神様project・異世界もチートも欲しくない！ 欲しいのは女神様だけ！！

水曜神の自虐な愛【１９話～２８話】

冷たき温もりを感じて！！

   ――アイスクリーム言えどもしっとり……。

   冷たくてひんやりしているのにスプーンはゆっくりと沈むほど柔らかくて、くちどけのよい今までに食べたこともない美味しさのアイスクリームであった。

 「うぁっー……きたきたぁっ！」

   冷たくて濃厚でまろやかな味わいは冷たき刺激として脳を刺激する。
   俗に言うアイスクリーム頭痛と言うもので苦笑いしながら頭痛を体感し、その美味しさに微笑む。

 「はむ……はむ、美味しいですー！」

   そんな頭痛をものともせずあっという間に完食するのは恵麻。
   それとも頭痛が無いのだろうか？
   どちらにせよ美味しいものを食べたときの笑顔は可愛らしく、見ているだけで翠はドキドキしてしまう。

 「え、恵麻の笑顔って可愛いよね。」

 「え……？ か、可愛いなんて冗談は……。 それに私なんて可愛くも……ひゃわぁっ！？」

   恵麻は本気で自分のことに自信を持ってないのが心の繋がりでわかる。
   智美の血液を舐めとったあの時から……。
   七曜神の心の感情がリンクし流れ込んでくる。

 「恵麻は世界で一番可愛いんだ。 自分に自信を持て。」

   翠は恵麻が自分を可愛くないと、自分で自分を傷つけ認めようとしない。
   自分で自分を可愛いと言うのも嫌なのだが、翠には許せないものがあってとっさに恵麻を抱きしめてしまう。

 「翠……さん……。」

 「お願いだ……。 自分で自分を責めないでくれ。 悲しくなるんだ。」

   まるで自分の心の一部が壊れていくのを阻止するかのように。
   すべてを守るために恵麻を抱きしめる。



















   ――静かな時間が一分は続く……。

   お互いの心が落ち着いたのか翠は恵麻を解放してあげる。
   軽く頭をなでて、恵麻が好きだと言う事を行動で表す。

 「恵麻は可愛いけどマイナス思考に陥りがちだ。 お仕置きしてやらないと。 んっ……。」

   翠はにんまり笑ってもう一度、今度は恵麻を強く抱きしめる。
   そしてお仕置きのキスを……。

 「ちょっ、んぅっ……あ……んちゅ……。」

   いやらしい舌と舌が絡み合う音が台所に響き渡り、屋根に滴り落ちる雨音がその二人の音を書き消してくれる。
   バニラの香りと味のする甘い甘いキスが二人を繋ぎ、二人だけの静寂な空間が作り出される。
   恵麻の舌や体は冷たくも、火照ってきた翠の熱で頬は青色の髪の毛とは対照に紅く染まっていくのであった。