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土曜神の静寂な愛【50話~60話】
無言の視線!!
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――カゴを背負って準備は万端。
いつも通り街の空き缶やゴミ拾いに励もうと縁側から靴を履いて出発しようとする翠。
桃子は筆談ボードに可愛らしい字で【いってらっしゃい】の文字を書く。
元より彼女は歯磨きの最中なのだが、どこか物寂しそうに、けど何も考えていないかのように瞳の奥の焦点が合わさっていない。
「ありがとう。 行ってくるよ。」
頭を撫でてあげると頬を紅潮させるも無言で翠を見つめ上げる。
ぽーっと放心したような吸い込まれる瞳には感情が込められている気がするも、善行を積まなくちゃいけないため今度こそ靴を履いては街まで繰り出すのだ。
――いつもと変わらぬ街並……。
茶髪の髪の群れに一際目立つは黒髪の青年だが、別に誰も気にする人はいない。
考えてみればここには女神様を入れれば赤や青なんて非常識な髪の色もあるのだから別に変な目で見られる心配もない。
「見れば見るほど大きな街だなぁ……。 遠くには森が見えるけどその先は何があるんだろ?」
ここの街の外にも興味があるのか、昨日は建物の高い場所から眺めた景色を思い出す。
街並みが広がっているのに、遠くには森で囲まれていてその先はわからないのだ。
「となると、駅周辺を今日は掃除してみようか。 ついでに切符とか見れたら向こうの土地が知れるしお金と時間があれば行けるかもしれない。」
そう思うと駅の方へと歩き出す。
幸いにも駅の場所はわかるので苦労はしないが、やはり東京の街並みに匹敵するこの街は興味の尽きない場所であり、たまに立ち止まっては気を取られてしまうことも少なくはなく、駅に付いたのは正午辺りであった。
「うわっ、すごい。 やっぱり人だかりは多いな。」
やっとのことで駅前の公園に到着した翠だが、田舎出身の翠にはこんな大規模な駅は見たことがなかったのでかなり大興奮の様子。
ゴミ拾いをしたいが、こんな人だかりでも空き缶やペットボトルにタバコの吸い殻がほぼ落ちていないことに気がつく。
ゴミが落ちていないことに悲しいのか、駅周辺がキレイで嬉しいのかわからないけど、駅を散策したくなったのか、駅のコインロッカーに百円とカゴ入れてロックし、今は駅のホームの散策をすることに。
「平日のお昼だというのにこの人の密度は尋常じゃない。」
人だかりに揉まれる翠はこんな駅も悪くはないと思うと、少し入っただけで入り口に戻れなくなるほど混んできた。
引き返したくもお客さんは券売機へと押し寄せる人の津波となって、翠はちょっと焦っていた。
いつも通り街の空き缶やゴミ拾いに励もうと縁側から靴を履いて出発しようとする翠。
桃子は筆談ボードに可愛らしい字で【いってらっしゃい】の文字を書く。
元より彼女は歯磨きの最中なのだが、どこか物寂しそうに、けど何も考えていないかのように瞳の奥の焦点が合わさっていない。
「ありがとう。 行ってくるよ。」
頭を撫でてあげると頬を紅潮させるも無言で翠を見つめ上げる。
ぽーっと放心したような吸い込まれる瞳には感情が込められている気がするも、善行を積まなくちゃいけないため今度こそ靴を履いては街まで繰り出すのだ。
――いつもと変わらぬ街並……。
茶髪の髪の群れに一際目立つは黒髪の青年だが、別に誰も気にする人はいない。
考えてみればここには女神様を入れれば赤や青なんて非常識な髪の色もあるのだから別に変な目で見られる心配もない。
「見れば見るほど大きな街だなぁ……。 遠くには森が見えるけどその先は何があるんだろ?」
ここの街の外にも興味があるのか、昨日は建物の高い場所から眺めた景色を思い出す。
街並みが広がっているのに、遠くには森で囲まれていてその先はわからないのだ。
「となると、駅周辺を今日は掃除してみようか。 ついでに切符とか見れたら向こうの土地が知れるしお金と時間があれば行けるかもしれない。」
そう思うと駅の方へと歩き出す。
幸いにも駅の場所はわかるので苦労はしないが、やはり東京の街並みに匹敵するこの街は興味の尽きない場所であり、たまに立ち止まっては気を取られてしまうことも少なくはなく、駅に付いたのは正午辺りであった。
「うわっ、すごい。 やっぱり人だかりは多いな。」
やっとのことで駅前の公園に到着した翠だが、田舎出身の翠にはこんな大規模な駅は見たことがなかったのでかなり大興奮の様子。
ゴミ拾いをしたいが、こんな人だかりでも空き缶やペットボトルにタバコの吸い殻がほぼ落ちていないことに気がつく。
ゴミが落ちていないことに悲しいのか、駅周辺がキレイで嬉しいのかわからないけど、駅を散策したくなったのか、駅のコインロッカーに百円とカゴ入れてロックし、今は駅のホームの散策をすることに。
「平日のお昼だというのにこの人の密度は尋常じゃない。」
人だかりに揉まれる翠はこんな駅も悪くはないと思うと、少し入っただけで入り口に戻れなくなるほど混んできた。
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