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9月21日
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9月21日。
この世の破壊神。
岩動の温泉に泊まりに来ていた恋と恵麻なのだが、自室に戻っては何やら恋はさっきから笑ってばかりで恵麻にとっては不思議でならない。
恋はほとんど人前で笑うことなんて無いからであり、恵麻は気になって仕方がなく、パソコンを覗き込んでしまう。
「れ、恋さん? 何を見て笑っているんですか?」
パソコンのディスプレイには宇宙空間が存在し、その回りに惑星がグルグルと平和そうに公転やら自転やら繰り返しては宇宙を漂っている。
「くっくっく……見なさいよこれ!」
恋がクリックしながらインベントリの所から月を持ってくると、本来の月の近くに置く。
その瞬間、地球も月も、今置いたばかりの月がお互いの引力に引かれて激しく公転しては衝突し、三つの天体は大爆発を起こしてしまう。
「あっはっは、見なさいよ……傑作じゃない!」
「え……えぇ……。」
このテンションについていけない恵麻で、笑う要素もツボも見当たらないので困惑するばかり。
「ち、地球が滅亡しましたよ……。」
恵麻はディスプレイを指差すとタッチパネルのパソコンであったがゆえに少しだけ触れてしまい、火星の位置が少しずれてしまう。
これに慌ててしまう恵麻。
「あーっ、か……火星が。 離れていってしまいました!?」
軽くスワイプささっていたのか、火星は外に弾き出されては運悪くの木星の軌道にさしあたる。
ちょうど木星も近くを通過していたのが運の尽きなのであろうか、吸い込まれるようにして火星は爆発をおこしては消滅する。
「木星最強ね……、火星くらいがぶつかっただけじゃビクともしないわね。 って……恵麻?」
火星を破壊した本人の恵麻の表情を見つめると、何とも悪そうな表情であり、なにかに目覚めたようなその顔は悪魔が宿っていたような気がする。
「恋さんの笑っていた気持ち……何となくわかりますよ。 ふふっ、楽しいですね。」
「堕ちたわね……アンタも。」
恋は恵麻の方にパソコンを向けると何でも好きにしなさいと、主導権を握らせてしまう。
このパソコンの擬似太陽系は、水曜神というなの破壊神によって後に滅茶苦茶でカオスな宇宙に早変わりしたのは言うまでもなく、その所業は、土星や木星をぶつけて楽しんだり、地球を太陽に放り込んだりと、もはややりたい放題の恵麻であった。
常に危機にさらされている地球。
億単位の歳月は伊達じゃない貫禄。
この世の破壊神。
岩動の温泉に泊まりに来ていた恋と恵麻なのだが、自室に戻っては何やら恋はさっきから笑ってばかりで恵麻にとっては不思議でならない。
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「れ、恋さん? 何を見て笑っているんですか?」
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「くっくっく……見なさいよこれ!」
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その瞬間、地球も月も、今置いたばかりの月がお互いの引力に引かれて激しく公転しては衝突し、三つの天体は大爆発を起こしてしまう。
「あっはっは、見なさいよ……傑作じゃない!」
「え……えぇ……。」
このテンションについていけない恵麻で、笑う要素もツボも見当たらないので困惑するばかり。
「ち、地球が滅亡しましたよ……。」
恵麻はディスプレイを指差すとタッチパネルのパソコンであったがゆえに少しだけ触れてしまい、火星の位置が少しずれてしまう。
これに慌ててしまう恵麻。
「あーっ、か……火星が。 離れていってしまいました!?」
軽くスワイプささっていたのか、火星は外に弾き出されては運悪くの木星の軌道にさしあたる。
ちょうど木星も近くを通過していたのが運の尽きなのであろうか、吸い込まれるようにして火星は爆発をおこしては消滅する。
「木星最強ね……、火星くらいがぶつかっただけじゃビクともしないわね。 って……恵麻?」
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「恋さんの笑っていた気持ち……何となくわかりますよ。 ふふっ、楽しいですね。」
「堕ちたわね……アンタも。」
恋は恵麻の方にパソコンを向けると何でも好きにしなさいと、主導権を握らせてしまう。
このパソコンの擬似太陽系は、水曜神というなの破壊神によって後に滅茶苦茶でカオスな宇宙に早変わりしたのは言うまでもなく、その所業は、土星や木星をぶつけて楽しんだり、地球を太陽に放り込んだりと、もはややりたい放題の恵麻であった。
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