異世界にて最強のチートを手に入れたがモンスターの方が強い件

幕間

残して来たもの

ある朝。俺、佐藤悠真はおかしな夢を見た。途方もない世界で、とてつもない強敵と戦っていく。そんな夢だ。きっと昨夜遅くまでプレイしたゲームのせいだろう。

のそのそと支度をし、学校へ向かった。

高校二年生ということもあって、学校はだいぶ見慣れたものになっていた。

教室に入ると、見慣れたクラスメイトが登校していた。

「おはよっす」

「遅っせぇぞ悠真！」

こいつは自称ヤンキーの古賀 大貴こがだいき。

「お前はヤンキーのくせに早起きだな」

「アホか！俺が目指してんのは誰もが憧れるヤンキーなんだよ！早寝早起きゴミ拾い！どうだ？憧れるだろ？」

この言動で分かるだろうが、こいつはバカだ。

「おはよ！佐藤くん」

声をかけてきたのはクラス委員長の
星野 侑芽ほしのゆめ。誰にでも差別をしないその気丈な性格は、クラスの人気者だ。

「おはよう星野」

「うん！今日の放課後ね、みんなで隣町のカラオケ行くことになったんだけど佐藤くんも行くでしょ？」

「あ～今月ピンチだからやめとくわ！」

「そっか。残念だな～じゃあまた今度行こうね！」

そう言って自分の席に戻っていった。彼女は俺の憧れでもあった。強く、優しく、凛々しい彼女に俺は淡い恋心のようなものを感じていた。

「な～にデレデレしてんのよ」

「なんだよ、雪菜ゆきな」

こいつは東堂 雪菜とうどうゆきな。俺の幼馴染で、いつも俺に突っかかってくる。何故か男子にはモテるようだが、俺には分からない。俺と雪菜は距離が近すぎるが為に、そういったことは考えないようにしてきた。

「ヒューヒュー！お二人さん！朝から熱いねぇ！」

「なっ！バカ言ってんじゃないわよ鮫島！」

「そうだぞ鮫島。天地がひっくり返ってもそういう事にはならねぇから！」

そう言うと、どう言うわけか雪菜は俺の右の頬をビンタする。

「いって・・・なんで俺!?」

「でた！東堂名物の平手打ち！」

教室内がどっと笑いに包まれる。

あぁ。楽しいな。

こんな幸せがいつまでも続くといいな。

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