異世界にて最強のチートを手に入れたがモンスターの方が強い件

鬼武蔵

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2章 魔法学園編

天才の弱点

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神英流拳術、彼は確かにそう言った。
俺の師匠、クレア・エンフィールドも神英流剣術の使い手だったはずだ。
決定的に違うのは武器を使うか拳を使うかの違いだけだ。

「君達、軟弱だね」

嘲笑い、挑発するリーエン。武道において、感情に溺れたものは負ける。それは古来から存在する理。

「な、んだと・・・このガキがァァァ!!」

短剣の男は一直線に、心臓めがけて突く。
しかし、リーエンはこれを右手で受け流し左手で脇腹を突く。

「ごふぅ!」

その場で地面に倒れこむ敵は意識を失った。

「なっ!ば、バケモノ・・・」

「なにそれ!酷いなぁ」

あまりにも冷ややかな笑みは辺りを凍てつかせる。

「見せてあげるよ。神英流拳術1の型・・・"鬼殺し"」

リーエンは離れていた距離を一瞬のうちに詰め、掌を男の胸にあてがう。
瞬間、ドンと鈍い音とともに、男の体は5メートルほど吹き飛ばされた。
男は声を上げることなく崩れ去る。
その技は、力とは明らかに別種のものだ。

「殺してないよ。20%くらいの力しか出してないから」

上には上がいる。もしも、彼があの武闘大会に参加していたら、負けていたのは俺だっただろう。

「凄いねリーエン君!この調子でどんどん行こうよ!」
シャロットは目を輝かせて言っている。
確かに、彼の力にはそれだけのものがあった。

「ごめん。実はそうもいかないんだ」

「えっ!どうして?」

「実を言うと、俺は長時間の戦闘が出来ないんだよ」

どういうことだ?彼のステータスは明らかに俺を超えているはず。

「"千里眼"」

俺はリーエンのステータスを初めて見ることにした。

リーエン・クロノス レベル1

年齢 16
性別 男
種族 人間

HP28/31
MP90

攻撃力302
防御力441
素早さ110
魔力91
知力122
運72

スキル
【神英流拳術7つの型】【紙一重】
【魔法適正2】

魔法
【ファイアボール】
【フレイムボム】
【ヒール】
【フレイムシャイン】

状態異常
生命いのちの呪い】

・・・ステータスはすごく高い。だが、HPだけが異常なほど少ないのはどういうことだ?それに、初めて見る項目の状態異常。
そう言えば、千里眼はもっと詳しく見ることが出来たんだったな。

スキル
【神英流拳術7つの型】
・1の型 鬼殺し
相手の脇腹に手をあてがい、体内に衝撃波を与え、吹き飛ばすと同時に体内機能を麻痺させる。

・2の型 刹那
攻撃、防御の全てを捨て去り、超高速で移動する。

・3の型 守護の構え
守りに徹することによって、全ての攻撃を受け流し、回避する。

・4の型 諸刃の構え
我をかえりみず、攻撃のみに徹することで、倍以上の力が出る。

・5の型 飛翔脚
風圧の力で空中を蹴り上げる事が出来る。

・6の型 鬼拳衝撃波
離れた距離から一撃を放ち、衝撃波によって敵を攻撃する。

・7の型 無影無双
跡形も残す事なく敵と自分を消滅させる。

【紙一重】
・敵の攻撃を紙一重で避ける事が出来る。
しかし、即座に攻撃と併用することは出来ない。

【魔法適正2】
・魔法に対する適正。適正が1増えるごとに使える属性系統が1増える。
(火属性、聖属性)

状態異常
【生命の呪い】
・どれほど鍛錬を積んでも、レベルアップしてもHPを増やすことができない呪い。

これが、彼が長時間の戦闘が出来ないと言っていた理由か。
HPが32、しかも、神英流拳術はHPの消費がある。彼が言った事にようやく合点がいった。

「なら、リーエンは親玉との勝負まで温存だな。これからの敵はなるべく、俺とシャロットに任せてくれ」

「すまないね2人とも」

「わた・・・僕達に任せてよリーエン君!」

俺たちは、再び図書館へと向かった。
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