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第十四章
地獄の湯の女将
しおりを挟む剛がAIアンドロイドと格闘中に、実母の北条冴子も多忙を極めていた。
『実録・やり過ぎかしら?』がベストセラーになり出演依頼が殺到したのだ。
また『喪服の麗人』も欧米のポルノ市場でかなりの売れ行きを見せていた。
黒一色の和服姿で凌辱される日本美人の姿が、西洋の男どもの東洋趣味を痛く刺激
したらしい。眼を付けたのはアメリカの『ハッスル』。『プレイボーイ』がまだヘア
ヌードに止まっていたころ、男の女の営みを繋がっている部分さえ鮮明に撮影をした
グラビアで一躍ポルノ市場の王者に躍り出た、出版社兼ポルノビデオの制作会社だ。
売れ筋の大きな柱は異人種間のSEX。すでに『ハッスル』のビデオで北条冴子は
黒人を相手に二本、白人の相手で一本。計三本の異人種交流ビデオに出演していた。
撮影は三日間連続で行われ、お相手をしたモノの数でいえば計九本になる。
この成功に気を良くした『ハッスル』が持ち掛けてきたのが、国際共同製作ポルノ
『マダム・バタフライ~嵐の幕末性交外交~』という代物。
「Four super big chimpo fuck sayetyan OK?」
「Oh~! yes! ye~s!please omeko shite!!」
アメリカ・イギリス・フランス・オランダの、アソコも大物の、大物ポルノ男優の
お相手をする方向で、着々と準備が進んでいる。
しかし、冴子が忙しいのは、それだけでは無かった。
復讐を始めようとしていたのだ。
復讐の相手は鬼娘一家。
北条冴子自身は何の辱めも受けてはいなかったが。
耐え難い苦しみを受けていたのは、志保。
冴子が性の迷宮巡りを壺中庵淫斎に告白したとき、湯けむりの里の離れ座敷に同席
していた旅宿の女将。冴子の話に引きずられるようにして、経営者の娘夫婦から酷い
仕打ちを受け、人気ポルノシリーズ『おもてなし女将』さながらのスケスケ着物姿で
賓客への御奉仕を強いられていたのだ。
似たような道を歩いてきた二人は姉妹の契りを結んでいた。
★ ★ ★ ★
「ねえ、志保。鬼娘を罠にかけるいい知恵が浮かばないけれど、志保にぞっこんの
弁護士先生をまず罠にかけて、鬼娘一家を地獄に引きずり込んでやるというのはどう
かしら?それだと冴子も一枚噛みやすいんだけれど」
「・・・・でも、あの方は助平でイヤでイヤで堪らなかったけど、どんなことでも
志保がして差し上げるうちに、お優しくなって・・・鬼娘の命令で御奉仕をした男に
姉さんにも言えないような淫らなおもてなしをした後などは、あの方からのお呼びが
掛かるとホッとして、お寝間でも志保の方から甘えるくらいですの・・・・」
★ ★ ★ ★
ポルノの女帝は『喪服の麗人』のロケで大いに気にいったという名目で離れ座敷を
一夜借り切り、宿泊していた。湯けむりの里から一歩も出ることを許されない志保と
密談して納得させるために。
志保も次第に決意を固めていった。
「・・・判りました。姉さんの計画だと、きっと志保も上手に立ち回ることが出来
そうですわ・・・・うまく事が運んだら後ほどあの方には事情をお話し、土下座して
お詫びすることといたします・・・」
★ ★ ★ ★
東京に戻ると冴子はすぐ壺中庵淫斎に連絡を入れた。
志保のことも気にかけている淫斎に、猿芝居の筋書きを一緒に練ってもらうため。
「・・・・電話で凡そのことは判った。あの子を地獄の湯から助け出すため一肌も
二肌も脱がねばならんわい」
淫斎が腰を据えたのは六本木『ギャラクシー』のいつものカウンター席。
改装されて店の雰囲気も様変わりしているが、以前はクラブ『冴子』だ。
冴子が『あそこだけは許して』というのをわざと意地悪して呼びつけた。
「妹も覚悟を決めております。カメラの前で熱演いたしますわ。で・・・・・・」
「・・・・・・・ふむ、ふむ。では『熟熟、熟女姉妹ドンブリ』でいくか」
官能小説の大御所だ。腕は磨いている。
後でポルノビデオの脚本にすることも考え、腕によりをかけて面白おかしく書いて
やることにした。
「・・・・で、段取りはどこまで進んでいる?」
「隠しカメラを仕込んでいるラブホテルがありますが、妹は鬼娘夫婦の性奴隷で、
湯けむりの里から一歩も出られません」
「うむ。決行は例の離れ座敷ということになるな」
「はい。盗撮物が得意な監督に一本ノーギャラという条件でポルノ『おもてなし
女将』シリーズの撮影がされたときに下見をしてもらいましたの」
「何とかなるということか?」
「妹と冴子がヤメ検弁護士とやっている全景は天井に隠したカメラでいけると。
でもアソコにズッポリという肝心要の映像を撮るカメラの置き場所が難しいと」
「盗撮のプロだ。いい知恵は無いのか?」
「床の間の小棚に超精細小型カメラを隠せば、クッキリ、ハッキリとのこと」
「しかし、敵は元東京地検特捜部の腕利きだ。気付かれる恐れがあるぞ」
「はい。小棚の引き戸はしっかり締めておきます」
「それでは撮れないではないか?」
「そこが北条冴子、ポルノの女帝の腕のみせどころ」
「さて、どうするつもりだ?」
「淫斎先生のような手練れでも、女二人とお遊びのときは、こっちにしようか、
あっちにしようかなどと、他のことには気もそぞろでしょうね?」
「女どもしか眼に入らんわい。気付かれないよう、スウ~ッと開ける算段か?」
「さようです。念には念を入れ、冴子の尻で男を目隠しにして、スウ~ッと」
「相手のあることだ。それにコメディー仕立てにするから全てシナリオの通りとは
いかない。しかし、大筋はちゃんとな」
「ええ、お任せください。これまで磨いてきた腕の見せどころですわ」
淫斎と冴子が謀議を凝らしていると、今日子ママがカウンターにやってきた。
「あら、姐さんお久振り。今夜も大先生と『やり過ぎかしら?』かしら?」
銀河がキラキラ輝く黒紋付の裾を持ち上げ、淫斎の膝に尻を乗せる。
「ええ、今日子ちゃんも『やり過ぎかしら?』眼の下に隈ができてるわよ。内股の
辺りにはパパちゃんの吸い跡かしら?夜枕合戦でお疲れのようね」
かつて夜の六本木で覇を競った二匹の大揚羽蝶が火花を散らす。
冴子を若い衆に輪姦させた大親分が後釜に据えたのが今日子だ。
城明け渡しの涙にくれる冴子の前で、新調したばかりの黒紋付の晴れ姿の袂から、
わざと落とし物をした。『あら、御免なさい』と拾い上げたのが輪姦写真の束。
その場にいた債権者に、爛れ切った穴から白い濁流が溢れている写真まで晒されて
冴子は滝のように涙を流したのであった。
「邪魔よ、今日子はあっちにに行って!大先生と色恋抜きの大事な話があるの」
冴子に尻を打たれ、今日子はお客さま方に御愛想を浮かべながら去っていった。
淫斎作、志保主演、冴子助演『熟熟・熟女姉妹ドンブリ』決行の日が刻刻と迫る。
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