神様project・異世界もチートも欲しくない！ 欲しいのは女神様だけ！！

七曜神の独尊な愛＋火曜【８７話～１２６話【～１４０話】

苦々なる末路！！

   ――アレンジがさらにアレンジ……。

   卵焼きを作ろうとしたのではなかったのかと、その残骸を見つめるも巻かさってないこの料理はいったい何だろうかと問われても、翠には訳のわからないアレンジ料理が出来たとしか言いようがない。
   卵焼きが失敗し、ホウレン草入りの炒り卵となってしまった。

 「まぁ、失敗は成功の母って言うからな。 そう、元々は炒り卵が作りたかったという思想を持てば充分な出来映え……。 うーん、バターを多目に使ったからふんわりでマイルドで、うん……美味しい！」

   味見をしたのだがここで欲しくなるものはご飯である。
   しかし、気が付けばおかずは作ったのに肝心なご飯が炊けてないというのは大失態。
   急いで釜を取り出しては二合ほど米を入れ、手際よく磨ぎだす。

 「くっ、料理は難しい……。 時間を有効活用というのはまさにこの事か。」

   手際はよくても米の磨ぎは荒々しく、焦っていたせいか強く力を入れすぎて多少粉々に砕けてしまう。
   しかし、時間があまり無いためそんなこと気にせず、まだ磨ぎ汁が白濁しているのにも関わらずに炊飯器にセットしては早炊きのボタンを押してごまかす。
   三十分少々で出来るみたいだが、六時を若干過ぎた頃であり、いつもは六時半には女神様は朝御飯を作り出すために、間に合うか間に合わないかはギリギリといったところ。

 「次は味噌汁だっ！！ これはお湯と味噌を使うだけで充分イケる！！」

   翠はネギとなめこのパック、そして味噌を取り出しては急いで鍋に水を入れては準備する。
   ご飯を作るのがこんなにも頭を使うなどと思ってもいなかった翠は改めて実感するのである。



















   ――急いで沸かすこと三分……。

   お湯が沸騰して湯気が立ち込める中で翠はなにかを思いだし、火を弱める。

 「おっと、煮立てすぎると味噌汁は濃くなるんだっけ。 味噌は入れてないけど一旦冷ましておけばいいかな？」

   あいにくIHではないなため、コックを捻っては火加減陽調整してとろ火にする。
   少しは学んだことがあるのか、お湯が沸く時間を利用してはネギを切ったりと準備は万端である。

 「さて、味噌を入れるぜ！！ えーと……これくらいか？」

   スプーンで掬っては味噌の塊をお湯が跳ねないようにゆっくり入れ、お玉でかき回す。
   そこにネギやなめこを投入すれば美味しそうな味噌汁の出来上がりであり、翠もご満足そうに味見をしては、初めて誰かに作る味噌汁に心と体がジーンと暖まっていた。