聖迷宮~相姦AIラプソディ~

中井春一郎

文字の大きさ
33 / 187
用語解説

大江戸四十八手とは如何なるものか

しおりを挟む
 
 
 いわゆる四十八手の古名をやたら出したので、煩わしかったかもしれませんね。

 ただ、怖そうなものあれば、ファンタスティックなものもあり、僕は言葉の響きが

割と好きなものですから。


 先ず『砧』。

 どんな格好でしているのか、凡そ御理解いただけたと思いますが、詳しく知りたい

方はネットで調べれば、図解も写真も動画もありますからどうぞ。

 本来の砧は、布地を柔らかくするために、主に女性が使う木槌のようなものです。

 秋の夜更けに砧を打つ音が聞こえてくる情景は、しみじみとした風情を現すものと

して、昔の物語や、古めの小説などにはよく使われています。

 体位としての『砧』は極めてアクロバティックなので、特に女性にとっては苦しい

だけで、決して気持ちいいものとは思えませんが。

 女の尻を布地に見立て、それを男の木槌でトン、トンということなのか?

 ただただ男性の征服欲を満たすためのものかもしれませんね。これ以上ない惨めな

姿態を取ることに喜びを感じる、被虐願望の女性もいるのでしょうが・・・・。

 AVにはよく出てきますね。女優さんには本当にご苦労さんと言いたいところ。

 
 いわゆる『正常位』は『本手』です。

 『正常位』という言葉は異常ですね。『正常位』以外もする男女は異常性交をして

いる訳では無いと思いますが・・・。

 この『本手』も、『寿本手』『笹舟本手』『網代本手』『深山本手』と分類。

 詳しいことはネットでどうぞ。


 いわゆる『対面坐位』や『対面騎乗位』は『茶臼』と総称されます。

 お茶の葉を抹茶にするには、手引きの石臼を使いますが、女性がお尻を臼のように

男性の腰の上でコネ、コネと回すというイメージなのでしょうか?
 
 僕は『茶臼』の言葉の響きに、割とそそられますが、皆さんは如何でしょう。

 この『茶臼』も『本茶臼』『鏡茶臼』『帆掛け茶臼』『時雨茶臼』『織り茶臼』と

昔の日本人は細かく分類しています。女性の片脚を帆掛け柱に見立て、グイと抱いて

いたすなどというのは、なかなか宜しいような気がしますが。

 
 二本に別れている松葉の付け根を、挟み合う格好のような『松葉崩し』は御経験の

方も多いと思いますが、立位でやれば『立ち松葉』、捻り倒せば『零し松葉』です。

 『松葉崩し』を女性上位でやれば『宝船』と名称だけはぐっとロマンチックに。


 『菊一文字』というのは言葉は綺麗ですが、肛門を窄まった菊の蕾に例えて菊座と

言うことから来ています。あまり綺麗では無いかもしれませんね。


 『流鏑馬』というのは、馬に乗って的を射るヤブサメからきていると容易に想像が

つくと思いますが、誤解無きよう。体位の『流鏑馬』は女性が騎乗するものです。

 このあたりも、詳しくはネットでどうぞ。


 数え上げれば切りがありませんが『仏壇返し』『乱れ牡丹』『獅子舞』『鵯越え』

『理非知らず』『燕返し』『達磨返し』とくれば、プロレスのラフなファイトを想像

されるかと思いますが、詳しくはネットでどうぞ。

 なお、女性が上に乗ったまま尻を一回転させる技は手練れのAV嬢がよく披露して

くれますが、この名称は『御所車』となかなか綺麗なものです。

 
 まだまだありますが、オーラルセックス篇に移りましょう。

 この方面は西洋の人の方がお好きなような気がしますが実は日本人も大変なもの。

 いわゆる『フェラチオ』は『雁が首』と『千鳥の曲』に分類しています。

 いわゆる『クンニリングス』は『花菱責め』です。その情景は文字からもイメージ

しやすいと思いますが、『石清水』となれば大変なもの。上を向いた男の顔に、ポタ

ポタと石清水が滴り落ちてくるわけですから。

『鵯越えの逆落とし』も大変なもの。説明が面倒なのでネットでどうぞ。

 シックスナインも男が上なら『椋鳥』、女が上なら『二つ巴』と区分しています。


 最後は、いわゆる『手マン』ですが、『白光錦』と名付けられています。

 綺麗なようでもあり、不気味そうでもあり、イメージは人によって違うかも。

 これについては名画を二つ御紹介しましょう。

 まずは喜多川歌麿の『絵本笑い上戸』です。

 大陰唇に軽く親指の腹を寄せ、人差し指と中指の第二関節までが膣口にズッポリ。

 次は葛飾北斎の『喜能会之故真通』です。

 親指の腹は陰核をコネコネしている風で、中指だけを根元まで膣奥までズッポリ。

 こうした名画の世界が、2025年度のNHK大河ドラマ『べらぼう』に全く出て

こないのは誠に、べらぼうめと言うしかありません。

 我が国が開国して浮世絵が世界に流れた時、ゴッホなどの画家たちが驚嘆したのは

綺麗な美人画や風景画だけでなく、性愛の世界をここまで描いた春画でしたのに。


 最後に、この作品を書くに当たり直接の参考にした訳ではありませんが、底流では

恩恵を受けている情報源の中から二つだけ御紹介します。

 学者さんも、なかなか馬鹿にはできませんよ。

 まずは、国際日本文化研究センター所長も務めた井上章一さんが会長の『関西性欲

研究会』です。平凡社から『性欲の研究~エロチック・アジア~」なども仲間と出し

ていますが、東京経済大学教授の渋谷知美(女性)さんの『包茎とチンポ国粋主義』

などという凄いタイトルの論文もあります。ヨーロッパの売春地帯として有名なのに

アムステルダムの『飾り窓』(ガラス越しに買える女の検分が出来る)がありますが

これは出島貿易を通じて、格子越しに並んでいる女郎をひやかしする吉原遊郭などの

風俗がオランダに伝わったというのが、仏文学者として著名な鹿島茂明治大学教授の

卓見です。SEXの国際交流は鎖国時代にもあったわけですね。


 もう一つは、法政大学の総長を長く務めた田中優子さんを中心とする、春画の研究

プロジェクト。この成果は「浮世絵春画を読む」上下二巻として中央公論から出版を

されています。先ほど紹介した喜多川歌麿と葛飾北斎が描いた、男の指が女陰を弄っ

ている大アップの春画も、この本にモザイク無しで掲載されていますよ。

 歌麿の絵のタイトルは『絵本笑い上戸』でしたが『笑い』という言葉は重要です。

 春画を『ワ印』とも言いますが、この『ワ』は笑いのワです。

 春画は実に面白いですよ。

 楽しみとしてのSEXの全面肯定ですからね。

 壺中庵淫斎は勿論ですが、メフィストフェレス社長もきっと春画ファンでしょう。

 遠景に富士山があり、若い娘がタライで行水しようとしている春画もありますが、

そのタライの湯面には、富士山と、なんとタライをまたいで浸かろうとしている娘の

女陰も映っているのです。照射角度を考えれば富士山と女陰が同時に湯面に映ること

などは絶対的に現実世界では有り得ませんが、春画を見る人を愉しませようと絵師は

あれやこれやと奇想天外な工夫を凝らしていたのです。

 本居宣長は日本文化の核心を『色好み』のただ一言で(肯定的に)示しましたが、

まさに至言ですね。


 また、浮世絵は今の写真週刊誌や闇ネットのような役割も果たしていました。

 僕の大好きな春画のひとつに、井伊直弼の首を切り落とした桜田門外の変の前夜の

大乱交パーティを描いたものがあります。

 水戸や薩摩の攘夷派テロリストは密かに東海道五十三次品川宿の女郎屋に集結し、

夜明け前に、深々と降り続ける雪の中を進んでいき、愛宕神社で必殺祈願をすると、

一気に雪道を駆け下り、抜刀して大名行列の中に切り込んでいったのです。

 春画に描かれているのは、華々しい桜田門外の変の情景ではありません。

 出発前の女郎屋・土蔵相模の情景です。

 自らの死も覚悟した若いテロリストたちが女郎たちと、部屋の畳の上だけでなく、

押し入れの中や階段の踊り場など、いたるところで最後の血戦をしているのです。

 若いテロリストたちの顔は気持ち良さそうでは全くありません。眼が吊り上がって

います。死ぬと判っている浪士たちは、誰でもいいから女に精液を注入して、自分の

遺伝子だけでも、この世に残そうとしたのかも知れません。犯られている女郎たちも

気持ち良さそうでは全くありません。やはり、眼が吊り上がっているのです。女郎は

相手がこれから幕府の一番偉い人を殺そうとしていることは全く知らないはずですが

恐ろしいまでの死にゆく若者の気迫をどのように受け止めていたのでしょうか?

 イエス・キリストが十字架にかけられるとき、弟子たちは全員逃げ出しましたが、

ただ一人、イエスに付き従っていたのは、聖母では無いもう一人のマリア、売春婦の

マグダラのマリアでした。土蔵相模の女郎たちをマグラダのマリアに重ねてみるのは

深読みのし過ぎでしょうか?

 この一枚の春画をネタにして、ホラー小説の傑作が書けるような気もしますが。







 



 


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...