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後日談
その後の展開!!
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――儚き物語に終止符を……。
あのあとはいろいろあって病院の診察を受けたり、制服を新しくしたりと忙しかったようで翠にとっては良い思い出となりつつある。
幸いあの落雷では命に別状はなく、助かったことが奇跡に等しいくらいのようなものだが、あの日から体の中に不思議と今までに感じたことのない力が渦巻いて巣いるが手にとってわかる。
もしかして、あの女神様と同様にだが微弱ながらも力がこちらの世界でも使えるようになった……のかは不明だが、そう思いたい。
「まぁ、魔法は出ないけど……エネルギーみたいなのは渦巻いてるのはわかる……か。」
翠は朝のホームルームの前の自由時間、椅子に座りながら自身の手を見つめてはグーパーを繰り返して、手に伝わるエネルギーを感じている。
「それにしても、あれは夢だったのかねぇ。」
落雷の影響で端末のデーターは全て吹っ飛んだ為に、思い出も結愛との動画すらも残ってはいない。
それに自分が童貞なのかすらわからなくなってきたのだし、もし夢だったら何もかも泡沫なのである。
「あの御守りもどこにも見当たらなかったし、きっと夢だったんだよ……。 そうだよ、俺にあんな素敵な女神様と……はぁ、やれやれ。」
現実に戻ればこの有り様であり、あのとき戻りたくないと言えばあの幸せが永遠に続いてると思うと後悔する気持ちも大きい。
どうにも納得いかない翠。
「よぉ、何か考え事か?」
一番後ろの席の窓側の翠にとっては、ひとつ手前の席の友人とは良き話し相手であり、右のとなりは現在フリースペースなのだから物寂しい。
「ん? まぁな。」
「ははーん、さては……?」
友人はニヤニヤと感づいたのか腹黒い笑みで近寄ってくるも、もちろん考え事は察せられていたみたいで、どうせ友人も彼女無しなのだから彼女探しの話題とか、女性についての事には勘が鋭い。
「勘がいつも鋭い……そうだよ、その通り。」
友人はビンゴと思い指を鳴らすも何か思い付いたかのように顔を近づけては耳を貸すように口許に手を当てて防音壁を作る。
どうせろくな話でもなければエロトークしか無いのだから聞き流そうと思いながらも耳を傾ける。
「今日は転校生が来るみたいだ、しかも女子! 席は翠の隣で決まりだろうよ。」
「そうかそうか、そりゃ良かったなぁ。」
本来の翠にとっては有益で嬉しい情報に違いはなかったのかと知れないが、あいにく女神様が翠の彼女であるため、あれがもし夢であったとしても浮気は出来ないと心に誓う。
しかし、友人は面白くない様子。
「なんだよ、食い付き悪いなー……俺が貰っちゃうぞ?」
「俺のじゃないし……欲しければ自由にどうぞ。 あいにく俺には居るのでね。」
小指をおっ立てては勝ち誇った様子で友人にニヤニヤと笑い返す。
友人もいつの間にと思い、悔しそうながらも納得はいかない。
そう考えてると教室の扉がガラリと音を立てて開き、先生が入ってくる。
――この気持ちは……。
騒いでる生徒には一喝を浴びせる先生。
「ほらー、静かにしろ……ホームルームを始めるぞ……っと。」
出席名簿をめくりながら教卓に手をつくも、いつもと違う雰囲気が漂う。
友人が情報をくれなきゃ、この雰囲気が何を言うのかはわからなかっただろう。
「あー、今日から転校生が入るぞ……ほら、入ってきなさい。」
すると、クラス中に歓声が広がるもまたもや先生が静かにするように一喝。
嬉しいものは仕方がないが、静かにするのが当たり前なものであり、翠も内心は転校生を期待しているのだとか。
「おおっ、可愛いじゃないかっ!」
茶髪でロングな髪の少女は翠をもドキッとさせる外見で、その瞬間心がギュッと潰されるような感覚に陥る。
ドキドキが止まらない……、それはこのクラスの男子全員がそう思うのではないだろうか。
「え、えーと……私は【深城 海凛】と言います、よろしくお願いいたします。」
彼女は一礼した。
「じゃぁ、深城の席は色取りの席の隣だ。 一番後ろの窓側だ。」
当然のことながらクラスの一同は翠を見つめる。
羨ましがるものもいるだろうが、そんな視線が心地よくもあるのは気のせいではないだろう。
そんな優越感に浸っていると隣の席に彼女は座るとニッコリ微笑んでは挨拶をする。
その瞬間、あの時と同じように雷に打たれた感覚が体をよじ登りゾクゾクしてきては、挨拶を返す。
「あ、あぁ……どうも。」
「よろしくね!」
彼女の笑顔は初対面なのにどこか懐かしい気持ちになる。
そこかで会った事があるかと記憶の整理をしてみてもやはり思い出せない。
モヤモヤする気持ちが激しいなか、授業は幕を開けるのであった。
あのあとはいろいろあって病院の診察を受けたり、制服を新しくしたりと忙しかったようで翠にとっては良い思い出となりつつある。
幸いあの落雷では命に別状はなく、助かったことが奇跡に等しいくらいのようなものだが、あの日から体の中に不思議と今までに感じたことのない力が渦巻いて巣いるが手にとってわかる。
もしかして、あの女神様と同様にだが微弱ながらも力がこちらの世界でも使えるようになった……のかは不明だが、そう思いたい。
「まぁ、魔法は出ないけど……エネルギーみたいなのは渦巻いてるのはわかる……か。」
翠は朝のホームルームの前の自由時間、椅子に座りながら自身の手を見つめてはグーパーを繰り返して、手に伝わるエネルギーを感じている。
「それにしても、あれは夢だったのかねぇ。」
落雷の影響で端末のデーターは全て吹っ飛んだ為に、思い出も結愛との動画すらも残ってはいない。
それに自分が童貞なのかすらわからなくなってきたのだし、もし夢だったら何もかも泡沫なのである。
「あの御守りもどこにも見当たらなかったし、きっと夢だったんだよ……。 そうだよ、俺にあんな素敵な女神様と……はぁ、やれやれ。」
現実に戻ればこの有り様であり、あのとき戻りたくないと言えばあの幸せが永遠に続いてると思うと後悔する気持ちも大きい。
どうにも納得いかない翠。
「よぉ、何か考え事か?」
一番後ろの席の窓側の翠にとっては、ひとつ手前の席の友人とは良き話し相手であり、右のとなりは現在フリースペースなのだから物寂しい。
「ん? まぁな。」
「ははーん、さては……?」
友人はニヤニヤと感づいたのか腹黒い笑みで近寄ってくるも、もちろん考え事は察せられていたみたいで、どうせ友人も彼女無しなのだから彼女探しの話題とか、女性についての事には勘が鋭い。
「勘がいつも鋭い……そうだよ、その通り。」
友人はビンゴと思い指を鳴らすも何か思い付いたかのように顔を近づけては耳を貸すように口許に手を当てて防音壁を作る。
どうせろくな話でもなければエロトークしか無いのだから聞き流そうと思いながらも耳を傾ける。
「今日は転校生が来るみたいだ、しかも女子! 席は翠の隣で決まりだろうよ。」
「そうかそうか、そりゃ良かったなぁ。」
本来の翠にとっては有益で嬉しい情報に違いはなかったのかと知れないが、あいにく女神様が翠の彼女であるため、あれがもし夢であったとしても浮気は出来ないと心に誓う。
しかし、友人は面白くない様子。
「なんだよ、食い付き悪いなー……俺が貰っちゃうぞ?」
「俺のじゃないし……欲しければ自由にどうぞ。 あいにく俺には居るのでね。」
小指をおっ立てては勝ち誇った様子で友人にニヤニヤと笑い返す。
友人もいつの間にと思い、悔しそうながらも納得はいかない。
そう考えてると教室の扉がガラリと音を立てて開き、先生が入ってくる。
――この気持ちは……。
騒いでる生徒には一喝を浴びせる先生。
「ほらー、静かにしろ……ホームルームを始めるぞ……っと。」
出席名簿をめくりながら教卓に手をつくも、いつもと違う雰囲気が漂う。
友人が情報をくれなきゃ、この雰囲気が何を言うのかはわからなかっただろう。
「あー、今日から転校生が入るぞ……ほら、入ってきなさい。」
すると、クラス中に歓声が広がるもまたもや先生が静かにするように一喝。
嬉しいものは仕方がないが、静かにするのが当たり前なものであり、翠も内心は転校生を期待しているのだとか。
「おおっ、可愛いじゃないかっ!」
茶髪でロングな髪の少女は翠をもドキッとさせる外見で、その瞬間心がギュッと潰されるような感覚に陥る。
ドキドキが止まらない……、それはこのクラスの男子全員がそう思うのではないだろうか。
「え、えーと……私は【深城 海凛】と言います、よろしくお願いいたします。」
彼女は一礼した。
「じゃぁ、深城の席は色取りの席の隣だ。 一番後ろの窓側だ。」
当然のことながらクラスの一同は翠を見つめる。
羨ましがるものもいるだろうが、そんな視線が心地よくもあるのは気のせいではないだろう。
そんな優越感に浸っていると隣の席に彼女は座るとニッコリ微笑んでは挨拶をする。
その瞬間、あの時と同じように雷に打たれた感覚が体をよじ登りゾクゾクしてきては、挨拶を返す。
「あ、あぁ……どうも。」
「よろしくね!」
彼女の笑顔は初対面なのにどこか懐かしい気持ちになる。
そこかで会った事があるかと記憶の整理をしてみてもやはり思い出せない。
モヤモヤする気持ちが激しいなか、授業は幕を開けるのであった。
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