遠空に駈ける女神の浮浪録・神様project2

青衣

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第一章・臼箕電工

パンドラボックス

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   ――段ボール特有の香りと共に出てきたものとは?

   揃物は開けてみるや否やに、危険なものが入っていないとわかると、安堵した表情でため息を漏らす。
   浅葱は後ろからそろ揃物を盾にしていたために何が入っていたのかは見えなかったために、爆発しないとわかるとヒョッコリと顔を覗かせる。

 「何? 何が入っていたわけ? ……え?」

   覗きこんだのはいいが、そこからが最悪だった。

 「下着とか、服とかか入っていたぞ。」

   揃物は下着を鷲掴みにしてはテーブルの上に置き、箱の下に入ってるものを更に出そうと言うのだから貯まったのもではない。
   確かに、揃物を盾にして中身を確かめさせようとした自分がバカだったとはいえ、勝手に下着を触られてはいい気はするものじゃないだろう。

 「いやぁあああああっ!! 何触ってるのよっ、このスケベっ!!」

 「ふげっ!!」

   少女の拳は頬にめり込み、キリモミしながら揃物は壁に激突する。

 「ぜはー……ぜはー……、何で私の服があるのよ。 っていうか、どこからこんなものが?」

   よく考えると浅葱の生前着ていた服や下着であり、なぜここに届いているのかが不思議ではならなかったが、とりあえずここに来たときにしか来ていたかった制服以外を着ることが出来るようになったのは大きい。

   ただし箱の中身を漁っているにつれ、萎えてくる。

 「端末は入ってないのね……ちぇっ。」

   期待はしたかったけど、暇潰しの道具がなきゃ何も意味をなさないのはお分かりの通り。
   衣服やら何やら入っていたため期待はしていたが、改めて何もないと少し落ち込むようで、浅葱は段ボールを戸棚の奥に押し込めるとチラッと横を見る。

   気を失った揃物が横たわっていて、やり過ぎたかと思うと体を引きずっては部屋まで運んだのだ。














   ――今日の終止符を。

   やっとこさっとこ、重い男の体を持ち上げてはベッドに揃物を寝かせる。

 「ふう、これでよし。」

   一息ついた浅葱は大きく深呼吸してからパンパンと手を叩き、何かをやりとげた達成感の後に床を見る。
   ボロボロのマットレスは昨日揃物がたぶん無理をしていてでも眠っていたに違いないと思うと、本当に申し訳ないと思う浅葱。

 「何とかしなきゃね。」

   揃物には自分のベッドで寝てもらわなきゃ困るのもあるため、明日はなんとか寝床になりそうなものを探したりしたいと思ってみる。
   とりあえず安くてもいいから新品の自分用のマットレスを探さなきゃと決意する。

   ちょっと酸っぱい揃物の大きなコートを羽織布団代りに今は睡眠についた。
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