異世界にて最強のチートを手に入れたがモンスターの方が強い件

鬼武蔵

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2章 魔法学園編

魔法都市エルキアへ

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死へのトラウマを克服すると、師匠は俺に破門だと言った。

「ま、待ってください!どうしてですか!俺は、まだあなたの元で修行したいです!」

「お前の目的を忘れるな!お前は何の為に戦っているんだ?」

「・・・魔王を倒して、元いた世界に帰る為です」

「今見た通り、魔法はモンスターに通用するんだ。魔王を倒すには、魔法は必須だろう」

「それは、そうですけど・・・」

師匠は俺の傍まで近寄ると、頭に手を乗せ撫でた。

「別に今生の別れじゃないんだから。そんな顔をするな。いつか、また会えるさ」

師匠から見た俺の顔は、どんな顔をしてたのだろう。

ただ分かるのは。大粒の涙を流していた事だけだった。

いつの間にか、師匠といる時間がこんなにも大事なものになっていたんだな。

家に戻るとすぐに支度をした。ユリウスさんは、しばらく『テイル』という宿で宿泊すると話していた。

「そうか、決心がついたか。きっと、君の求める答えがこの学園にはあるだろう」

そう言うと、ユリウスさんは、軽く身支度を済ませて教会に向った。

「神父よ。これはお布施だ。どうか受け取ってくれ」

大袋を手渡すと、神父は無言のまま頭を下げる。

「あの、あの大袋にはどれだけのお金が入っているんですか?」

「あぁ、あれか。国と国をテレポーテーションするときは、莫大な魔力が必要だからな。2人で2000金貨ほどだ」

一瞬、立ちくらみのようにふらついた。
2000金貨とは日本円で2億円相当だ。そんな大金を易々と渡すこの人は一体・・・。

「さぁ・・・出発だ」

ケルト平原と同じようにワープすると、大きな聖堂にいた。

「・・・ここは?」

「ようこそ。エルキア国の中心、エルキア都市へ」

ここが、魔法都市。

大聖堂を出るとエルキアの都市を全貌することができた。

騎士の国アークソフィアとは違う、立派な教会や西洋風の巨大な城が佇んでいる。

俺は、俺の中の何かが高揚していくのを感じた。

「今日からここは、君の学び舎だ。存分に知識を蓄えなさい」

「はい!」

それから、簡単に都市の案内を済ませた後俺が暮らすことになる寮へ向かった。

「ここが、君の寮だ」

そこは、築150年と思えるほどのボロいアパートだった。

まず、こんな都市に日本風なアレがあるのはどうかと思う。

「贅沢は言わないでくれよ。ただでさえ君を優遇してるんだ。これ以上は私の立場が危うくなるのでな」

大人の事情というやつだろう。

「 いえ、ここに来るまでに多くのものを貰いすぎたくらいです。むしろ贅沢すぎます」

「ふっ。そう言ってくれるとありがたい。では、私は学園に戻る」

アパートといえば、某ハーレムマンガの主人公のように住人たちとの組んず解れつの、R指定ギリギリの生活を送るのはもはや必定と言える。

「あぁ、ちなみに、ここは男子寮だ」

・・・俺は絶句した。

「男子同士だからと言って、いかがわしい事がないようにな」

「・・・勘弁してください」




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