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第50話 魔王様の事情と少年
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時は前回から僅かばかり遡り、エドとプラムが立ち往生していたまさにその時の事である。
ミストとアガン・・・主にミストは、大変お困りだった。それはもう、ミスト自信が一手に引き受けている負のエネルギーが周囲に漏れ出し、その辺の可愛らしい野花の1つが「ケヒャヒャヒャヒャ」と笑い出すようになる程に・・・。
珍しく青い顔をしたアガンによって踏み潰されたが。
それと言うのも、アルカディアを出てから2日、ミストはとある失敗に気がついたのだ。そう、野菜を買い忘れていたという事に。
基本的に肉を好むミストであるが、肉だけあれば良いという訳ではない。たまには他の食材がメインの料理だって食べたいのだ。
そして今日のミストは、野菜炒め(肉多め)の気分なのであった。
結局肉がメインになってしまっているのは、気のせいにしておくべきか。
「・・・おいミスト、取り敢えずなんとかしてみてやるから、その黒いの止めろ。これ以上そのモンスターなんだか植物なんだかわからねぇ化け物が産まれたら困る。」
そしてそのモンスターなんだか植物なんだかわからない化け物は、現在、花・低木・自走するキノコ・・・と、目下増殖中である。
当初はそれらを全て処分していたアガンであったのだが・・・自走するキノコが出てきたあたりで諦めたらしい。元凶のミストを落ち着かせにかかった。
「どうにか・・・できるの?」
「ああ、この辺まで来たなら、商業都市に行く商人が通ることも多い。運がよけりゃ野菜売ってる商人にも会えるだろうひ、それが駄目なら他の冒険者や旅人なんかに分けて貰えばいいだけだ。」
「!!!」
「うおおっ!?」
ひゅっ!と音が聞こえてくるような勢いで負のエネルギーが引っ込んだ。と同時に、笑う花は枯れ、木の上を自走していた色とりどりのキノコ達がボトボトと落ちてくる。
「ほら早く行こうアガン!じゃないと晩御飯までに間に合わないよ!」
「な!?ちょ、おい待・・・もういねぇ。」
こうしてミストは野菜を求めて走り出したのであった。
「はぁ、また探すのか・・・。」
そしてオカンは迷子の魔王様を探しに行くのであった。
_______________
「は~、成る程ね~。それでうちの人参をお求めに。」
「ブルルルルウ!!!」
「そ。それでさ、他にも何かない?言い値で買うから。」
「ブルウッ!」
「はい!少々お待ちください。今お待ちします!」
「ブルルルルウッッッ!!!」
いきなりやってきて、しかも大量の人参を買い付けた、身なりの良い子供(成人済み)が1人。
色々と気になるところが多すぎたが故に、商品の受け渡しついでに話し込んでいるエドなのであった。
ちなみに、ミストの方も、負のエネルギー云々に関しては話していない。
人参にがめつい乙女、プラムの抗議に関しては完全にスルーしている。
「ところで・・・パーティーメンバーの方とはどうやって合流するので?」
「大丈夫。アガンがちゃんと見つけてくれるから。」
「さいですか・・・。」
実際これまでにもしっかり迷子の保護に成功しているアガンである。GPSの存在を真剣に疑ってしまう。
そのまま商品の取引をしながら会話をして、アガンがミストを引き取りに来るまでの時間を潰していく。と、
「ところでさ、エドさん最近商人になったばかりだって言ってたよね?なんで商人になったの?」
好奇心から放たれたミストの質問に、一瞬の沈黙の後・・・エドの表情が一変した。
「よくぞ聞いてくれました!勿論お聞かせしますよ!というか寧ろ聞いてくださいお願いしますうぅぅぅぅぅぅ!!!」
「ブルウッ!?ブルルルルウッッッ!!!!!!」
訳
『だから私の人参売るなって言ってるでしょお!?聞きなさいよおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!』
ミストとアガン・・・主にミストは、大変お困りだった。それはもう、ミスト自信が一手に引き受けている負のエネルギーが周囲に漏れ出し、その辺の可愛らしい野花の1つが「ケヒャヒャヒャヒャ」と笑い出すようになる程に・・・。
珍しく青い顔をしたアガンによって踏み潰されたが。
それと言うのも、アルカディアを出てから2日、ミストはとある失敗に気がついたのだ。そう、野菜を買い忘れていたという事に。
基本的に肉を好むミストであるが、肉だけあれば良いという訳ではない。たまには他の食材がメインの料理だって食べたいのだ。
そして今日のミストは、野菜炒め(肉多め)の気分なのであった。
結局肉がメインになってしまっているのは、気のせいにしておくべきか。
「・・・おいミスト、取り敢えずなんとかしてみてやるから、その黒いの止めろ。これ以上そのモンスターなんだか植物なんだかわからねぇ化け物が産まれたら困る。」
そしてそのモンスターなんだか植物なんだかわからない化け物は、現在、花・低木・自走するキノコ・・・と、目下増殖中である。
当初はそれらを全て処分していたアガンであったのだが・・・自走するキノコが出てきたあたりで諦めたらしい。元凶のミストを落ち着かせにかかった。
「どうにか・・・できるの?」
「ああ、この辺まで来たなら、商業都市に行く商人が通ることも多い。運がよけりゃ野菜売ってる商人にも会えるだろうひ、それが駄目なら他の冒険者や旅人なんかに分けて貰えばいいだけだ。」
「!!!」
「うおおっ!?」
ひゅっ!と音が聞こえてくるような勢いで負のエネルギーが引っ込んだ。と同時に、笑う花は枯れ、木の上を自走していた色とりどりのキノコ達がボトボトと落ちてくる。
「ほら早く行こうアガン!じゃないと晩御飯までに間に合わないよ!」
「な!?ちょ、おい待・・・もういねぇ。」
こうしてミストは野菜を求めて走り出したのであった。
「はぁ、また探すのか・・・。」
そしてオカンは迷子の魔王様を探しに行くのであった。
_______________
「は~、成る程ね~。それでうちの人参をお求めに。」
「ブルルルルウ!!!」
「そ。それでさ、他にも何かない?言い値で買うから。」
「ブルウッ!」
「はい!少々お待ちください。今お待ちします!」
「ブルルルルウッッッ!!!」
いきなりやってきて、しかも大量の人参を買い付けた、身なりの良い子供(成人済み)が1人。
色々と気になるところが多すぎたが故に、商品の受け渡しついでに話し込んでいるエドなのであった。
ちなみに、ミストの方も、負のエネルギー云々に関しては話していない。
人参にがめつい乙女、プラムの抗議に関しては完全にスルーしている。
「ところで・・・パーティーメンバーの方とはどうやって合流するので?」
「大丈夫。アガンがちゃんと見つけてくれるから。」
「さいですか・・・。」
実際これまでにもしっかり迷子の保護に成功しているアガンである。GPSの存在を真剣に疑ってしまう。
そのまま商品の取引をしながら会話をして、アガンがミストを引き取りに来るまでの時間を潰していく。と、
「ところでさ、エドさん最近商人になったばかりだって言ってたよね?なんで商人になったの?」
好奇心から放たれたミストの質問に、一瞬の沈黙の後・・・エドの表情が一変した。
「よくぞ聞いてくれました!勿論お聞かせしますよ!というか寧ろ聞いてくださいお願いしますうぅぅぅぅぅぅ!!!」
「ブルウッ!?ブルルルルウッッッ!!!!!!」
訳
『だから私の人参売るなって言ってるでしょお!?聞きなさいよおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!』
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