672 / 816
星海から訪れる侵略者
人を超えし
しおりを挟む
「周辺の地図を出してくれ」
モニターに周辺の地図を表示する。
「ここだ」「ここだよ」「ここね」
ボナさんとアウラさん、ヴェルリーナさんの声が重なる。
指し示す場所も同じだった。
「知ってたんですか?だったら、早く言ってくださいよ」
「知らん。だが、地図を見れば分かるさ」
「地図を?」
地図を細かく見るが、どこにもそれらしきものは写ってない。
「地形を見てるのよ」
「地形を?」
「人の手が加わったのなら、必ずその形跡が残っている。どれだけ隠そうとしても完全に消し去ることはできん。我々はそれを見てるんだよ」
基地局の大部分は地中に埋まっている。
適当に探していたら、見つからなかっただろう。
回線への侵入のためにマイグラントを着陸させない。
人間の代わりにシーカーズ一機を射出。
無人基地局に取り付かせる。
「おっと、危ない危ない」
基地局には警報装置が設置されていた。
部外者が基地局にアクセスすると、警備軍に連絡が行く仕組みになっている。
人を呼ばれると面倒なので、回線にアクセスする前に警報を切っておく。
秘匿回線なので、暗号化が施されていた。
でも、一番手間が掛かる侵入は成功してる。暗号化解除などすぐに終わる。
マイグラントには設備が揃っているから楽勝だ。
パッパッと解除し、通信を開始する。
通信相手は大陸中央部にいる誰か。
セントラルステーション周辺の基地局を経由し、周囲の通信機へ無作為に送る。
『こちら調査隊。どちら様でしょうか?』
すぐに通信相手は見つかった。
良かった。まだ無事みたいだ。
Zが彼らを襲撃する前に撤退させないと。上手く説得できればいいけど。
「今すぐそこか、ぐわぁ!」
言葉を続けることはできなかった。
口を塞がれたからだ。
犯人はマルヴェちゃんだった。
そのまま通信機から引き剥がされた。
僕の代わりにヴェルリーナさんが席に着く。
「こちら警備軍ブルローネコスタ支部、定時連絡をよろしくお願いします」
何食わぬ顔で通信を引き継いでいた。顔や声に全く動揺が見られない。
「一体どうして!?」
「シッ。声が大きい。聞かれる」
注意されてしまった。今度は声が乗らないように小声で問いただす。
「アウラさんからの指示」
アウラさんに視線を向ける。
「あの通信、おかしくない?だって、私たちは無断で繋げてるんだよ。咎めることないし、怪しんでもいないなんて変でしょ」
言われてみればそうかも。
なら、通信相手は何者なんだろう?
「あのちょっといいかな?」
口を挟まずに、事態を見守っていたリコリスさんが手を挙げる。
「どうしたの?」
「声にちょっと違和感があるの」
僕をはじめ、他の人間も違和感を感じていない。
だけど、凡人の聴力が幾つ揃ってもリコリスさんの聴力の足元にも及ばない。
「リコちゃん、解析お願いできる?」
「ラジャー!メービ君も手伝って」
声については音の専門家二人に任せる。
「スワロ君、逆探知お願い。できるよね?」
「当然です」
大陸中央部からの通信だということは判明しているが、正確な場所は分からない。
正確な場所が判明すれば、通信相手が誰か分かるかも。
その間、ヴェルリーナさんは通信を続けていた。
逆探知のために会話を長引かせているわけじゃない。
そんな大昔の刑事ドラマじゃあるまいし。
彼女が通信を続けているのは、情報を引き出すためだ。
「逆探知終わりました!」
「どこから?」
「えっと、場所は…………セントラルステーションから?」
ヴェルリーナさんは小さく首を横に振った。
通信で引き出した情報と矛盾しているらしい。
「これ合成音声です」
リコリスさんたちの方の解析が終わった。
もはやこの通信に信頼性など存在しない。悪戯じゃない。手が込みすぎている。
「スワロ君、どう思う?Zの仕業かな」
「……その可能性があってもおかしくないと思います」
ズールの能力は人間を遥かに凌駕する。
パワードアーマーを取り込み、自身の力にする能があった。
通信機を使いこなし、偽装工作ができるようになっていてもおかしくない。
もし本当にZだとしたら、Zはズール以上に進化してる。
人間以上の生物だ。
今度こそ本物の警備軍に繋げないと。
セントラルステーションの物を除外。
別の通信相手を探す。
しかし、中々見つからない。
おそらくセントラルステーションから妨害されているんだろう。
●●●お知らせ●●●
Twitchにて作業配信を行っています。
IDは「hirahara09」です。フォローお願いします。目標は50人。あと21人です!
Twitch良いとこ楽しいとこ。おいでませ。
ファンタジー小説大賞が始まりました。
コスモス・リバイブ・オンラインへの投票を何卒宜しくお願い致します。
モニターに周辺の地図を表示する。
「ここだ」「ここだよ」「ここね」
ボナさんとアウラさん、ヴェルリーナさんの声が重なる。
指し示す場所も同じだった。
「知ってたんですか?だったら、早く言ってくださいよ」
「知らん。だが、地図を見れば分かるさ」
「地図を?」
地図を細かく見るが、どこにもそれらしきものは写ってない。
「地形を見てるのよ」
「地形を?」
「人の手が加わったのなら、必ずその形跡が残っている。どれだけ隠そうとしても完全に消し去ることはできん。我々はそれを見てるんだよ」
基地局の大部分は地中に埋まっている。
適当に探していたら、見つからなかっただろう。
回線への侵入のためにマイグラントを着陸させない。
人間の代わりにシーカーズ一機を射出。
無人基地局に取り付かせる。
「おっと、危ない危ない」
基地局には警報装置が設置されていた。
部外者が基地局にアクセスすると、警備軍に連絡が行く仕組みになっている。
人を呼ばれると面倒なので、回線にアクセスする前に警報を切っておく。
秘匿回線なので、暗号化が施されていた。
でも、一番手間が掛かる侵入は成功してる。暗号化解除などすぐに終わる。
マイグラントには設備が揃っているから楽勝だ。
パッパッと解除し、通信を開始する。
通信相手は大陸中央部にいる誰か。
セントラルステーション周辺の基地局を経由し、周囲の通信機へ無作為に送る。
『こちら調査隊。どちら様でしょうか?』
すぐに通信相手は見つかった。
良かった。まだ無事みたいだ。
Zが彼らを襲撃する前に撤退させないと。上手く説得できればいいけど。
「今すぐそこか、ぐわぁ!」
言葉を続けることはできなかった。
口を塞がれたからだ。
犯人はマルヴェちゃんだった。
そのまま通信機から引き剥がされた。
僕の代わりにヴェルリーナさんが席に着く。
「こちら警備軍ブルローネコスタ支部、定時連絡をよろしくお願いします」
何食わぬ顔で通信を引き継いでいた。顔や声に全く動揺が見られない。
「一体どうして!?」
「シッ。声が大きい。聞かれる」
注意されてしまった。今度は声が乗らないように小声で問いただす。
「アウラさんからの指示」
アウラさんに視線を向ける。
「あの通信、おかしくない?だって、私たちは無断で繋げてるんだよ。咎めることないし、怪しんでもいないなんて変でしょ」
言われてみればそうかも。
なら、通信相手は何者なんだろう?
「あのちょっといいかな?」
口を挟まずに、事態を見守っていたリコリスさんが手を挙げる。
「どうしたの?」
「声にちょっと違和感があるの」
僕をはじめ、他の人間も違和感を感じていない。
だけど、凡人の聴力が幾つ揃ってもリコリスさんの聴力の足元にも及ばない。
「リコちゃん、解析お願いできる?」
「ラジャー!メービ君も手伝って」
声については音の専門家二人に任せる。
「スワロ君、逆探知お願い。できるよね?」
「当然です」
大陸中央部からの通信だということは判明しているが、正確な場所は分からない。
正確な場所が判明すれば、通信相手が誰か分かるかも。
その間、ヴェルリーナさんは通信を続けていた。
逆探知のために会話を長引かせているわけじゃない。
そんな大昔の刑事ドラマじゃあるまいし。
彼女が通信を続けているのは、情報を引き出すためだ。
「逆探知終わりました!」
「どこから?」
「えっと、場所は…………セントラルステーションから?」
ヴェルリーナさんは小さく首を横に振った。
通信で引き出した情報と矛盾しているらしい。
「これ合成音声です」
リコリスさんたちの方の解析が終わった。
もはやこの通信に信頼性など存在しない。悪戯じゃない。手が込みすぎている。
「スワロ君、どう思う?Zの仕業かな」
「……その可能性があってもおかしくないと思います」
ズールの能力は人間を遥かに凌駕する。
パワードアーマーを取り込み、自身の力にする能があった。
通信機を使いこなし、偽装工作ができるようになっていてもおかしくない。
もし本当にZだとしたら、Zはズール以上に進化してる。
人間以上の生物だ。
今度こそ本物の警備軍に繋げないと。
セントラルステーションの物を除外。
別の通信相手を探す。
しかし、中々見つからない。
おそらくセントラルステーションから妨害されているんだろう。
●●●お知らせ●●●
Twitchにて作業配信を行っています。
IDは「hirahara09」です。フォローお願いします。目標は50人。あと21人です!
Twitch良いとこ楽しいとこ。おいでませ。
ファンタジー小説大賞が始まりました。
コスモス・リバイブ・オンラインへの投票を何卒宜しくお願い致します。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2,342
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる