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絆と禁忌
侵攻の目的
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「帝国からの救援は?」
「難しいです。早くても一カ月後になるそうです」
「クソっ!」
侵攻されている帝国派の国はこの国だけではないそうだ。
帝国も援軍を出しているが、全体に手が回っていない状況らしい。
この国は帝国にとって、重要度が高い国ではない。
援軍は後回しになっているそうだ。
援軍が来るまで自分たちで防衛しなければならない。
そのためにアローさんたちやにゃんこ同盟、わんわん組合は雇われたのだ。
彼女たちが十二邪将を討伐のために結成した機獣愛連合は帝国に近い。
十二邪将が出現したのが、帝国の属国だったことで、縁が生まれたそうだ。
彼ら以外の機獣愛連合のメンバーも帝国軍の手が回らず、苦境に立たされている国々の援軍に向かっている。
その甲斐もあって、どの国もまだ落ちていない。
資料に目を戻す。
次のページにはこれまでの戦闘の結果が記されていた。
第一波で砦が陥落して領主が死に、第二波は退けることには成功したがこの時に後継者が死んでしまったらしい。
何でトップである領主やその後継者が最前線に立つのかというと、それが帝国派の伝統であり、彼らの存在意義だからだ。
帝国派は民主主義ではなく、君主制。領主は特権階級に位置する貴族だ。
イドの貴族の特権はとんでもなく脆い。
自分たちの有能さを示し続けなければ、壊れてしまう。革命を起こされてしまうのだ。
イドには革命が勃発し、成功した前例が沢山ある。裏で共和国が協力しているらしい。
貴族はモンスターの襲来などの外敵の襲来に際し、積極的に前線に出なければならない。
安全な場所で観戦していると、市民の支持率低下を招き、不満が高くなる。
華やかな生活をし、一見優雅にみえるが、彼らも必死にもがいている。
革命が成功してしまうと、貴族は基本斬首らしい。
必死になるのも当然だ。
第二派を凌いでも、敵の攻勢は続いていた。
続く第三波はアローさんたち機獣愛連合が参戦。
当事者になったため、戦闘の詳しい推移が記されていた。
敵の新型機獣は五体。機獣愛連合はそいつらは戦闘不能に追い込むことに成功、その中の二体に至っては機獣の心臓であるケルンの破壊まで成功したそうだ。
ケルンが破壊されても、再生は可能だ。しかし、通常よりも時間を要する。
最低でも一カ月、大型機獣の場合はさらに時間が掛かるそうだ。
退けることはできたものの、機獣の鹵獲には失敗したらしい。
皆も頑張ったそうだが、敵方も新機獣を守るために猛攻を仕掛けてきたらしい。
防衛には成功したが、壊滅的被害が出ている。
この町の保有の戦力は半数は動けない。
アローさんたちも新機獣に勝利したが、彼女たちの機獣も重篤なダメージを受けている。
復帰は難しい。
向こうの新機獣にもダメージはあるが、復帰は向こうの方が早い。
ケルンを破壊した二機はすぐに復帰は不可能だけど、残りは一週間もあれば、元通りになってしまう。
新機獣は敵の主力だけど、それ以外の機獣もいる。
新機獣三機と通常の機獣だけでも今の町を攻め落とすには十分すぎる。
アローさんが作成した資料はこの国だけではなく、攻め込まれている他国の戦況も書かれていた。
おそらく、援軍に向かった機獣愛連合からの情報だろう。
侵略軍に配備されている新機獣の数まで記されていた。
三機から五機の新機獣が配備されているらしい。
「そもそもなぜ共和国がこの国を狙っているんでしょう?」
発言したのは僕と同じく、資料を読むのに集中していたユラさんだ。
「この国には共和国が欲しがる物はありませんよね?その割に戦力が集中しているようにみえるんですが」
もう一度、資料を確認すると、新機獣が五機回されている国の数は少ない。
大半は三機だ。
五機も回されているのは海や鉱山などを有している国だけ。
この国にはどちらもなく、帝国への侵攻の中継地点にするのにも向いていない。
そこと同程度の戦力が割かれているのは確かに不自然だ。
「はっきり言って、歪ですよ」
ユラさんの質問に誰も答えることはできなかった。
国民すら知らない何かがこの国にはあるのかもしれない。
「難しいです。早くても一カ月後になるそうです」
「クソっ!」
侵攻されている帝国派の国はこの国だけではないそうだ。
帝国も援軍を出しているが、全体に手が回っていない状況らしい。
この国は帝国にとって、重要度が高い国ではない。
援軍は後回しになっているそうだ。
援軍が来るまで自分たちで防衛しなければならない。
そのためにアローさんたちやにゃんこ同盟、わんわん組合は雇われたのだ。
彼女たちが十二邪将を討伐のために結成した機獣愛連合は帝国に近い。
十二邪将が出現したのが、帝国の属国だったことで、縁が生まれたそうだ。
彼ら以外の機獣愛連合のメンバーも帝国軍の手が回らず、苦境に立たされている国々の援軍に向かっている。
その甲斐もあって、どの国もまだ落ちていない。
資料に目を戻す。
次のページにはこれまでの戦闘の結果が記されていた。
第一波で砦が陥落して領主が死に、第二波は退けることには成功したがこの時に後継者が死んでしまったらしい。
何でトップである領主やその後継者が最前線に立つのかというと、それが帝国派の伝統であり、彼らの存在意義だからだ。
帝国派は民主主義ではなく、君主制。領主は特権階級に位置する貴族だ。
イドの貴族の特権はとんでもなく脆い。
自分たちの有能さを示し続けなければ、壊れてしまう。革命を起こされてしまうのだ。
イドには革命が勃発し、成功した前例が沢山ある。裏で共和国が協力しているらしい。
貴族はモンスターの襲来などの外敵の襲来に際し、積極的に前線に出なければならない。
安全な場所で観戦していると、市民の支持率低下を招き、不満が高くなる。
華やかな生活をし、一見優雅にみえるが、彼らも必死にもがいている。
革命が成功してしまうと、貴族は基本斬首らしい。
必死になるのも当然だ。
第二派を凌いでも、敵の攻勢は続いていた。
続く第三波はアローさんたち機獣愛連合が参戦。
当事者になったため、戦闘の詳しい推移が記されていた。
敵の新型機獣は五体。機獣愛連合はそいつらは戦闘不能に追い込むことに成功、その中の二体に至っては機獣の心臓であるケルンの破壊まで成功したそうだ。
ケルンが破壊されても、再生は可能だ。しかし、通常よりも時間を要する。
最低でも一カ月、大型機獣の場合はさらに時間が掛かるそうだ。
退けることはできたものの、機獣の鹵獲には失敗したらしい。
皆も頑張ったそうだが、敵方も新機獣を守るために猛攻を仕掛けてきたらしい。
防衛には成功したが、壊滅的被害が出ている。
この町の保有の戦力は半数は動けない。
アローさんたちも新機獣に勝利したが、彼女たちの機獣も重篤なダメージを受けている。
復帰は難しい。
向こうの新機獣にもダメージはあるが、復帰は向こうの方が早い。
ケルンを破壊した二機はすぐに復帰は不可能だけど、残りは一週間もあれば、元通りになってしまう。
新機獣は敵の主力だけど、それ以外の機獣もいる。
新機獣三機と通常の機獣だけでも今の町を攻め落とすには十分すぎる。
アローさんが作成した資料はこの国だけではなく、攻め込まれている他国の戦況も書かれていた。
おそらく、援軍に向かった機獣愛連合からの情報だろう。
侵略軍に配備されている新機獣の数まで記されていた。
三機から五機の新機獣が配備されているらしい。
「そもそもなぜ共和国がこの国を狙っているんでしょう?」
発言したのは僕と同じく、資料を読むのに集中していたユラさんだ。
「この国には共和国が欲しがる物はありませんよね?その割に戦力が集中しているようにみえるんですが」
もう一度、資料を確認すると、新機獣が五機回されている国の数は少ない。
大半は三機だ。
五機も回されているのは海や鉱山などを有している国だけ。
この国にはどちらもなく、帝国への侵攻の中継地点にするのにも向いていない。
そこと同程度の戦力が割かれているのは確かに不自然だ。
「はっきり言って、歪ですよ」
ユラさんの質問に誰も答えることはできなかった。
国民すら知らない何かがこの国にはあるのかもしれない。
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