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魔王VS魔王?
第38話 勇者と聖剣
しおりを挟む「俺を殺す気かアガンは・・・はぁ。」
そう言いながら、下手をすれば自身の顔に突き刺さっていたであろう紅い剣を壁から引き抜く夏樹。ーー正直なところ、アガンは本物の魔王の味方であるため、状況的に見ればその解釈で間違っていなかったりする。ーー引き抜いた剣は、その柄ばかりか刃の部分まで紅く、所々に黄金の装飾が施されている。どこか優しい、それでいて熱く燃え上がるような強い生命力を発していた。
「凄え・・・。なんか神聖な台座とかに刺さってるやつだこれ。」
刺さっていたのは台座ではなくその辺の壁である。
夏樹が剣に魅入っている傍で、シャロンとフレイアも食い入るようにそれを見つめていた。だが、その視線は夏樹の発するものとは違い、【ありえない】とでも言いたげな驚愕が滲んでいる。そしてシャロンが口を開いた。
「何故、何故レヴァンティンが・・・聖剣がここに?」
その言葉に、剣・・・否、レヴァンティンから目を離し、自身も驚愕に染まった顔でシャロンを振り返る夏樹。それもそうであろう、何せ
「聖剣って、壊れたんじゃなかったのか!?」
「その・・・筈、です・・・。」
_______________
ーーーはるか昔、2人目の魔王の出現に伴い召喚された勇者。神獣ヴィゾフニルの尾羽より造られた聖剣レヴァンティンを手にし、魔王を討ち取るも、激しい死闘の代償として聖剣は崩壊した。ーーー
______________
これは勇者英雄譚の一部である。
つまり、この世界の既に存在しない筈の聖剣が、今、夏樹の手にあるのだ。夏樹は驚愕に加え、それを上回る歓喜の表情を浮かべた。
「マジか・・・。」
「「・・・・・」」
と、そんなこんなで、アガンとミスト抜きでその後すぐに遭遇した吸血鬼との戦闘になったのである。が、
「あ、やべぇ。あいつらに吸血鬼のスキル教えんの忘れてたわ・・・。」
「「え!?」」
「ん?何でスキル知ってるの?」
「こいつの日記に書いてたんだよ。」
「!」
ミノ兄弟での実け・・・アガレア、レプト兄弟の人間化が済んだ中庭で、アガンの(主に夏樹にとって)不穏な声が響いた。情報元はレプトの日記らしい。
「ほぉ~。」
「まあ、問題ねぇか。」
動揺のあまり固まってしまった元ミノ兄弟。と、それをよそにミストが面白そうに問いかける。
「ねぇ、アガン。それどんなスキル?」
「ん?ああ、確か【読心】ってやつだ。相手の考えてることがわかるんだと。つっても、そんな事で殺られるような鍛え方はしてねぇけどな。あいつにはどっかの魔王を倒して有名になってもらわなきゃ困る。」
「だね。じゃないと、私もあんなレア武器あげた意味がないよ。」
そう言って黒い笑みを浮かべる2人であった。
「俺、とんでもないもの書いちゃったのかも・・・。」
「おいレプト!どうしたんだ!?」
遠い目をして放心するレプトであったが、その声を聞いたのは兄だけであった。
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