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11ー魔王sideー
「魔王様、それぞれの階層にはどのような制限をされるおつもりで?」
「ん?あぁ大体のルールそれぞれに任せてある。ああ言った手前、冒険者達に過度な被害は与えないだろう」
「魔王様、本当に宜しいのですか?」
「あぁ、あの者達は私の信頼できる確かな者達だ」
「そうではありません、本当に人間を救うおつもりですか?貴方様ならナンバーワールドなど一瞬で塵に出来るではありませんか。敵にまでなって護る必要が分かりません」
「・・・約束したのだ、あいつと・・・」
「あいつとは?」
「ええい、もう何も聞くな。吾輩は準備に取り掛かる」
そそくさと逃げるようにスケルトンの前から姿を消した魔王。
「・・えてい・・です・」
ほんの僅か、何かを呟き俯くスケルトン。
・・・・・
・・・・
・・・
数時間後
ーギルドsideー
「・・・・・ここが、魔王門」
数十メートルに及び聳え立つ門は、禍々しさを纏って静かに佇んでいる。
ゴクリと息を飲む団員達。これから挑む無謀に冷や汗が滴り落ちる。
「・・・お前たち、覚悟はいいか?」
その時、その男の声は何よりも強い支えとなっていた。
「俺たちは無謀に挑もうとしている。もしかしたら死者が出る可能性だってある。だが、俺たちは決して立ち止まる訳にはいかない!なぜなら、我々の後ろには守るべき国、愛する人が居るからだ!故に同志達よ、各々が護るもののためにいざ、突き進め!!!」
「「「おおおおぉぉぉぉぉ!!!!!」」」
帝霊山の鼓舞は、ギルド暁の光のメンバー全てに行き渡り、奮い立たせた。メンバー全員の声で空気が揺れるのも束の間、魔界門がゴゴゴと地鳴りし、少しずつ開きだす。
「各員戦闘態勢!」
空気が一瞬で張り詰める。魔王門の中は、霧がかっていてよく分からない。それ故に、メンバーの警戒心は限界値まで高められていた。
前衛、中衛、後衛と、ジリジリ魔王門の中に入っていく。
魔王門を潜り抜けた先にはとてつもなく長い塔が聳え立っていた。
「これが、魔王城」
塔の入り口からは、凍えるような風が吹いている。それが影響してメンバーの前進していた足が止まったのは道理だった。
「こ、怖ぇぇぇぇ」
「ここが、俺たちの墓場なのか」
「前衛なんて請け負うんじゃ・・・・」
様々な場所から陰気な声が漏れ出す。恐怖、極度の緊張がそれを加速させるかの如く、負の感情に支配されつつあった。
ー魔王sideー
「うむ!吾輩の考案した不穏な風大作戦は見事彼奴等に恐怖を与えてるみたいだな!」
「不穏な風って・・・ただの冷気魔法と風魔法で涼風を送ってるだけじゃないですか。むしろ快適では?」
「甘い!角砂糖よりも甘いぞスケルトンよ!」
「はぁ・・・」
「いいか、魔王城に来る人間達は極度の緊張感を持って来ている。魔王城を目にして驚愕もするだろ?そこに快適な風を送るというミスマッチ!不快感は一気に膨れ上がるって訳だ!」
「・・・よく分かりませんが、分かりました」
自慢げに話す魔王をどこか呆れた様子で見つめるスケルトン。
(また、今日も始まる。勇者と魔王の戦いが・・・・偽りの、平和への戦いが・・・)
嬉々として自分が仕掛けた涼風に満足している魔王を他所に、虚空を見据えるスケルトン。
「そろそろ1階の戦いが始まる頃か?」
「そうですね、もうじき始まると思われますが・・・」
・・・・・・・・・・
・・・・・
「魔王様、それぞれの階層にはどのような制限をされるおつもりで?」
「ん?あぁ大体のルールそれぞれに任せてある。ああ言った手前、冒険者達に過度な被害は与えないだろう」
「魔王様、本当に宜しいのですか?」
「あぁ、あの者達は私の信頼できる確かな者達だ」
「そうではありません、本当に人間を救うおつもりですか?貴方様ならナンバーワールドなど一瞬で塵に出来るではありませんか。敵にまでなって護る必要が分かりません」
「・・・約束したのだ、あいつと・・・」
「あいつとは?」
「ええい、もう何も聞くな。吾輩は準備に取り掛かる」
そそくさと逃げるようにスケルトンの前から姿を消した魔王。
「・・えてい・・です・」
ほんの僅か、何かを呟き俯くスケルトン。
・・・・・
・・・・
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数時間後
ーギルドsideー
「・・・・・ここが、魔王門」
数十メートルに及び聳え立つ門は、禍々しさを纏って静かに佇んでいる。
ゴクリと息を飲む団員達。これから挑む無謀に冷や汗が滴り落ちる。
「・・・お前たち、覚悟はいいか?」
その時、その男の声は何よりも強い支えとなっていた。
「俺たちは無謀に挑もうとしている。もしかしたら死者が出る可能性だってある。だが、俺たちは決して立ち止まる訳にはいかない!なぜなら、我々の後ろには守るべき国、愛する人が居るからだ!故に同志達よ、各々が護るもののためにいざ、突き進め!!!」
「「「おおおおぉぉぉぉぉ!!!!!」」」
帝霊山の鼓舞は、ギルド暁の光のメンバー全てに行き渡り、奮い立たせた。メンバー全員の声で空気が揺れるのも束の間、魔界門がゴゴゴと地鳴りし、少しずつ開きだす。
「各員戦闘態勢!」
空気が一瞬で張り詰める。魔王門の中は、霧がかっていてよく分からない。それ故に、メンバーの警戒心は限界値まで高められていた。
前衛、中衛、後衛と、ジリジリ魔王門の中に入っていく。
魔王門を潜り抜けた先にはとてつもなく長い塔が聳え立っていた。
「これが、魔王城」
塔の入り口からは、凍えるような風が吹いている。それが影響してメンバーの前進していた足が止まったのは道理だった。
「こ、怖ぇぇぇぇ」
「ここが、俺たちの墓場なのか」
「前衛なんて請け負うんじゃ・・・・」
様々な場所から陰気な声が漏れ出す。恐怖、極度の緊張がそれを加速させるかの如く、負の感情に支配されつつあった。
ー魔王sideー
「うむ!吾輩の考案した不穏な風大作戦は見事彼奴等に恐怖を与えてるみたいだな!」
「不穏な風って・・・ただの冷気魔法と風魔法で涼風を送ってるだけじゃないですか。むしろ快適では?」
「甘い!角砂糖よりも甘いぞスケルトンよ!」
「はぁ・・・」
「いいか、魔王城に来る人間達は極度の緊張感を持って来ている。魔王城を目にして驚愕もするだろ?そこに快適な風を送るというミスマッチ!不快感は一気に膨れ上がるって訳だ!」
「・・・よく分かりませんが、分かりました」
自慢げに話す魔王をどこか呆れた様子で見つめるスケルトン。
(また、今日も始まる。勇者と魔王の戦いが・・・・偽りの、平和への戦いが・・・)
嬉々として自分が仕掛けた涼風に満足している魔王を他所に、虚空を見据えるスケルトン。
「そろそろ1階の戦いが始まる頃か?」
「そうですね、もうじき始まると思われますが・・・」
・・・・・・・・・・
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