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しおりを挟む「さぁ着いた!!」
暫く走った所で、馬車が止まり男性と女性が降りてきた
「さぁさぁ!遠慮せず入って!」
使用人の人達は鬼の形相で走り先に帰ってきていたようで、屋敷の中は騒がしかった
ランは流石にサイズが大きすぎる為にどうしようか悩んでいると
「主の魔力なら私を小さくする事も容易いのではないだろうか。それか影に潜っていてもいいが」
「影にいてもランと離れるのは不安だよ、、。小さく出来ないかやってみる!」
ランに触れ、小さくなれー!とイメージするとランの大きさが子犬程度の大きさになる
「きゃーー!可愛い!!モフモフ!」
小さくなったランを抱き締め撫で回す
ランが小さくなった一連の流れを見ていた皆さんは驚いた顔をしていたが、女性の一声で大急ぎで宴の準備を進める
「私達は血がついた服を着替えてくるのであちらの部屋で暫く待っていてくれるだろうか」
「あ、はい。ラン、行こうか」
案内してくれる執事らしき人に着いていき応接間のような部屋に通される
ソファに座ると、今まで座ったことがないフワッフワなソファでフフっと笑みが零れる
ランを膝に座らせ頭を撫でながら周りを見渡すと元の世界では見たことがない豪華な装飾品ばかりで圧倒されるなぁ
「ラン、なんだか暖かい雰囲気の人達だね」
血だらけの2人を見た時の屋敷にいた使用人の人達は走り出し皆涙を流し2人の無事を全力で喜んでいた
「そうだな。この屋敷の人間たちからは主に似た優しいオーラを感じる」
「御屋敷のご主人ってなんだか偉そうなイメージがあったけどあの人達は使用人の人達の怪我も本気で悲しんでたもんね。」
コンコンッとノックがあり、着替え終わった2人が入ってくる
慌てて立ち上がると、座っていてくれとの事でお言葉に甘える事にした
2人が私の向かいのソファに腰をかける
「改めて、私達を救ってくれた事に感謝する。私はこの屋敷の主人ダリオス・アラカルト。そして妻のフェリア・アラカルトだ」
2人が姿勢よくお辞儀をする
「私は、、零崎 雪と申します。」
「ゼロサキ・ユキ、、変わった名前をしているな。その黒髪、黒い瞳、そして魔力持ち、、どれも初めて見る」
「そうね。こんな綺麗な黒髪見たことないわ。ゼロサキ・ユキはゼロサキというお名前なのかしら?」
「いえ、私の名前は雪です。零崎は苗字ですね。この世界とは名前の順番が違うのかもしれないです」
「この世界、、?」
「信じて貰えないかもしれないですが違う世界で1度死んでしまい神様にこの世界で2度目の生を与えられたんです。」
「貴方。まさかこの子、、」
「あぁ。この国に伝えられる、おとぎ話のような聖女と呼ばれる存在。黒髪に黒い瞳で桁外れの魔力を持つという、、」
「聖女?私はただの人間です。現に1度死にましたし、、」
「この世界にはいつ来たの?家族や住む所は、、?」
フェリアさんが心配そうに聞いてくれる
「この世界には半日ほど前に、、私に家族なんていた事はないです。住む家などもこれから探します。私にはランだけなので」
フッと寂しげな表情になる私に、ランは立ち上がり顔に肉球をプニプニと押し付ける
「ふふ、ランありがとう。」
「住む家がないのなら暫く我が屋敷にいてはどうだ?恩人が困っているのを見過ごせない。宴だけでは何の礼にもならんからな!」
「あらぁ!それはいい考えだわぁ!ユキ、この屋敷で暫く過ごしてくれないかしら?」
ダリオスさんとフェリアさんはニコニコとした笑顔を見せる
「申し出はありがたいのですが、私のような者を屋敷に置いては周りの方から何か言われるのでは、、」
ランをギュッと抱き締め俯いてしまう
「私の使用人達は恩人に何かを言うような人達ではない。それに、周りからの声など私達は気にしない」
「こう見えてアラカルト家は王家に次ぐ公爵家なのよ。貴方1人守るくらい訳ないわ!」
ダリオスさんとフェリアさんが私に近付き私の肩に手を置いて優しく見つめる
「すみません。お言葉に甘えさせて頂きます。数日間お世話になります」
ペコリと頭を下げると2人は満足そうに笑っていた
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