異世界にて最強のチートを手に入れたがモンスターの方が強い件

1章 最強の師篇

最強の女

スライムとの一件後、意識を失った俺は見知らぬベッドに寝かされていた。

「やっと目が覚めたかい。あんた、2日も寝込んでいたんだよ」

目の前には黒のロングコートを着た黒髪ショートヘアーの美女がいた。

「・・・2日も？」

なるほど、さっきからナビィを呼んでるが返事がないのは期間が過ぎたからなのか。

「なぁ、あんな場所で何してたんだ？」

俺は言葉を濁した。素直に言えるはずがないな。

「まぁ、あんたが言いたくないならいいさ。元気になったらここを出な」

「・・・ありがとう」

手渡されたスープを少しずつ飲み、ホッと一息つける。

ところで、サーチは人間に対しても通用するのだろうか？
ナビィがいないと答えが返ってこないな。
不謹慎とは思うが、試してみるか。
「・・・"サーチ"」

クレア・エンフィールド　レベル82

年齢　24
性別　女
種族　人間

HP3160/3160
MP170

攻撃力720
防御力680
素早さ900
魔力301
知力542
運128

魔法【火、風、氷結属性の初級・中級魔法の全て】
　　【フレイム・エンペラー】
　　【アイシクル・プリズン】
　　
　　
スキル【紙一重】【剣気】【力の枷】
　　　【魔法適正3】

特技【神英流剣術9つの型】

「・・・バッ！」

「ば？」

俺は慌てて口を押さえた。この人、なんでこんなに強いんだよ！ほとんどバケモノじゃないか！

「まぁいい。しばらくはここで養生しとくんだよ」

「あの！俺を弟子にして下さい！」

誠心誠意言ったつもりだが、女は不穏な顔をしていた。

「何故そう思った？私はスキルの【力の枷】で力を隠しているから悟られないはずだ」

この女ひと鋭いなぁ。おそらくどんな言葉を並べてもこの人にはもう通用しないだろう。

「すみません。さっき【サーチ】のスキルを使ってあなたの事を調べてしまいました」

「ほぅ。レディの個人情報を盗み見るとはいい根性だね」

クレアは般若の面のような顔をしていた。

「ひぃぃ！すみません！すみません！もう2度としませんから！」

必死の土下座は彼女に効果があったようだ。

「で？あんたはなんで強くなりたいのさ」

「・・・元いた場所に帰りたいのです。」

「はぁ？そんなの働いて稼いだ金で帰りなよ」

呆れた顔をするクレアだが、俺は嘘をついてない。

「俺は、日本というこことは違う世界の国で産まれました。訳あってこの世界で魔王を倒さないと元いた世界に帰れなくなるんです」

「ふん、まるでおとぎ話みたいじゃないか」

茶化すクレアだが、俺の真っ直ぐな目を見て態度を変えた。

「いいよ。あんたのその真っ直ぐな目に騙されてやろうじゃないの」

こうして俺は、クレア・エンフィールドの弟子になった。