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第一章 家鳴り
祖母の遺産
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「なるほど、そういうことか……」
私は目の前の光景を見て、ようやく腑に落ちた。
つい先日、祖母――葛葉雪乃が亡くなった。
九十九歳という大往生である。
「あと一年生き延びれば、百という区切りのいい年齢だったのに……」
それが祖母の辞世の句だった。
祖母は九十五歳のとき、なぜか大けがをして救急車で運び込まれ、そのまま山奥の家へ戻ることはなかった。
そして私は祖母と共に、この高級マンションで暮らすことになった。
このマンションの部屋も、祖母の知人である古美術商の千合さんが手配してくれたものだ。
セキュリティーがしっかりしていて、外部の人間は簡単に出入りできない。
私にとって、それは命綱みたいなものだった。
なぜなら――私は十五歳のとき、高校に入学する予定だったのに、家族が勝手に手続きを取りやめたからだ。
「祖母の介護要員が必要だ。」
そう言って。
父は言った。
「お前はこのくらいしか役に立たないだろう?」
母は言った。
「あなたに出す学費はないわ!」
妹――愛美璃は笑った。
「お姉ちゃんには、年寄りの相手がお似合いよ!」
酷い言葉だ、と今さら思う。
でも当時の私は、心の中でガッツポーズを取っていたことは彼らも知るまい。
祖母の介護という名目で、こんな家族から離れられたことだけは、私にとってラッキー以外のなにものでもない。
祖母は優しかった。
時々、ふっと鋭い目をして家族のことを嫌そうに話すこともあったけれど、それ以上は何も言わなかった。
ただ一度だけ、妹が私に噛みついたことがある。
「お姉ちゃんのくせに、こんな高級マンションに住むとか生意気!」
そのとき祖母が、さらりと言った。
「じゃあ、愛美璃、お前が私の面倒を見るのかい?」
妹は一秒で黙った。
それで終わった。
――そういう家族だ。
そして祖母が亡くなった今。
高級マンションも含めた祖母の遺産のほとんどを、私は相続することになった。
当然、両親と妹は発狂するがごとく弁護士に詰め寄った。
だが弁護士が淡々と、こう言ったのだ。
「では雪乃様のご自宅に、あなたたちは入れるのですか?」
と。
その一言で、両親も妹も、揃って黙った。
祖母の本宅――山奥の一軒家。
古く、文化的価値も高いと言われ、資産価値は数億とも噂される家。
だがその家には、昔から奇妙な噂があった。
「入れる人間が限られている」
実際、あの家に入ることが出来るのは、祖母と私だけである。
父も母も妹も、あの家の門をくぐったことすらない。
祖母が元気だった頃、私が子どものころに一度連れて行かれた記憶があるだけだ。
つまり――家族は“家そのもの”を確かめられない。
それでも、連中は諦めなかった。
家の中には価値の高い骨董品がたくさんあると言うことを、他の親族から聞いていたからだ。
その親族たちは、なぜか祖母を怖がっていて、あまり付き合いはなかったのだが……。
祖母が亡くなってからというもの、両親と妹は毎日のようにマンションへ押しかけてきた。
「話がある!」
「出てこい!」
「遺産をよこせ!」
騒ぎ立てる声がエントランスに響き、ついにはマンションの住人が警察を呼ぶほどだった。
とはいえ、このマンションはセキュリティーが万全だ。玄関から中へ入ることはできない。
私は扉越しに怒鳴り声を聞きながら、祖母の仏壇に手を合わせて、何度も感謝した。
マンションの住人たちは私に好意的だった。
「あんな家族を持って大変ね。」
「がんばってね。」
「不審者として警察を呼ぶわ。」
皆、協力してくれた。
――当然だ。
十五歳の子どもに年寄りの介護を押しつけ、祖母の貯金を使い込んだ極悪人たち。
しかも、その祖母の通帳には、今や三桁の数字しか残っていないらしい。
祖母は生前、このマンションの人たちにそれをよく愚痴っていたと聞いた。
だから皆、事情を知っている。
ある日、弁護士は私にこう告げた。
「雪乃様の遺言で、一日も早くあの家に行くようにと……」
私は迷ったが、従うしかない。
マンションの管理は千合さんに任せ、私は祖母の家へ引っ越すことになった。
その直前だった。
あれほど、
「自分たちに譲れ!」
「書類にサインしろ!」
と詰め寄っていた家族が、ある日突然こう言い出したのだ。
「あの家はいらない。お前が相続しろ。」
私は不気味に思った。
あの連中が“いらない”と言うときは、必ず裏がある。
そして今、目の前の家を見て――私は理解した。
祖母が元気だった頃、奥ゆかしくて格式のある古民家だったはずの家が、今はまるで廃墟だ。
壁や屋根にはツタが生い茂り、建物の輪郭すらぼやける。
門の柱は傾き、庭は腰の高さまで雑草が伸びている。
「……これ、人住めるのかな……」
ため息が漏れる。
なるほど。
家族はこう考えたのだろう。
――こんな家なら、押し付けても痛くない。
――固定資産税だって払えなくなる。
――紅葉が困って名義を移せば、その時に中の骨董品や土地を売り飛ばせる。
そして、私はここに捨てられる。
まあいい。
ここに住めと言ったのは、あの人たちだ。
私は戻るつもりなどない。
私は門を押した。
ギィ……。
錆びた音を立てて門が開く。
庭へ足を踏み入れると、草がざわりと揺れた。
風もないのに。
「まあ古い家だしね?」
玄関の前に立つ。
古い木の扉。
祖母が磨いていたはずの柱は、すっかり黒ずんでいた。
私はドアノブに手をかける。
弁護士の言葉が脳裏をよぎる。
「では雪乃様のご自宅に、あなたたちは入れるのですか?」
父たちは入れない。
でも私は――
ガチャ。
あっさりと扉は開いた。
中は暗い。
長い廊下が奥へ伸びている。
畳の匂いと、少し湿った木の匂い。
私は靴を脱いで上がった。
その瞬間。
――コト。
廊下の奥から、音が聞こえた気がした。
「まあ、古い家だし……」
私は顔を上げる。
誰もいないはずの家。なのに。
――コト。
――コト。
――コト。
何かが、廊下を歩いてくる。
私は思わず身構えた。
そして、つい口から出る。
「悪霊退散!」
どこかで聞いたような、お決まりの呪文。
とあるアニメでやっていたポーズまで真似たのに……。
――コト。
――コト。
――コト。
音は止む気配がない。
「南無南無南無……!」
しかたがないので拝むことにした。
すると、廊下の奥からかすれた声がした。
「……それは何のおまじないですか?」
私は固まる。
そこに立っていたのは――ヨボヨボのおばあさんだった。
背中は曲がり、髪は白く、手は震えている。
しかし着ているのは黒いロングスカートに白いエプロン。
(これは、大正ロマンのメイド服では……)
「――おや? もしかして貴女様は、お孫様の紅葉さまではないですか?」
初めて会うはずの老婆は、私ににこりと微笑んで名を呼んだ。
「はい。確かに私は葛葉雪乃の孫、松葉紅葉ですが……すみません、どちらさまでしょうか?」
「まあ。ご冗談を。私ですよ。この家に仕える彌奈でございますわ。」
おほほほ、と口元に手を当て、上品に笑っているが――
「え? 彌奈さん……」
私の記憶では、黒髪ロングの美女だったはずだ。
祖母の家にいたメイドさん。
祖母が入院してから会っていなかったけれど、それでも四年だ。
四年で――ここまで老けるだろうか。
目の前の彌奈さんは、今にも祖母に手を引かれてあの世に行きそうなくらい、ヨボヨボになっていた。
「……彌奈さん?」
恐る恐る声をかけると、彼女は目を細めた。
「はい。彌奈でございますよ。」
そして、ふらふらと一歩近づく。
その瞬間。
ギシ……。
家の柱が小さく鳴った。
私は目の前の光景を見て、ようやく腑に落ちた。
つい先日、祖母――葛葉雪乃が亡くなった。
九十九歳という大往生である。
「あと一年生き延びれば、百という区切りのいい年齢だったのに……」
それが祖母の辞世の句だった。
祖母は九十五歳のとき、なぜか大けがをして救急車で運び込まれ、そのまま山奥の家へ戻ることはなかった。
そして私は祖母と共に、この高級マンションで暮らすことになった。
このマンションの部屋も、祖母の知人である古美術商の千合さんが手配してくれたものだ。
セキュリティーがしっかりしていて、外部の人間は簡単に出入りできない。
私にとって、それは命綱みたいなものだった。
なぜなら――私は十五歳のとき、高校に入学する予定だったのに、家族が勝手に手続きを取りやめたからだ。
「祖母の介護要員が必要だ。」
そう言って。
父は言った。
「お前はこのくらいしか役に立たないだろう?」
母は言った。
「あなたに出す学費はないわ!」
妹――愛美璃は笑った。
「お姉ちゃんには、年寄りの相手がお似合いよ!」
酷い言葉だ、と今さら思う。
でも当時の私は、心の中でガッツポーズを取っていたことは彼らも知るまい。
祖母の介護という名目で、こんな家族から離れられたことだけは、私にとってラッキー以外のなにものでもない。
祖母は優しかった。
時々、ふっと鋭い目をして家族のことを嫌そうに話すこともあったけれど、それ以上は何も言わなかった。
ただ一度だけ、妹が私に噛みついたことがある。
「お姉ちゃんのくせに、こんな高級マンションに住むとか生意気!」
そのとき祖母が、さらりと言った。
「じゃあ、愛美璃、お前が私の面倒を見るのかい?」
妹は一秒で黙った。
それで終わった。
――そういう家族だ。
そして祖母が亡くなった今。
高級マンションも含めた祖母の遺産のほとんどを、私は相続することになった。
当然、両親と妹は発狂するがごとく弁護士に詰め寄った。
だが弁護士が淡々と、こう言ったのだ。
「では雪乃様のご自宅に、あなたたちは入れるのですか?」
と。
その一言で、両親も妹も、揃って黙った。
祖母の本宅――山奥の一軒家。
古く、文化的価値も高いと言われ、資産価値は数億とも噂される家。
だがその家には、昔から奇妙な噂があった。
「入れる人間が限られている」
実際、あの家に入ることが出来るのは、祖母と私だけである。
父も母も妹も、あの家の門をくぐったことすらない。
祖母が元気だった頃、私が子どものころに一度連れて行かれた記憶があるだけだ。
つまり――家族は“家そのもの”を確かめられない。
それでも、連中は諦めなかった。
家の中には価値の高い骨董品がたくさんあると言うことを、他の親族から聞いていたからだ。
その親族たちは、なぜか祖母を怖がっていて、あまり付き合いはなかったのだが……。
祖母が亡くなってからというもの、両親と妹は毎日のようにマンションへ押しかけてきた。
「話がある!」
「出てこい!」
「遺産をよこせ!」
騒ぎ立てる声がエントランスに響き、ついにはマンションの住人が警察を呼ぶほどだった。
とはいえ、このマンションはセキュリティーが万全だ。玄関から中へ入ることはできない。
私は扉越しに怒鳴り声を聞きながら、祖母の仏壇に手を合わせて、何度も感謝した。
マンションの住人たちは私に好意的だった。
「あんな家族を持って大変ね。」
「がんばってね。」
「不審者として警察を呼ぶわ。」
皆、協力してくれた。
――当然だ。
十五歳の子どもに年寄りの介護を押しつけ、祖母の貯金を使い込んだ極悪人たち。
しかも、その祖母の通帳には、今や三桁の数字しか残っていないらしい。
祖母は生前、このマンションの人たちにそれをよく愚痴っていたと聞いた。
だから皆、事情を知っている。
ある日、弁護士は私にこう告げた。
「雪乃様の遺言で、一日も早くあの家に行くようにと……」
私は迷ったが、従うしかない。
マンションの管理は千合さんに任せ、私は祖母の家へ引っ越すことになった。
その直前だった。
あれほど、
「自分たちに譲れ!」
「書類にサインしろ!」
と詰め寄っていた家族が、ある日突然こう言い出したのだ。
「あの家はいらない。お前が相続しろ。」
私は不気味に思った。
あの連中が“いらない”と言うときは、必ず裏がある。
そして今、目の前の家を見て――私は理解した。
祖母が元気だった頃、奥ゆかしくて格式のある古民家だったはずの家が、今はまるで廃墟だ。
壁や屋根にはツタが生い茂り、建物の輪郭すらぼやける。
門の柱は傾き、庭は腰の高さまで雑草が伸びている。
「……これ、人住めるのかな……」
ため息が漏れる。
なるほど。
家族はこう考えたのだろう。
――こんな家なら、押し付けても痛くない。
――固定資産税だって払えなくなる。
――紅葉が困って名義を移せば、その時に中の骨董品や土地を売り飛ばせる。
そして、私はここに捨てられる。
まあいい。
ここに住めと言ったのは、あの人たちだ。
私は戻るつもりなどない。
私は門を押した。
ギィ……。
錆びた音を立てて門が開く。
庭へ足を踏み入れると、草がざわりと揺れた。
風もないのに。
「まあ古い家だしね?」
玄関の前に立つ。
古い木の扉。
祖母が磨いていたはずの柱は、すっかり黒ずんでいた。
私はドアノブに手をかける。
弁護士の言葉が脳裏をよぎる。
「では雪乃様のご自宅に、あなたたちは入れるのですか?」
父たちは入れない。
でも私は――
ガチャ。
あっさりと扉は開いた。
中は暗い。
長い廊下が奥へ伸びている。
畳の匂いと、少し湿った木の匂い。
私は靴を脱いで上がった。
その瞬間。
――コト。
廊下の奥から、音が聞こえた気がした。
「まあ、古い家だし……」
私は顔を上げる。
誰もいないはずの家。なのに。
――コト。
――コト。
――コト。
何かが、廊下を歩いてくる。
私は思わず身構えた。
そして、つい口から出る。
「悪霊退散!」
どこかで聞いたような、お決まりの呪文。
とあるアニメでやっていたポーズまで真似たのに……。
――コト。
――コト。
――コト。
音は止む気配がない。
「南無南無南無……!」
しかたがないので拝むことにした。
すると、廊下の奥からかすれた声がした。
「……それは何のおまじないですか?」
私は固まる。
そこに立っていたのは――ヨボヨボのおばあさんだった。
背中は曲がり、髪は白く、手は震えている。
しかし着ているのは黒いロングスカートに白いエプロン。
(これは、大正ロマンのメイド服では……)
「――おや? もしかして貴女様は、お孫様の紅葉さまではないですか?」
初めて会うはずの老婆は、私ににこりと微笑んで名を呼んだ。
「はい。確かに私は葛葉雪乃の孫、松葉紅葉ですが……すみません、どちらさまでしょうか?」
「まあ。ご冗談を。私ですよ。この家に仕える彌奈でございますわ。」
おほほほ、と口元に手を当て、上品に笑っているが――
「え? 彌奈さん……」
私の記憶では、黒髪ロングの美女だったはずだ。
祖母の家にいたメイドさん。
祖母が入院してから会っていなかったけれど、それでも四年だ。
四年で――ここまで老けるだろうか。
目の前の彌奈さんは、今にも祖母に手を引かれてあの世に行きそうなくらい、ヨボヨボになっていた。
「……彌奈さん?」
恐る恐る声をかけると、彼女は目を細めた。
「はい。彌奈でございますよ。」
そして、ふらふらと一歩近づく。
その瞬間。
ギシ……。
家の柱が小さく鳴った。
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