女殺し油煙の地獄(二十五周年カップ参加作品のハードコア版)

中井春一郎

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第九章

続・魔界の生成AI ~透け透けボディスーツの緑子~

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 タケシが後に『AI淫』と名付けることになる社長秘書、緑子と再び会ったのは、

三日間の新社員研修を終えた当日である。

 「リビングもキッチンも文句のつけようがありません。勿体なさ過ぎます」

 「気に入ってもらって嬉しいわ。じゃあ寝室へ・・・」

 膝上25センチの黒いミニスカート。ヒップにクッキリ<V>のパンティラインを

浮かべてクネ振りながら、ヒールをコンコン響かせる緑子の後についていく。

 寝室には天蓋付きの豪華なダブルベッドが置かれていた。

 枕は一つ。二人が頭を並べても充分過ぎるほどの長枕だが・・・。

 「・・・こんな立派なベッドとは・・・ぐっすり眠れます・・・」

 「良かった。合格ね。じゃあ一番肝心な研究室に行きましょうね」 

 「・・・どうだ、タケシ。研究意欲は大いに高まっただろう」

 秘書の手配の良さに、社長も満足のようだ・・・。

 「では最後に社長、ビジュアル設計課のスタッフ一同が総力を傾けた人体計測室を

一緒に御覧ください。これに優る三次元画像処理システムは無いということです」

 「うむ、緑子。説明してくれ」

 「はい。超高精細が天井中央に・・・・・計14台・・・・また照明機材は・・・

また移動式カメラ及び移動式照明設備は・・・・」

 「凄い!こんな設備を使えるとは・・・・」

 「では続いて操作パネルの操作については、え~っと・・・・」
 
 タケシは説明を聞く前にマニュアルにサッと目を通すと、全てを頭に入れた。

 「凄い!タケシくん・・・」

 パネル盤を目にも止まらない指さばきで操作する『天才タケシ』に、社長も秘書も

口をあんぐりさせる。

 「たいしたものだ。この設備もだが、タケシの脳味噌は・・・・さて、君の使命は

双方向機能を持つ新規生成AIの開発ということは、室長の説明を聞いているね?」

 「はい」

 「国内のライバルの追随を許さないだけでなく、米中を圧倒する必要がある。まず

君が手掛けるのは、生成AIの秘書とアテンダントだとも判っているね?」

 最終目的がセックスアンドロイドだとは、おくびにも出さない。

 「この二つにまず集中しますが、多角的展開が可能なソフトにすることを頭に入れ

開発に当たります。エ~ッと『AIナース』とか『AI教師』とか・・・」
 
 「うむ。しかし、そうしたソフトの開発だけでは収益性は知れている。世界展開を

しても、精々五千億程度の市場規模に過ぎない。僕は人類社会の今後の展開の予測を

基にしてもっと斬新な戦略を考えている。我が社を十兆円企業に育てて、その資産の

全てを投入し、地球世界に大変革をもたらすためにね」

 「はあ~・・・よく判りませんが、頑張ります」

 「うん、それはまた後の話だ。さて『AI秘書』と『AIアテンダント』の開発に

ついてだが、生身の人間モデルが必要だ。『AI秘書』のモデルは緑子でどうだ?」

 「はい。依存ありません」

 「うん、緑子の内諾は得ている。さっそく取り掛かる必要があるから、今日もその

準備をしているはずだ。緑子、大丈夫だね?」

 「はい」

 「よし。緑子には社長秘書としての仕事も続けてもらうが、週に一日は君の専属の

モデルにする。必要に応じてプラスしても構わない」

 「週初め、週末は社長のお傍にいる必要があります。火曜か木曜でどうかしら?」

 「はい、僕はどちらでもいいです」

 「じゃあ、火曜日にしましょうね」

 「ではタケシ、火曜の緑子は君の女だ。いかように取り扱ってもいい」

 「まあ、酷い。緑子は、切れば血の出る、殴れば泣く、生身の人間よ。オモチャや

AIではございません。セクハラ・パワハラ発言は撤回をお願いします」

 「ハ、ハ、ハ、冗談、冗談。緑子の怒る顔が見たくてね」

 「冗談ではございません。人権擁護委員会に訴え出ようかしらね」

 「それは困る。三ツ星レストランで口封じということでどうだ?」

 「ふふ、了解します。ただし、ワインはロマネコンティですわよ」

 「あ、僕は急な役員会が入っていたね。後の予定はどうだっけ?」

 「十九時にタケシ君を伴い六本木の『ギャラクシー』の予定です」

 「そうだった、そうだった。僕は会社から直行する。案内は頼む」


 社長が消え、高級高層マンション最上階の密室で、剛は緑子と二人切りになった。

 「じゃあ、タケシ君、用意をするから寝室をお借りするわ」


 人体計測室に戻ってきた緑子に、剛は息を呑む。


 <全裸にまでならなくていいのに・・・・>

 
緑子にはオメコに毛が生えていなかった。乳首も無い???

 近づくと、色白の緑子が白の薄物を身に着けていることが判った。

 「競泳用の水着にしようと思ったけれど、薄いボディスーツにしたの。恥ずかしい

けどカラダのラインはこの方がクッキリだから。これでいいかしら?」

 「ええ、ひとまず十分です」

 「・・・ひとまず・・・言いたいことは判るけど、OKということにして」

 「はい。ではまず、正面中央に立って下さい」

 剛は緑子の方を向かず、操作パネルに指を置き、高精細8Kモニターを睨む。

 「右を向いて下さい」

 「はい」

 「後を向いて下さい」

 「はい」

 「左を向いて下さい」

 「はい・・・・でも、社長の言い草では緑子はタケシ君の女で、どう取り扱っても

いいそうだから、右!とか左!とか命令する方が早くない?」

 「そうですね」

 「ふふ、でも口惜しいからタケシ君と丁寧に呼ばなくて、呼び捨てにするわ」

 「ええ、いいですよ。では僕も緑子さんでなく、緑子!と呼び捨てでいい?」

 「いいよ、タケシ。次は『歩け!』かな?」

 「そうだ。歩け!」

 「はい」

 「グルッと回って、後ろに歩け!」

 左にプリッ、右プリ、悩ましく揺れる尻にタケシは鋭く眼を光らせていたが・・・・。

 「あ、失敗だった。『AI秘書』のモデルだから素足では駄目だ。歩き方の正確な

データが取れない。ハイヒール、履いてよ」

 「そうね。気付かなくて御免。じゃあ、ちょっと待ってね」


 人体計測室に白い女体の、コン、コンという軽快な靴音が響き始めた。

 「急な要件だ。急ぎ足にしろ、緑子!」

 「はい、はい・・・」

 「次は、エエ~ッと・・・・」

 「ふふ、タケシ。緑子がいつもの仕事を思い浮かべながら、いろんなポーズをする

ほうが、いいデータが取れない?お客様をご案内するとか、パソコンを打つとか」

 「そうだ!それがいい。勝手にやれ、緑子!」

 「まあ、偉そうに・・・・はい、はい・・・・」

 白い女体に汗が浮かび、ボディスーツが肌によけい密着する。

 片膝付きで客にお茶を出すポーズでは、股間に割れ筋も浮かんでくる・・・。

 「ふう~、けっこう重労働ね。お茶にしない?タケシ」

 秘書は社長が命じた重要任務に取り掛かかる。

 「ベッドでカラダを伸ばして、ひと息入れましょう」

 秘書は、狙う獲物の手を取り、寝室に連れて行く。

 王様が愛妾を侍らせてもおかしくない豪華な寝台である。

 天蓋を開くと、脱いでいた下着を脇に寄せ、仰向けでヒップをベッドに落す。

 タケシもベッドで大の字になった。

 やはり大の字の緑子が、汗に塗れたボディスーツを摘まみ上げて胸元に風を送る。

 若い女のカラダの匂いが、剛の鼻先に漂う。いつ乗り掛かられても不思議ではない状況に

タケシを追い込んだはずであったが・・・・

 タケシは美味しそうに缶コーヒーを飲むだけ。

 
 <・・・・最近では珍しい堅物の坊やね。アソコが固くなれない男では無いと思う

けど・・・・どうやら社長命令の、素敵な忘れ物も必要のようね・・・・>


 緑子は長枕の上に散らかした薔薇色で薔薇柄のパンティやブラを少し見詰めてから

ボディスーツのヒップをもう少しはみ出させ、リビングの窓辺に向かう。

 「・・・まあ、綺麗!タケシもおいでよ」

 二人並んで、高層高級マンション最上階から西の空を眺める。

 真っ赤な夕陽の彼方から、飛行機が次々と羽田に向かい降下していた。

 剥き出しの肩を剛に寄せ、緑子は夕景を楽しむ振りを暫く続ける。

 セックスタイムを40分と見込んでいたので、その時間調整のため。

 「・・・・あ、まずい。『ギャラクシー』に急がなくては」

 ほんの数分間で緑子が寝室から戻ってきた。

 ボディスーツの上に秘書服を着ただけである。

 薔薇色の下着が転がる白いシーツに黒い縮れ毛を一本、付けてから・・・・

 
 「首都高が渋滞でなくて良かった。あ、社長が言い忘れていたことがあるわ」

 緑子がタクシーの中で伝えたのは『AIアテンダント』のモデルの件であった。

 そのモデル候補が何人か待ち受けているはずだという。

 「あ、見えてきたわ。あのネオンがギラギラが『ギャラクシー』よ。私はこのまま

帰宅するので、タクシーから出ません。出たくないの・・・・」


 ずっと愛想よく振舞っていた緑子が、『ギャラクシー』のネオンが近付いてくると

急に不機嫌になったことを、タケシは怪訝に思った・・・・・



 









 





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