができたら、トランクよりも容量が遥かに大きいデバイスから補給を受け続けることができる。
戦闘中の弾切れの心配が無くなって、砲戦型のロボットが圧倒的に強くなってしまう。
作戦を実行するには、あの行動を誘発しなければならない。
あと一回、アレが来れば、あの行動に移るはずだ。
「今だ!」
アシュラをキャノンモードに切り替える。
ただし、撃つのは通常弾頭ではない。
撃ち出された弾はエレファンの体に命中することなく、水晶の粒などと一緒にエレファンの体内に吸い込まれていった。狙い通りだ。
「喰らえ」
弾が吸い込まれてから、数秒後、エレファンの体内から爆発音が響いた。
鼻の穴から爆炎が噴き出している。
エレファンの新たな攻撃ではない。吸い込まれた弾が爆発したのである。
これが特殊弾頭、バースト弾だ。
弾の内部に爆弾を詰めており、敵に接触すると爆発する仕掛けになっている。
グレネード弾などに近いが、バースト弾はそれをアシュラで撃てるよう開発した物だ。
ウェポントランク実装によって、戦闘中でも弾薬の変更が容易になったことで開発を開始した。
まだまだ研究開発中のため、威力は低い。
普通のミサイルなどの方が威力は高いだろう。それにキャノンモードでないと撃てないし。
そんな低威力でも、体内に侵入した場合は別だ。
体の内部で爆発すれば、大きなダメージを与えられるだろう。爆発に耐性がない限り。
「効くかな?」
効くかどうかは賭けだった。
体内に大量の異物を武器として取り込む能力は諸刃の剣。
取り込んだ物で体を傷つける可能性がある。
それを防ぐために、何かしらの対策を施している可能性が高い。
爆弾への対策を備えられていた場合、効果はないだろう。
「よし!効いてる」
賭けは僕の勝ちだ。
エレファンは鼻から火炎を吹き出し、悶え苦しんでいた。
どうやら、火耐性を所持していなかったらしい。
今のエレファンは隙だらけ、必殺の一撃を叩き込む絶好のチャンスだ。
アシュラをブレイクインパルスソードモードに移行する。
シールド発生装置のオーバーヒートも解決済みだ。
「出し惜しみはしない!最大出力で行くよ」
最大出力といってもBSゴルゴンの時のような自壊覚悟の一撃ではない。
それでも十分な威力はある。エレファンだって倒せるはずだ。
危機を感じたのか、エレファンは悶えながらも、鼻を振り回し、接近を阻止しようとしてきた。
だが、それは苦し紛れの行動だった。闇雲に振り回しているだけで、僕とガーディフォースの障害にはならない。
その動きを見切り、エネルギーシールドを纏った大剣で弾いた。
もう接近を阻害する物はない。
エレファンの頭に着地し、額に大剣を突き刺した。
水晶の鎧は健在だけど、全てのユニットを接続し重量を増した剣の前では少し分厚い服に過ぎない。
「これで終わりだよ」
ブレイクインパルスソードのトリガーを引くと、シールドが崩壊した破裂音が響き渡った。
衝撃波はエレファンの全身の鎧を粉砕していく。
全身の鎧が砕かれると、エレファンの巨体がゆっくりと傾いていき、地面に倒れた。
装甲もそこそこ削られているが、そもそもエレファンの攻撃はどれも一撃必殺級の威力があるから、大きな問題にはならないだろう。
あの攻撃を象牙ミサイルと呼ぶことにした。
象牙ミサイルはあの一度きりじゃない。エレファンの象牙は目でも分かる速度で再生しているのだ。
あの踏み鳴らしによる地震は知っていれば、回避は可能だ。
次は確実に躱してみせる。
エネルギーシールド発生装置はシールドをこじ開けられた影響で、オーバーヒートを起こしていた。
今は使用できないが、しばらくすれば再使用が可能だ。
それまでの間、シールドなしで耐えなければ。
エレファンの攻撃をいなし、シールド復帰の時間を稼いでいる時、一つのアイディアが浮かんだ。
「これならいけるかも」
上手く行けば、奴に大ダメージを与えることができる。
それには爆弾が必要になる。
しかし、ガーディフォースにはその類を装備していない。
イチかバチかになるが、試作品の弾を使おう。
試作品はウェポントランクに一発だけ詰めておいた。
使用するかどうか不明だったが、手札は多い方が良いと思い、積み込んでおいた。
その判断は正しかった。
戦闘状態に入ると、ウェポントランクの詰め替えが出来ないのだ。
必要になっても、戦闘前にトランクに入れておかないと、使用することはできない。
残念だけど、仕方ないことだと思う。
だって、それができたら、トランクよりも容量が遥かに大きいデバイスから補給を受け続けることができる。
戦闘中の弾切れの心配が無くなって、砲戦型のロボットが圧倒的に強くなってしまう。
作戦を実行するには、あの行動を誘発しなければならない。
あと一回、アレが来れば、あの行動に移るはずだ。
「今だ!」
アシュラをキャノンモードに切り替える。
ただし、撃つのは通常弾頭ではない。
撃ち出された弾はエレファンの体に命中することなく、水晶の粒などと一緒にエレファンの体内に吸い込まれていった。狙い通りだ。
「喰らえ」
弾が吸い込まれてから、数秒後、エレファンの体内から爆発音が響いた。
鼻の穴から爆炎が噴き出している。
エレファンの新たな攻撃ではない。吸い込まれた弾が爆発したのである。
これが特殊弾頭、バースト弾だ。
弾の内部に爆弾を詰めており、敵に接触すると爆発する仕掛けになっている。
グレネード弾などに近いが、バースト弾はそれをアシュラで撃てるよう開発した物だ。
ウェポントランク実装によって、戦闘中でも弾薬の変更が容易になったことで開発を開始した。
まだまだ研究開発中のため、威力は低い。
普通のミサイルなどの方が威力は高いだろう。それにキャノンモードでないと撃てないし。
そんな低威力でも、体内に侵入した場合は別だ。
体の内部で爆発すれば、大きなダメージを与えられるだろう。爆発に耐性がない限り。
「効くかな?」
効くかどうかは賭けだった。
体内に大量の異物を武器として取り込む能力は諸刃の剣。
取り込んだ物で体を傷つける可能性がある。
それを防ぐために、何かしらの対策を施している可能性が高い。
爆弾への対策を備えられていた場合、効果はないだろう。
「よし!効いてる」
賭けは僕の勝ちだ。
エレファンは鼻から火炎を吹き出し、悶え苦しんでいた。
どうやら、火耐性を所持していなかったらしい。
今のエレファンは隙だらけ、必殺の一撃を叩き込む絶好のチャンスだ。
アシュラをブレイクインパルスソードモードに移行する。
シールド発生装置のオーバーヒートも解決済みだ。
「出し惜しみはしない!最大出力で行くよ」
最大出力といってもBSゴルゴンの時のような自壊覚悟の一撃ではない。
それでも十分な威力はある。エレファンだって倒せるはずだ。
危機を感じたのか、エレファンは悶えながらも、鼻を振り回し、接近を阻止しようとしてきた。
だが、それは苦し紛れの行動だった。闇雲に振り回しているだけで、僕とガーディフォースの障害にはならない。
その動きを見切り、エネルギーシールドを纏った大剣で弾いた。
もう接近を阻害する物はない。
エレファンの頭に着地し、額に大剣を突き刺した。
水晶の鎧は健在だけど、全てのユニットを接続し重量を増した剣の前では少し分厚い服に過ぎない。
「これで終わりだよ」
ブレイクインパルスソードのトリガーを引くと、シールドが崩壊した破裂音が響き渡った。
衝撃波はエレファンの全身の鎧を粉砕していく。
全身の鎧が砕かれると、エレファンの巨体がゆっくりと傾いていき、地面に倒れた。
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