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星海から訪れる侵略者

偶然?必然?

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 マルヴェさんはSVコンバット使い。モーションコントロールへの適性が高いはず。
早速テストしてみよう。

「ちょっと寒くないですか?」

 マルヴェさんと言う通り、少し肌寒い気がする。


 伍号が車庫から飛び出してきた。
何やら焦っているようだ。

「スワロ様!大変です!」
「一体どうしたの?」
「雪華が!」

 すぐにマイグラントの格納庫内の雪華の元へ駆けつけると、そこは氷点下の世界に変貌していた。
氷獄核が活性化している。
早く止めないと。


 ジルコニアを着用し、雪華のコックピットに入る。
ジルコニアを着ていれば、凍死することはない。
 雪華はモーションコントロールシステムを採用しているため、コックピットは広く作られている。
少し狭いけど、ジルコニア着用時でも乗り込むことが可能だ。


 雪華の制御システムにアクセスし、氷獄核のコントロールシステムに接続する。
システムは正常に動いている。しかし、氷獄核は想定を上回る冷却力を生み出していた。
 パラメータを変更し、氷獄核の制御を試みる。
試行錯誤すること約一時間、ようやく氷獄核の暴走を止めることができた。


「なんで活性化したんだろう?」

 止めることには成功したものの、暴走した原因は不明。
こんな風に暴走したのは初めて。本当に謎が多い物質だ。
 やっぱり氷獄核は危険性が高い。
処分したい気持ちも若干残ってるけど、その方法がない。
二度とこんなことが起こらないように完璧な制御法を見つけ出す必要がある。
 

 今回の暴走で氷獄核のコントロール法が見えてきた気がする。

【見つけた】
「えっ?」

 何処からか女性の声が聞こえたような。
ジルコニアのログを確認したが、声なんて記録されていなかった。

「気のせいか」

 そんなことよりも制御システムの改良が優先だ。
今回の暴走データを基に、システムを再調整。
 とりあえず、今できるのはこれぐらいしかない。
ハード面の新たな断熱手段の確保はベース22でするしかなさそうだ。


 マルヴェさんとアウラさんには食堂で待ってもらっている。
二人は食堂でウラノスの料理に舌鼓を打っていた。

「お待たせしました」
「待ってないよ~。で、何があったの?」
「ちょっとしたトラブルですから、気にしなくていいですよ」

雪華、氷獄核の事がバレたらまずい。ここは内緒にしておく。


「ふーん。開発した危険物質が暴走したのがちょっとしたトラブルなんだ」
「何でそれを!?」
「ユラちゃんから教えてもらいました」
「ユラさん!」

 同席しているユラさんに目を向ける。
二人が仲が良いのは知っている。アウラさんに秘密するまでではないけど、何もチクることはないだろう。

「最近、あたしたちの説教に慣れてきてるじゃない?ちゃんと怒られろ」
「ユラちゃんを怒らないの。さて、スワロ君、お説教の時間です」

 逃げようとしたが、食堂の出入り口はアローさんに塞がれていた。


 コワかったです。
もう怒られたくないです。
 アウラさんの怖さはユラさんとアローさんとは比べ物にならなかった。
彼女は宇宙船の艦長を務めあげている。
その若さからは信じられないほどの貫禄があった。


「それにしても凄い偶然ですね」
「そうね~」

 まさか、彼女たちとコスモス・リバイブで遭遇するとは思っていなかった。

「偶然じゃないですよ」

 アウラさんは偶然で片付けようとしたが、マルヴェさんはそれを否定した。


 マルヴェさんによると、アウラさんは僕らに会うために張り込んでいたそうだ。
僕らがコスモス・リバイブをプレイしているのはユラさん経由で洩れていた。
 彼女たち二人だけでなく、フォード副艦長ともう一人いるらしい。
なんか物凄い人が付いてきてそう。
……まさか、提督じゃないよね?


 この駅をピンポイントで張り込めたのはコネコが原因だ。
ダァンで彼と深い関りがあるこの駅で張っていたらしい。
そりゃ、遭遇するわけだ。

「なんでそんなことを?」
「未来の同僚との交流じゃダメかしら?」
「駄目じゃないですけど」

 僕は別に構わない。
でも、一部がガチガチに緊張していた。
 パッション君も酷いが、一番酷いのはおっさんだった。 
緊張しすぎて、過呼吸みたいになっている。
有名人だから緊張するは分かるけど、あなたは既婚者でしょ。
他の女性にデレデレしているようなら、奥さんに密告するよ。
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