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第十三章
SEXアンドロイド ~魔改造された血染めのアントワネット~
しおりを挟む緑子と麗華には内密で、剛は社長に再度のお出ましを願った。
「社長の御指示に従って順調に作業は進んでいますが、ひとつ、何としてもやって
みたいことがあり、御許可をいただきたくて・・・」
「ほお~、どんなことだ?」
「緑子と麗華の綺麗な顔を汚したらどうかと」
「ふ~む、妙なことをいう奴だが、どう汚すつもりだ?」
「緑子の眉間に『淫』、麗華には『乱』の刺青を彫り込んではどうかと」
「うむ。まさに淫乱姉妹にする訳だな。よし、やってみろ」
「もう、やっています。御覧下さい」
眉間に群青色で『淫』の刻印を刻み込まれた緑子の顔が現れる。
ゆっくり半回転する。
眉間に群青色で『乱』の刻印を刻み込まれた麗華の顔が現れる。
「・・・顔は緑子と麗華と寸分も違わないが、ただ一文字を眉間に穿たれるだけで
こうも変わるとはな・・・凄惨と言ってもいい美しさになるとは・・・・」
「いかがでしょう?」
「答えなくても判るだろうが」
「ありがとうございます・・・SEXアンドロイドも、ただ美しいだけでは人間の
美人とさほど変わりません。例えSEXのテクが生身の人間を遥かに超えていても、
社長の考える美と醜、善と悪を併せ持つということが、いったいどういうことなのか
ずっと悩んでいましたが、僕の出した結論がこれです」
「なるほど。クレオパトラやマリアントワネットにも刺青を刻むということか?」
「全てのSEXアンドロイドに刺青があるというのは良くないとは思いますけど、
入れ墨はアンドロイドに魔改造するための重要なアイテムになるのでは?金色の眼を
光らせた毒蛇が、クレオパトラの乳房に毒牙を刺しているとか・・・・」
「マリアントワネットの場合はギロチンで首を落とされて、断頭台の露と消えた訳
だから真っ赤な血のような薔薇の刺青で全身を飾ってやるのも好いだろう。楊貴妃の
場合はどうすると良いと思うか?」
「・・・・・どうも、中国のことは判らないので・・・・・」
「・・・・白楽天が楊貴妃を悼んで詠んだ『長恨歌』では、その美しさを眉は柳の
如く、顔立ちは芙蓉の如し、となっている。大輪の芙蓉の花で飾ってやるか」
「判りました。やってみます」
「いや、まて・・・・楊貴妃は悲劇的な最期が人生のクライマックだから・・・」
「どんな死に方をしたんですか?」
「玄宗皇帝と温泉でオメコをしているところを反乱軍に襲われ、引き摺り出され、
反乱軍の将兵に輪姦された末、嬲り殺しにされた訳だ。そうだな、怒りの炎に燃え、
憤怒の形相も凄まじい大威徳明王でも背中一面に彫り込んでやるのがいいだろう」
「そんな凄い入れ墨を入れるためには、一流の彫り物師や腕のいい絵描きなんかも
プロジェクトに入ってもらう必要がありますね」
「それは社長の役割ということになるな。これはという人物を引っ張り込むから、
少し時間をくれ。では」
いつものように、社長は風の如く去っていった。
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