神様project・異世界もチートも欲しくない! 欲しいのは女神様だけ!!

青衣

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七曜神の独尊な愛+火曜【87話~126話【~140話】

境界の揺めき!!

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   ――微睡みの中に……。

   無意識の空間と思えるような虹色に揺らめく空間は翠を元の世界へと誘ってくれるようで、思念体のような翠は自身が真っ裸だとは認識はできるもののベルトコンベアーのように流されてゆく。
   複数の少女の笑い声が聴こえてきて、聞くだけで心が癒されてくる感覚は心地良い。

 「あぁ……俺はもう帰るんだな、思えば何ヵ月も滞在してたように思えるよ。」

   心の中の声すら声に出てしまうような楽しさであり、翠の桃源郷のような場所。
   可愛い女神様達が翠を男にしてくれた安らぎの世界は、女神様達の償いをのために用意してくれたのじゃないかと。

 「不思議だな、雷で死ななきゃここに来なかったから……案外運が良かったのかもしれないな。」

   四百万分の一の確率を不幸とはとらえずに幸運と思えばそう思えてくる。
   
 「俺は幸せだったさ……そう、何も死んだことは無意味じゃなかった。」

   翠は満足そうに瞳を閉じると体は空間の奥へと運ばれて、元から朧気な思考すら蕩けて霧のようになる感覚を覚える。
   不思議と心地よく、液状になるような感覚に身を委ねながら翠は微睡みから深い睡眠へと落っこちてゆくのであった。



















   ――衝撃波が走ったような気がした……。

   立ちくらみのように真っ白ながらもベチンと床に叩きつけられるような感覚が体に伝わり、それが痛みとなっては翠は意識が朦朧ながらも目の前を見つめる。
   腕で何らかの受け身を取ったためか軽くアスファルトで擦りむいてヒリヒリし、血が滲んではその腕や体の上に大粒の雨がビチャビチャと降りしきっている。

 「痛って……てて。 ん……何が起きたんだっけ?」

   ポリポリと頭を掻きながらむっくりと立ち上がると、後ろから声と衝撃が背中に伝わってくるのがわかる。

 「大丈夫か!? 光った瞬間に落ちたみたいだが、案外この辺りに落ちたんじゃ……。」

   下校中の友達が青い顔をしながら空を見つめては直撃しないか不安そうに言う。

 「って、翠!? だ……大丈夫かよ、制服が……まさか!?」

   灯台もと暗しとはこの事だろうか、気が付けは制服は焦げたりボロボロになっていて、指摘されるまで気が付かなかったようだ。

 「うぉおっ!? 直撃したみたい……だな。」

 「大丈夫か!? 体は問題ないか?」

   一応腕を巻くって見たりしたが火傷のような傷跡は一切なく、奇跡に近いようなものである。
   友達がとても驚いたようにしているのも無理はないだろうが。

 「ヤバイな……速めに帰って家族に相談するかな。 制服は一着しかないし、明日来れなくなりそうだし。」

   本来は病院へ行かなきゃならないようなものの、パニクってる友達にはその提案があっさりと受け入れられてしまったがゆえにすんなりと家路に着くことができた。
   何やら不思議と疲れがどっと押し寄せては凄まじい眠気が襲ってくるも、翠は堪えながら部屋に戻って制服を脱ぎ捨ててはパンツ一丁のまま大の字にベッドに倒れては睡眠につくのであった。
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