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第二章・????
オタクっぽい?
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――少しだけの騒音に心地のよい目覚めはない。
浅葱は少しだけ聞こえる何かに夢から引きずられたような気がしてむっくりと布団から起き上がっては、寝ぼけた表情で辺りをキョロキョロと霞む視界で見渡した。
そこには揃物がテレビにイヤホンを繋ぎながらアニメを見ている姿があった。
「おう、浅葱……おはようだな。」
揃物は振り向きもせずにテレビに夢中である。
しかし面と面を向かってじゃない挨拶に心にモヤモヤがかかるも、見たいテレビを見ているときくらいこれくらいの気持ちははわからなくもない。
テレビの内容は女の子が戦う日曜の朝のあれの系統らしきものだ。
「いやー、今週の【巫女っ娘ふぁんたじー】はなかなかだな。」
「みこっこふぁんたじー……ねぇ。」
浅葱も女の子なればああいうのを見るのかと言うと別にそうでもなく、むしろ特撮のヒーローとかがお好みらしいのだが、男がああいう系統のアニメを見ると思うと、揃物も俗に言う大きなお友だちレベルで少しオタクっぽさを感じられる。
「うひょー、ミコちゃんは可愛いなぁ。 デュフフフ。」
「あぁ、ダメなタイプだこれ……。」
浅葱の朝の目覚めは最悪なものとなった。
ちなみに音の原因だが、ブラウン管のテレビであるため、電源をつけるとキーンと言う音が聞こえるらしく、その超音波のようなものが浅葱を目覚めさせたようだ。
――さっきとは打って変わって……。
あのオタクっぽさの溢れる表情も番組が終わればいつものキリッとした青年に逆戻りである。
「えぇー……。」
本人いわく、ある一種の興奮とトランスで表情の筋肉が変化してあのような表情になると言っていたが、そこまで人を変化させるなどと思うと、オタクというのも案外大変なものなのだと実感させられる。
とは言えど、浅葱には好きなアニメも熱中するものもないのでよくわからないのだが、好きなことがあるのはいいとこだと思いながら朝食を作る。
「あれ? 私は何か好きな趣味とかあったかな?」
思い出そうにも少しだけ死んで記憶が途切れたかのように思い出せない。
「端末があれば趣味のものとか思い出せたかな?」
そう言いながらも今日の朝食の具材をせっせと切りながら、揃物に健康的な朝食を作ってあげようと必死な浅葱。
別に苦労はしてなく、世話を焼くのが好きなのかもしれないと微笑みながら包丁で野菜を切ってゆく。
浅葱は少しだけ聞こえる何かに夢から引きずられたような気がしてむっくりと布団から起き上がっては、寝ぼけた表情で辺りをキョロキョロと霞む視界で見渡した。
そこには揃物がテレビにイヤホンを繋ぎながらアニメを見ている姿があった。
「おう、浅葱……おはようだな。」
揃物は振り向きもせずにテレビに夢中である。
しかし面と面を向かってじゃない挨拶に心にモヤモヤがかかるも、見たいテレビを見ているときくらいこれくらいの気持ちははわからなくもない。
テレビの内容は女の子が戦う日曜の朝のあれの系統らしきものだ。
「いやー、今週の【巫女っ娘ふぁんたじー】はなかなかだな。」
「みこっこふぁんたじー……ねぇ。」
浅葱も女の子なればああいうのを見るのかと言うと別にそうでもなく、むしろ特撮のヒーローとかがお好みらしいのだが、男がああいう系統のアニメを見ると思うと、揃物も俗に言う大きなお友だちレベルで少しオタクっぽさを感じられる。
「うひょー、ミコちゃんは可愛いなぁ。 デュフフフ。」
「あぁ、ダメなタイプだこれ……。」
浅葱の朝の目覚めは最悪なものとなった。
ちなみに音の原因だが、ブラウン管のテレビであるため、電源をつけるとキーンと言う音が聞こえるらしく、その超音波のようなものが浅葱を目覚めさせたようだ。
――さっきとは打って変わって……。
あのオタクっぽさの溢れる表情も番組が終わればいつものキリッとした青年に逆戻りである。
「えぇー……。」
本人いわく、ある一種の興奮とトランスで表情の筋肉が変化してあのような表情になると言っていたが、そこまで人を変化させるなどと思うと、オタクというのも案外大変なものなのだと実感させられる。
とは言えど、浅葱には好きなアニメも熱中するものもないのでよくわからないのだが、好きなことがあるのはいいとこだと思いながら朝食を作る。
「あれ? 私は何か好きな趣味とかあったかな?」
思い出そうにも少しだけ死んで記憶が途切れたかのように思い出せない。
「端末があれば趣味のものとか思い出せたかな?」
そう言いながらも今日の朝食の具材をせっせと切りながら、揃物に健康的な朝食を作ってあげようと必死な浅葱。
別に苦労はしてなく、世話を焼くのが好きなのかもしれないと微笑みながら包丁で野菜を切ってゆく。
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