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第1章【日曜の港《陽光》】
1日の締め括りとご褒美デザート
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今日から始まった建設の仕事始めは何だかんだありつつも出だしは順調なんじゃないかと思えてきた。
作業員の人数が少ないながらも七刻の民の力を合わせれば当然のことだろう。
いや、実のところをいうの今のは私のこじつけだがまあ聞いて欲しい。
七刻には七つの地方の民が存在しているが、お互いに干渉というものをほとんど行わないらしく、したとしても1つの地方と仲良くするのが経済的にも限界があるのだと私は思う。
たとえば陽光なら風見と仲が良く、燎煉は岩動と……と言った姉妹同盟みたいなものだ。
もちろん光があれば闇があるようにお互い苦手とする地域もあり、陽光で例えるならまだ説明したことはないが金曜の都市【愛染】地方となる。
愛染は七刻で最も発達した先進の地方であるため1秒でも市場や大金が目まぐるしく動いているため、スローペースでのんびりとした雰囲気の常夏の陽光とは真逆と言えると思う。
現に天音の口調からすれば察しはつく。
あんなネットリとした催眠ボイスで眠気に誘われないハズがないしなぁ。
「デザートもあるの~、手作りのミルクプリンだよ?」
言ってる側からこの声だ。
っと、その前にデザートは頂かなくてはいけない。
天音が作るオヤツも万人の舌を肥やす魔性のお菓子他ならない、それを阻止するために私がこのミルクプリンを処分する義務がある。
そう、私の胃袋という名前の焼却炉に放り込まなくてはな。
「くっ、甘い誘惑と甘いバニラエッセンスのダブルコンボとは……天音、おそろしい女だ。」
「ふふふ~、美味しいよ~。」
……っ!!
舌の上で滑らかに踊るこの食感がたまらない。
1つ1つが小さいためかこれなら10個は余裕で食えそうだが後に太りそうで怖いからやめておこうか。
後悔は先に立てちゃいけないものだと知っているだろう?
そうでもしなきゃ人は抑制し、味っ毛のない人生で終わってしまうからな。
こんな美味しいものを目の前にして食べないわけがないって道理さ。
「ふむ、いいなコレ……主にもいつかは食べさせたいものだ。」
はしたないとわかっていながらもスプーンを口に加えたまま喫茶店から見える遠くを見つめる。
ボンヤリと遠くに見えるのは七刻でもかなり荒れ果てた場所、月曜の……荒野とか言ったかな、雷が多発するあまり行きたがらない場所だ。
誰も行きたがらないなら発展だって望めないのは当たり前だろう。
でも開拓を決めた以上はいつかはそこに赴くのだろうな。
とても頑固な私という存在が居ながらにして開拓の許可を得ることは果たして出来るのだろうか?
……ううん、拒否はさせないし納得させるしか私の気がすまない。
だって私はそういう女だからな。
頑固なヤツを屈服させるなんてやりがいがありそうだと思わないかね?
……フフッ、らしくない……らしくないが何となく嫌いじゃない。
「あ~ニヤニヤしてる? 美味しいのかな?」
おっと、見られていたか。
だが美味しくてニヤニヤしていたっておかしくはない。
「美味しいさ。 10個でもいけるわ。」
つい本音が出てしまったが良いだろう。
スイーツが好きで何が悪いんだって話になるしね。
「イッパイあるから自由に食べてねぇ~。」
冷蔵庫をパカッと開けると冷たい冷気と共に大量の……それこそまさに100個とか鎮座しているじゃないか。
さすがと言わざるべきだが、もう私はお腹イッパイだしこいつの声を聞くと眠くなる。
スイーツを食べて安眠ができる今日に感謝しつつも明日も頑張ろうじゃないか。
それじゃあ、また明日だ。
作業員の人数が少ないながらも七刻の民の力を合わせれば当然のことだろう。
いや、実のところをいうの今のは私のこじつけだがまあ聞いて欲しい。
七刻には七つの地方の民が存在しているが、お互いに干渉というものをほとんど行わないらしく、したとしても1つの地方と仲良くするのが経済的にも限界があるのだと私は思う。
たとえば陽光なら風見と仲が良く、燎煉は岩動と……と言った姉妹同盟みたいなものだ。
もちろん光があれば闇があるようにお互い苦手とする地域もあり、陽光で例えるならまだ説明したことはないが金曜の都市【愛染】地方となる。
愛染は七刻で最も発達した先進の地方であるため1秒でも市場や大金が目まぐるしく動いているため、スローペースでのんびりとした雰囲気の常夏の陽光とは真逆と言えると思う。
現に天音の口調からすれば察しはつく。
あんなネットリとした催眠ボイスで眠気に誘われないハズがないしなぁ。
「デザートもあるの~、手作りのミルクプリンだよ?」
言ってる側からこの声だ。
っと、その前にデザートは頂かなくてはいけない。
天音が作るオヤツも万人の舌を肥やす魔性のお菓子他ならない、それを阻止するために私がこのミルクプリンを処分する義務がある。
そう、私の胃袋という名前の焼却炉に放り込まなくてはな。
「くっ、甘い誘惑と甘いバニラエッセンスのダブルコンボとは……天音、おそろしい女だ。」
「ふふふ~、美味しいよ~。」
……っ!!
舌の上で滑らかに踊るこの食感がたまらない。
1つ1つが小さいためかこれなら10個は余裕で食えそうだが後に太りそうで怖いからやめておこうか。
後悔は先に立てちゃいけないものだと知っているだろう?
そうでもしなきゃ人は抑制し、味っ毛のない人生で終わってしまうからな。
こんな美味しいものを目の前にして食べないわけがないって道理さ。
「ふむ、いいなコレ……主にもいつかは食べさせたいものだ。」
はしたないとわかっていながらもスプーンを口に加えたまま喫茶店から見える遠くを見つめる。
ボンヤリと遠くに見えるのは七刻でもかなり荒れ果てた場所、月曜の……荒野とか言ったかな、雷が多発するあまり行きたがらない場所だ。
誰も行きたがらないなら発展だって望めないのは当たり前だろう。
でも開拓を決めた以上はいつかはそこに赴くのだろうな。
とても頑固な私という存在が居ながらにして開拓の許可を得ることは果たして出来るのだろうか?
……ううん、拒否はさせないし納得させるしか私の気がすまない。
だって私はそういう女だからな。
頑固なヤツを屈服させるなんてやりがいがありそうだと思わないかね?
……フフッ、らしくない……らしくないが何となく嫌いじゃない。
「あ~ニヤニヤしてる? 美味しいのかな?」
おっと、見られていたか。
だが美味しくてニヤニヤしていたっておかしくはない。
「美味しいさ。 10個でもいけるわ。」
つい本音が出てしまったが良いだろう。
スイーツが好きで何が悪いんだって話になるしね。
「イッパイあるから自由に食べてねぇ~。」
冷蔵庫をパカッと開けると冷たい冷気と共に大量の……それこそまさに100個とか鎮座しているじゃないか。
さすがと言わざるべきだが、もう私はお腹イッパイだしこいつの声を聞くと眠くなる。
スイーツを食べて安眠ができる今日に感謝しつつも明日も頑張ろうじゃないか。
それじゃあ、また明日だ。
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