1 / 121
序章【ヒラメキから始まるお話】
島を有効活用してみよう
しおりを挟む
ここは七つの曜日を司る不思議な島、通称七刻大陸。
七曜神と呼ばれるとてつもなく偉くてさらにはワガママな女神様が特に何をするわけでもなく管理していた……島、じゃなくて大陸。
日曜を司る港、陽光港のカフェテラスで遥か彼方を移動するフェリーを見つめては何か唐突に指パッチンをし始めたではないか!!
頭に突き出た数字の7の形をしたアホ毛がピョッコピョッコと左右に動いては、その自信満々な笑みを浮かべる可愛らしい口から無理難題が飛び出した。
「そうよっ!! 私達の大陸も観光地としてお客さんにアピールすれば人気者になれちゃうかもしれないわっ!!」
我ながらすごく良いアイディア、思わず誰もがスタンディングオベーションをしてその策に脱帽する……という妄想が彼女には見えた。
ピンク色の髪をなびかせているのは七刻大陸を治める偉い女神様、【七曜神の若松 結愛】である。
「観光地……、ねぇ。」
空っぽになったジュースのストローをズゾゾゾっと音をたてながら興味無さそうに結愛の顔を見つめるのは、彼女の同一人物だが別人の【土曜神の角田 桃子】。
同一人物だが別人というのに引っ掛かるものだが、ここはしばらく我慢してほしい。
今話すとややこしくなって誰もが逃げ出しそうで怖いからだ。
「さっきから冥綾はパソコン越しに何をブツブツ言ってるの? ははーん、さては頭ぶつけてオカシクなったんでしょ!!」
うわぁ、人が必死に……、いや女神が必死にプランを設計してるときにバカ扱い発言をされると正直辞めたくなるこのプロジェクト。
投げ出したらなにも始まらないのでここは我慢するしかなさそうだが私は【冥曜神のめーりん】だ、キラキラネームに設定されてるから平仮名で表したが冥綾と書く。
認めたくはないが私という存在とて結愛と同一人物だが、こうして別人としての受肉と意思を持っている。
……つまりは、同一人物だが別人というのはそういうことだ。
なに? わからない?
わからなくてもいい、後でたくさんゲシュタルト崩壊するほど出てくるから嫌でも覚えささるさ。
「オカシクはなってない、観光客を取り入れるために他の世界にアクセスしてアドバイスを貰ってただけさ。」
正直いうと観光客を取り入れるのは非常にリスキーなことだ。
この大陸には海から見ると大陸に上がれないように不可視にしたり海域に入れなくする結界そのものが展開されており、外部から守られ平和は保たれている。
その結界を取りはずし客を招き入れるとなるとどうなるか……、平和ボケな住人しかいないこの大陸は外部の手によって繁栄をするか、あるいは破滅をするか。
その二択だ。
「とりあえず、アイツの所へ行ってみよう。」
急にそんな議題を出されても今すぐどうこうできる訳じゃない、ここは男手が必要だと思う。
港の改築から設備、この島の玄関口の整備は怠らずだ。
そうだろう?
玄関が汚ければ第一印象ですべてが台無し、上陸しようとも思わなければ他のエリアまで旅行したいという気分も無くなるわけだ。
……教訓というのは大切だ、メタ発言が過ぎるが第1話から滑り出してはアノお話の二の舞になってくれそうで怖いからな。
「というわけで、玄弥のところに行くのねっ!! けってーい、んじゃ冥綾お会計よろしくっ!!」
私が妄想にふけってる頃にはテラスの真下で、早くついてこいと言わんばかりの結愛と桃子。
これは貸しにしておいてやる、この大陸が大いに繁栄したらタップリと倍返しにしてもらわなきゃね。
私には不似合いなフフッという笑いが久々に出たような気がした。
さて、行くかな。
七曜神と呼ばれるとてつもなく偉くてさらにはワガママな女神様が特に何をするわけでもなく管理していた……島、じゃなくて大陸。
日曜を司る港、陽光港のカフェテラスで遥か彼方を移動するフェリーを見つめては何か唐突に指パッチンをし始めたではないか!!
頭に突き出た数字の7の形をしたアホ毛がピョッコピョッコと左右に動いては、その自信満々な笑みを浮かべる可愛らしい口から無理難題が飛び出した。
「そうよっ!! 私達の大陸も観光地としてお客さんにアピールすれば人気者になれちゃうかもしれないわっ!!」
我ながらすごく良いアイディア、思わず誰もがスタンディングオベーションをしてその策に脱帽する……という妄想が彼女には見えた。
ピンク色の髪をなびかせているのは七刻大陸を治める偉い女神様、【七曜神の若松 結愛】である。
「観光地……、ねぇ。」
空っぽになったジュースのストローをズゾゾゾっと音をたてながら興味無さそうに結愛の顔を見つめるのは、彼女の同一人物だが別人の【土曜神の角田 桃子】。
同一人物だが別人というのに引っ掛かるものだが、ここはしばらく我慢してほしい。
今話すとややこしくなって誰もが逃げ出しそうで怖いからだ。
「さっきから冥綾はパソコン越しに何をブツブツ言ってるの? ははーん、さては頭ぶつけてオカシクなったんでしょ!!」
うわぁ、人が必死に……、いや女神が必死にプランを設計してるときにバカ扱い発言をされると正直辞めたくなるこのプロジェクト。
投げ出したらなにも始まらないのでここは我慢するしかなさそうだが私は【冥曜神のめーりん】だ、キラキラネームに設定されてるから平仮名で表したが冥綾と書く。
認めたくはないが私という存在とて結愛と同一人物だが、こうして別人としての受肉と意思を持っている。
……つまりは、同一人物だが別人というのはそういうことだ。
なに? わからない?
わからなくてもいい、後でたくさんゲシュタルト崩壊するほど出てくるから嫌でも覚えささるさ。
「オカシクはなってない、観光客を取り入れるために他の世界にアクセスしてアドバイスを貰ってただけさ。」
正直いうと観光客を取り入れるのは非常にリスキーなことだ。
この大陸には海から見ると大陸に上がれないように不可視にしたり海域に入れなくする結界そのものが展開されており、外部から守られ平和は保たれている。
その結界を取りはずし客を招き入れるとなるとどうなるか……、平和ボケな住人しかいないこの大陸は外部の手によって繁栄をするか、あるいは破滅をするか。
その二択だ。
「とりあえず、アイツの所へ行ってみよう。」
急にそんな議題を出されても今すぐどうこうできる訳じゃない、ここは男手が必要だと思う。
港の改築から設備、この島の玄関口の整備は怠らずだ。
そうだろう?
玄関が汚ければ第一印象ですべてが台無し、上陸しようとも思わなければ他のエリアまで旅行したいという気分も無くなるわけだ。
……教訓というのは大切だ、メタ発言が過ぎるが第1話から滑り出してはアノお話の二の舞になってくれそうで怖いからな。
「というわけで、玄弥のところに行くのねっ!! けってーい、んじゃ冥綾お会計よろしくっ!!」
私が妄想にふけってる頃にはテラスの真下で、早くついてこいと言わんばかりの結愛と桃子。
これは貸しにしておいてやる、この大陸が大いに繁栄したらタップリと倍返しにしてもらわなきゃね。
私には不似合いなフフッという笑いが久々に出たような気がした。
さて、行くかな。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる