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第一章・臼箕電工
落ち着けませんでした
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――お腹は満たされたのだけど。
部屋に戻ってから数分したところで、インターホンのチャイムが響き渡る音と共に反応を示したのは、浅葱である。
ドアを開けてみると、そこにいたのは……。
「こんばんわー、お届け物にやって参りましたー。」
まるでテルテル坊主のような服装をした少女が、段ボールを抱えながらニコニコと微笑んでいるも、それを見た浅葱は何かを思い出したのか、ほっぺたをプニプニとつまみ出しては激昂状態だ。
「あんたはぁーっ、よくも高いところから突き落としてくれるわねぇええっ!!」
訳もわからずされるがままの宅配便の少女は、逃げ出そうと神様の力を使ったのか霧のように分散してはすり抜け、浅葱の背後をとる。
「人違いじゃないですかー? 私もですね、誰かに似てるって間違われる事が極端にあるんですがね、少なからずともあなたが思ってる人とは別人ですよ!」
少女はあんな仕打ちをされたのにも関わらず、ちょっとだけ膨れっ面になりながらも机の上に段ボールを置いては腕組をして考える。
けど、浅葱には納得もいかなければ怒りのはけ口もここでしか発散できないのは明確であり、あんな上空から叩き落とされれば誰だって怒りたくはなるだろう。
「黒いキャスケットと青いジャージはどうしたよ。 なにそのテルテル坊主みたいな服。 ちょっと痛いわぁ。」
浅葱はこれでもかと皮肉を飛ばすも、さらに後ろから声がする。
「やめとけ浅葱。 本当にあの女とこの少女は別な人間で、なんの関係も無いぞ。」
「うっそぉ!?」
どこからどう見ても同一人物にしか見えないあの憎き女そのものなのだが、揃物に言われてしまえば返す口も無くなってしまう。
それ以上は言葉が詰まって反論もできない浅葱はタジタジ。
「俺も最初はそうだった。 区別自身は誰にも付かないようだが、生物学的には遺伝子すら全く違う。 というかコイツは体内の成分が百パーセント水だからな。」
「なにそのスイカみたいな体。」
浅葱はテルテル坊主の少女を見つめ直す。
どう見ても水じゃないし、人の皮膚のさわり心地とは何ら変わりはないのが不思議なくらいだが、先程の霧状の回避は人のなせる技じゃないと思うと、納得するしかない。
「私は浮雲神の雲島 浮乃って言うんだよー! またどこかであったらよろしくね。」
そういうと浮雲とやらはモヤモヤの霧となってしばらくしたのち、完璧に消滅する。
「声まで同じなのに……なんだかムシャクシャするわ。」
「というより、何が送られてきたんだ? まさか爆弾?」
揃物はテーブルの上に置かれた禍禍しい普通な段ボールを見ては後ずさり。
浅葱は揃物を盾にして開けさせようと、グイグイと押し出すばかり。
――その手はガムテープへ。
揃物はガムテープの端を恐る恐る摘まんでは、生唾を飲むのと同時にゆっくりと封を開いた。
部屋に戻ってから数分したところで、インターホンのチャイムが響き渡る音と共に反応を示したのは、浅葱である。
ドアを開けてみると、そこにいたのは……。
「こんばんわー、お届け物にやって参りましたー。」
まるでテルテル坊主のような服装をした少女が、段ボールを抱えながらニコニコと微笑んでいるも、それを見た浅葱は何かを思い出したのか、ほっぺたをプニプニとつまみ出しては激昂状態だ。
「あんたはぁーっ、よくも高いところから突き落としてくれるわねぇええっ!!」
訳もわからずされるがままの宅配便の少女は、逃げ出そうと神様の力を使ったのか霧のように分散してはすり抜け、浅葱の背後をとる。
「人違いじゃないですかー? 私もですね、誰かに似てるって間違われる事が極端にあるんですがね、少なからずともあなたが思ってる人とは別人ですよ!」
少女はあんな仕打ちをされたのにも関わらず、ちょっとだけ膨れっ面になりながらも机の上に段ボールを置いては腕組をして考える。
けど、浅葱には納得もいかなければ怒りのはけ口もここでしか発散できないのは明確であり、あんな上空から叩き落とされれば誰だって怒りたくはなるだろう。
「黒いキャスケットと青いジャージはどうしたよ。 なにそのテルテル坊主みたいな服。 ちょっと痛いわぁ。」
浅葱はこれでもかと皮肉を飛ばすも、さらに後ろから声がする。
「やめとけ浅葱。 本当にあの女とこの少女は別な人間で、なんの関係も無いぞ。」
「うっそぉ!?」
どこからどう見ても同一人物にしか見えないあの憎き女そのものなのだが、揃物に言われてしまえば返す口も無くなってしまう。
それ以上は言葉が詰まって反論もできない浅葱はタジタジ。
「俺も最初はそうだった。 区別自身は誰にも付かないようだが、生物学的には遺伝子すら全く違う。 というかコイツは体内の成分が百パーセント水だからな。」
「なにそのスイカみたいな体。」
浅葱はテルテル坊主の少女を見つめ直す。
どう見ても水じゃないし、人の皮膚のさわり心地とは何ら変わりはないのが不思議なくらいだが、先程の霧状の回避は人のなせる技じゃないと思うと、納得するしかない。
「私は浮雲神の雲島 浮乃って言うんだよー! またどこかであったらよろしくね。」
そういうと浮雲とやらはモヤモヤの霧となってしばらくしたのち、完璧に消滅する。
「声まで同じなのに……なんだかムシャクシャするわ。」
「というより、何が送られてきたんだ? まさか爆弾?」
揃物はテーブルの上に置かれた禍禍しい普通な段ボールを見ては後ずさり。
浅葱は揃物を盾にして開けさせようと、グイグイと押し出すばかり。
――その手はガムテープへ。
揃物はガムテープの端を恐る恐る摘まんでは、生唾を飲むのと同時にゆっくりと封を開いた。
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